2007年は、日産GT-RやスバルインプレッサSTI、IS Fなど国産スポーツカーの当たり年。そこでR34GT-RやNSXなども含めて、現時点で国内最強と思われるスポーツカー8台を富士スピードウェイに召集。全日本ジムカーナチャンピオンに13度も輝き、また現役のスーパーGTドライバーでもある山野哲也氏にその実力を試してもらった。共通のテスト項目は富士スピードウェイ・ドリフトコースのラップタイム、および0~100m加速。果たして結果は?
3.“R”の元祖 vs 最新
1997年に登場したEK型シビックタイプRが
赤バッジの元祖かと思えるがその5年も前にNSX-Rは登場していた
駆動方式も価格、そして目的さえも異なる2台だが
タイプRという赤バッジだけは共通している
元祖タイプRと最新のタイプR、受け継がれているものとは
 
最強世代
NSX TYPE R
ホンダ NSX タイプR
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LAPTIME
●1ラップタイム:37.417秒
●0~100m加速:
  107.52㎞/h/5.606秒
インプレッション
 ホンダのレーシングスピリットを具現化するモデルとして1992年に登場。標準モデルに対し120㎏の軽量化を実現し、各部をレーシングカー並みに改良したモデルだ。本格派ゆえ街乗りには相当の覚悟が必要だ。頭の後ろから聞こえるエンジン音はうるさく、乗り心地も悪い。街中ではほとんど2速、たまに3速という具合でそのポテンシャルを持て余し欲求不満がたまる。しかしそのすべてが、この車らしさでもある。究極の市販スポーツカーを所有する、そして操るという喜びはほかにはない魅力なのだ。

最新モデル
CIVIC TYPE R
ホンダ シビックタイプR
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LAPTIME
●1ラップタイム:38.058秒
●0~100m加速:
  94.73㎞/h/6.451秒
インプレッション
 FFタイプR史上最速を目指して開発された最新のタイプR。サーキットで鍛えられたその走りはまさに究極のFFスポーツだ。もちろんその走りの楽しさは街中でも存分に味わえる。ストップ&ゴーの多い街中では、シフトチェンジのたび高回転まで元気に吹け上がるエンジンは最高に気持ちいい。60km/h巡航時では3速で4000rpm、4速で3000rpmとなるが、この回転域でも豪快なサウンドが楽しめる。足回りは硬めだが、この車に乗れば誰もが走りを楽しみたくなる。快適な乗り心地は必要なし!
4.ライトウェイト vs パワー
走りの楽しさを測る目安となるのがパワーウェイトレシオ
F1のようにエンジンのパワーがあって、車両重量が軽ければ
この数値は小さくなり高い運動性能をもつ証だ
たとえパワーがなくても車重が軽ければ運転は楽しくなる
運転するの楽しさとは一体何なのかをこの異種格闘技で問う
 
最強世代
ROADSTER
マツダ ロードスター2.0RS
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LAPTIME
●1ラップタイム:36.833秒
●0~100m加速:
  87.63㎞/h/6.522秒
インプレッション
 ライトウェイトスポーツの定番モデルといえばマツダロードスターだ。3世代目のこのモデルは走りと快適性の両立を目的にボディサイズがひと回り大きくなった。しかし軽快な走り味はきちんと初代モデルから受け継がれている。ATモデルとMTモデルが選べるが、この車らしさを楽しむならやはりMTモデルをチョイスするのが正解。街中などスピードが出せない状況でも2~3速をこまめに変速しながらの、スポーティなドライビングが楽しめるからだ。クラッチも軽く扱いやすいのが嬉しい。

最新モデル
LEXUS IS F
レクサス IS F
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LAPTIME
●1ラップタイム:35.632秒
●0~100m加速:
  107.65㎞/h/5.570秒
インプレッション
 レクサスの本格スポーツモデルがIS Fだ。本格スポーツカー顔負けのポテンシャルを発揮するモデルだが、街中では一転、レクサスモデルらしい紳士的な走りが楽しめる。Dレンジでの60km/h走行時のエンジン回転数はわずか1500rpmと、とにかく静か。3600rpmまでは豪快な排気音よりも心地良いV8サウンドが楽しめる仕様になっている。サーキットで鍛えられた足回りには前後19インチのホイールが装着されるが普段乗りでの乗り心地は実にしなやか。一台で全く異なる2つのテイストが味わえる。
 
Tester/山野哲也 Report/上田泰久、石川茂幸 Photo/尾形和美、篠原晃一
車両協力/R34GT-R ベルテックスインターナショナル
※この記事は、カーセンサー関東版24号(2007年12月6日発売)の特集をWEB用に再構成したものです