ユーザーの「使いやすさ」から生まれたもの
ダイハツ タント|ホンネに直撃! ダイハツ タント 開発担当者|ホンネに直撃!
ダイハツの新型タント/タントカスタムの試乗会に行ってきた。
初代がデビューしたのは2003年11月。圧倒的な広さと使いやすさが評判になり、昨年11月に生産を終えるまで月平均8000台も売れた。その二代目が登場した。
軽自動車には大きさに対して規制があるが、その中で現時点において軽自動車最大の広さを生み出している。その限界の広さに貢献したのが、コンパクトで軽量な「トパーズネオエンジン」とダイハツの開発した「3軸CVT ギアトレーン」。おかげでエンジンを限界まで前方に置くことができ、タント/タントカスタムの売りでもあるショートノーズを実現した。これによって室内の広さは天下のレクサスLSと同じにまで広げることができた。

一方の使いやすさについてはどうか、用品開発がしたくて入社したという原氏に聞いた。
先代のタント/タントカスタムは「機能のタント」、「感性のタントカスタム」とユーザーを分けていたそうだ。その販売数は4割がタント、6割がタントカスタムであったという。軽自動車を購入する人の中での女性比率の高さを考えれば、多くの女性が、印象の強いヤンチャ系カスタムを求めたと考えられる。
元気で行動的な子育て女性が、この2代目でもメインのターゲット。ちなみにダイハツ社内では開発にあたっても、「普通系」「ヤンチャ系」と密か?に呼んでいたようだ。
ターゲットユーザーである子育て女性や子供の意見を聞き、テストをし、彼らの視点を十分に反映させる。そのためのプロジェクト「ママキッズプロジェクト」に基づいて作られた結果、ユーザーの声で生まれた用品も含め、内外装で実に154ものアイテムが、この車に用意されることになった。
ダイハツ タント カーテン|ホンネに直撃! ダイハツ タント オーバーヘッドコンソール|ホンネに直撃! ダイハツ タント フローリング|ホンネに直撃!
面白いものをいくつか紹介しよう。後席をすっぽりと覆ってしまうカーテン(写真上の左)は出先で人目を気にせず授乳をしたいという声から生まれた。
またルーフイルミネーション付きオーバーヘッドコンソール(写真上の中)は、オムツやタオルなどのかさばる育児グッズを楽に収納できるようになっている。
そのほかリビング感覚のフローリング(写真上の右)は、子供をもつ親には便利ではなかろうか。食べこぼしや靴についた土などはカーペットだと染み込んで悪臭の元となるが、これなら拭くだけでいい。フローリングには3色が用意されていて「ぜひ売りたい用品」だそうだ。

新型の売りの一つ、ミラクルオープンドアも「使いやすさ」から採用されものだ。助手席側にピラーレスのスライドドアを採用するのは強度が問題となるが、大きく開いたドアに補強をして運転席側と同じ強度を確保した。そのために30~40kgほど車重が増えてしまったが、それ以上に実現した「使いやすさ」を実感してほしいというのが開発者の声。

12月に販売開始した新型タント/タントカスタムのこの1ヵ月の販売台数が、予定の3倍となる2400台に達したという。販売比率はタント/4対タントカスタム/6だったそうだ。
またダイハツの稼ぎ頭になりそうだ…。原氏の楽しそうな顔が目に浮かぶ。
合掌。
<奈落院煩悩寺和尚>