【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、新世代ルノーを推す
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2012/10/19


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昔はインポーター社員にとってもルノー車はレアだった?
「何かを捨てることで、初めて手に入れられるものがある」古今東西の流行歌で繰り返し歌われてきたテーマだが、車の世界でも同じテーマで「歌う」ことが可能だ。何の話かといえば、ルノーという自動車メーカーについてである。日本におけるルノーはここ数年、「一般ウケ」をある意味捨てたことで初めて、自動車愛好家からの強烈なシンパシーを手に入れた。
ルノーは、フランス本国ではエンスーがどうのこうのとかはほとんど無関係に、フツーの自動車としてフツーによく売れている。なにせもともとは「ルノー公団」なる国営企業である、堅いのだ。
そんな堅い、ヨーロッパでは最大級の自動車メーカーなのに、「なぜ、日本でだけは全っ然売れないのだ!」と思ったのだろう、1993年にヤナセの子会社として「フランス・モーターズ」を設立させた頃、日本での大勝負に打って出た。当時の主力であった「初代メガーヌ」5ドアハッチバックを、当時のフォルクスワーゲンゴルフの「ガチなライバル」として位置づけ、正面からぶつけたのだ。TV CMも打った。
しかしご承知のとおり、ほとんど売れなかった。
余談だが、当時わたしは初代メガーヌのクーペ16Vというやつに乗っていて、これは5ドアHBよりさらにレアだった。その車で世田谷通り沿いにあったフランス・モーターズの前でたまたま信号待ちのため停止すると、同社敷地内にいた5~6人の社員が一斉に「うぉっ! メ、メガーヌ16Vだっ!!!!!」とばかりに驚愕した表情でこちらを指差していた。…自社の車を見かけたぐらいでいちいち盛り上がらないでほしいと、真剣に思った。
「自動車変態」は今、ルノーへと向かう
その後も様々な紆余曲折はありつつ、結論として日本におけるルノーはず~~~っと低迷を続けた。唯一のヒット作として初代カングーがあったが、いつまでも「カングー頼み」でやっていけるはずもなかった。
しかしいつの頃からか、具体的には00年代後半からか、ついに日本におけるルノーは開き直った。「変態路線で行く」と。
※ここまで書いてきたルノーについての各種見解は、取材に基づいてはいますが、伊達の推測も一部相当に交じっていることをお断りしておきます。
フツーのハッチバックやセダンなどにおいては、どうやらルノー側の価値観および美意識と、日本人一般のそれとの間にはかなりの乖離があり、まったく売れなかったわけだが、「自動車変態」のココロには国境などない。ルノー・ジャポンが送り出した少数精鋭の変態モデル、すなわち今どき変速機がMTだったり、2人しか乗れなかったり、奇妙なカタチをしていたり、妙に走りが良かったりするモデル群は、ごく小規模なマーケットとはいえ確実にニッポンの自動車変態の心をとらえた。
ポピュラリティーとボリューム志向を捨てたことで、逆に「届いた」のだ。
以降の、日本におけるルノーの快進撃(怪進撃?)は多くの者の知るところであるし、この手法が「大企業がとるビジネス手法としてどうなのか?」ということを論じるのは、わたしの役目ではない。わたしが言えることはただひとつ、「そんな近年のルノーの、ホメ言葉としての『変態モデル』が今、中古車としても大変狙い目になってきてますよ」ということだけだ。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
近年のルノー各車、騙されたと思ってぜひ!
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