国産ミニバンがどうも苦手な人に贈る「100万円ちょいの旧型ゴルフトゥーラン後期」という選択
2017/04/19
相場は軽ハイトワゴンの新車価格と似たようなもの
16年1月登場の現行型が浸透してきたせいでしょうか、旧型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランの相場がグッと下がっています。車両価格120万~150万円ぐらいという軽ハイトワゴンの新車と似たような予算感で、バリバリのドイツ製ミニバンが狙えてしまうのです。それも、詳しくは後述しますがマイナーチェンジを受けてシュッとした顔つきになった11年式以降の物件が、です。
何らかの事情で近々ミニバンを買わなければならないのだけど、「国産のアレは正直ちょっと苦手だ……」と内心思っている方は、この機会にぜひ旧型ゴルフトゥーラン(の後期型)に注目してみることを強くオススメしたいと思います。
ゴルフトゥーランは、04年2月に最初期モデルが登場したフォルクスワーゲン社製の3列シートミニバン。16年1月からはフルモデルチェンジを受けた第2世代が新車として販売されています。が、ここで推しているのは15年12月までの「旧型」、そのなかでも後期型にあたる一群です。
04年2月に登場した旧型ゴルフトゥーランの車台は、同時期のフォルクスワーゲン ゴルフがベース。約4.4mというコンパクトな全長ですが、合理的なパッケージングにより3列7人乗りのシートレイアウトを実現させています(ただしさすがに3列目はやや手狭です)。
07年2月までの初期型は1.6Lまたは2Lのごく普通の直噴エンジンを採用。この初期型はデザイン的にはなかなかイケてると思うのですが、エンジンの設計は正直もはや古いと言えますし、コンディション良好な中古車の数も減少傾向にありますので、さすがに「イチ推し」とは言えません。
ゴルフトゥーランはその後07年3月に最初の大きなマイナーチェンジを受け、いわゆる中期型に生まれ変わりました。変更点は主にエンジンと外観で、新しいエンジンはフォルクスワーゲンが「TSI」と呼ぶタイプ。要するに今流行りの「ダウンサイジングコンセプト」に基づき、1.4Lの小排気量エンジンをターボとスーパチャージャーで過給し、高い動力性能と良好な燃費性能を両立させたエンジンです。
かなり高級感のあるフロントマスクへと変わった後期型
この中期型もなかなかオススメではあるのですが、いかんせん「とってつけたようなデザイン処理」がやや気になるところではあります。初期型のプレーンなしょうゆ顔を、無理やりこねくり回して濃い目の顔に整形したような感じ……とは言い過ぎかもしれませんが、そのようなニュアンスを感じる人は決して少なくないのではと推測するものであります。
しかし11年1月、再びのマイナーチェンジにより旧型ゴルフトゥーランは「いい感じのビジュアル」を取り戻しました。それが、今回オススメしている後期型です。
フロントマスクのデザインは同時期のフォルクスワーゲン各モデルに採用された水平基調の高級感あるタイプへと変更。見た目だけで言うと「フルモデルチェンジか?」と思ってしまうぐらいの良き変化がありました。エンジンはそれまでと同じ1.4L+ツインチャージャーですが、最大トルクの発生回転数が1500rpmから1250rpmに下がったため、それまで以上に「運転しやすい」と感じられる車へとプチ変貌を遂げています。
排気量は1.4Lにすぎませんが、ツインチャージャーのおかげでミニバンながら出足はかなり鋭く、遠出をする際などに通る曲がりくねった山坂道でも、さすがはフォルクスワーゲンと言いますか、十分な接地感を伴ってスイスイ走らせることができます。また遮音性もなかなかのもので、余計なエンジン音やロードノイズはビシッとシャットアウトされていますので、普及価格帯のミニバンとはいえ「どこか高級な感じ」すら味わえるはずです。
この品質、この見た目で100万円台前半はお値打ち!
ミニバンとして肝心なポイントである車内は、前述したとおり3列目シートは正直やや手狭です。お子さんが座る場合はさておき、大人にとっては「補助席」の域を出ないかもしれません。
まぁこのあたりは「コンパクトなミニバンだから」ということで大目に見るか、もしくは「3列目はそもそもあまり使わない」というタイプのユーザーが狙うべき車なのかもしれません。もしも3列目が不要であれば、折りたたんで荷室の床下に完全収容しちゃいましょう。独立式のシートが3つ備わる2列目の居住性はまずまず十分で、運転席および助手席はいかにもドイツ車らしい、長時間座っていても疲れにくいタイプとなっています。
で、このようになかなかステキな輸入ミニバンだといえる旧型フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランの後期型(11~14年式)が、冒頭で申し上げたとおり「車両価格120万~150万円ぐらい」という、ちょっと気の利いた軽自動車新車ぐらいの価格で狙えてしまうわけです。なんともステキな話ではありませんか。
もちろんいわゆる「旧型」ですので、16年1月以降の現行型と比べてしまうと劣る部分はなきにしもあらずです。しかし現行ゴルフトゥーランに施されたのはかなり「キープコンセプト」的なモデルチェンジでした。そのため見た目的にも性能的にも、1世代古い旧型であることを痛感させられるシーンはさほど多くはないのではないかと思う次第です。
「輸入車だからエライ!」とかそういったわけでは全然ありませんが、もしもあなたが「諸事情によりミニバンはどうしても必要なんだけど、ファミリータイプの国産ミニバンだけは正直避けたい……」と強く思っているのであれば、100万円台前半で狙える旧型ゴルフトゥーラン後期型はぜひ一度はチェックしてみるべき存在です。まずは軽い気持ちで結構ですので、下記物件リンクをぶらりとパトロールしてみることをオススメいたします。
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