▲プリウスに売上で遅れをとったインサイトの仇を討つべく、ホンダが鋭意開発中であったハイブリッド専用車に異変が生じた。開発現場で何があったのか ▲プリウスに売上で遅れをとったインサイトの仇を討つべく、ホンダが鋭意開発中であったハイブリッド専用車に異変が生じた。開発現場で何があったのか

専用シャーシの開発を断念

2014年8月26日公開の記事で紹介したホンダの新型ハイブリッド車の計画内容が大幅に変更されるようだ。

おさらいすると、ホンダが新たな環境対応車として開発しているモデルは、プリウス対抗のハイブリッド専用車と、レンジエクステンダーの2種類で構成されている。1.5Lエンジンやコンポーネントを共有するために、並行して開発作業が進んでいた。

だが、八郷体制に変わったことが影響したのか、ハイブリッド専用車の計画が大幅に変わった。本来、プラットフォームにも専用品を用いる予定だったが、シャシー開発を断念。既存のものが使われることになったという。

ホンダは、秋のLAモーターショーで公開する次期シビックのリリースに合わせて新しいプラットフォームを立ち上げるため、さすがに同クラスのシャシーを複数もつことは効率が悪いと判断を下したのかもしれない。当然といえば当然だ。

渦中のハイブリッド専用車には、次期シビックのシャシーが流用される公算が大きいものの、目標重量1300kgを達成できるのか、気になるところだ。

いったんプロジェクトが見直されたことで、発売予定時期も2017年前半から同年後半へズレ込む見通しだ。ただし、エンジンには当初の計画どおり、熱効率40%オーバーを目指して、改良が進められている1.5Lアトキンソンサイクルが搭載される。

低フリクション化、排熱回収システムや超低粘度オイルの採用、水温管理と空気抵抗軽減に役立つグリルシャッターの標準化など、あらゆる策が盛り込まれるだろう。

▲新型ハイブリッド専用車、レンジエクステンダーには、フィットと同じ1.5Lエンジンが用いられる計画だ。ただし、あらゆる部分に手が加えられて熱効率アップが図られる ▲新型ハイブリッド専用車、レンジエクステンダーには、フィットと同じ1.5Lエンジンが用いられる計画だ。ただし、あらゆる部分に手が加えられて熱効率アップが図られる

なお、外部から充電できるプラグイン機構を有する、レンジエクステンダーの投入も予定より遅れて2017年半ばにズレ込む。それでもハイブリッド専用車よりは先出しとなるか。

こちらは計画どおり狹山製作所のみで組み立てられ、北米やヨーロッパにも輸出される。年産計画台数は3万台が予定されている。

※2015年9月15日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2017年11月
■全長×全幅×全高:4450×1750×1435(mm)
■搭載エンジン:1.5L 直4+モーター

text&photo/マガジンX編集部、ホンダ