▲グレード名のRXは「Rally-X」の略で、「ラリー競技でのポテンシャル」という意味が込められています ▲グレード名のRXは「Rally-X」の略で、「ラリー競技でのポテンシャル」という意味が込められています

スバリストもノスタルジックカーファンも、ぜひご覧ください!

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2015年1月20日に発見したのは「スバル レオーネクーペRX-II」です。3代目レオーネに投入されたグレードで、1986年に登場したものです。

レガシィの前身にあたるレオーネは1971年に初代が誕生。1972年にはステーションワゴンモデルに4WDを設定しました。今でこそ4WDは珍しいものではありませんが、当時はクロカン以外に設定されることは稀でした。

▲直線基調のデザイン、小さな“鉄ッチン”ホイール、フルタイム4WDをうたうデカール……。どれもノスタルジックです ▲直線基調のデザイン、小さな“鉄ッチン”ホイール、フルタイム4WDをうたうデカール……。どれもノスタルジックです

サファリラリーにも参戦し好成績を残しましたし、スバルは4WDでブランドイメージを定着させようとしたのでしょう。世界に目を向けてみれば、アウディが“クワトロ”(フルタイム4WD)で今以上に4WDの優位性を示していた頃でした。ただ、マツダがファミリアの上級モデルでフルタイム4WDを投入し、やや遅れてレオーネクーペRX IIが追随するカタチでした。デフロック機構付きセンターデフが採用されたもので、後にセダンやワゴンにも展開されることとなったのです。

1.8L水平対向4気筒ターボエンジンは最高出力135ps、最大トルク20.0kg-m。組み合わせられた5速MTはユニークで、「デュアルレンジ」とうたわれるローギアとハイギアモードが切り換えられるスイッチがシフトゲート横に設けられていました。「これにより理論上は10速……うんぬん」と語られていました。

▲インストルメントパネルを囲むようにボタン類が配されています。向かって左側にはエアコンを操作するボタンがあります ▲インストルメントパネルを囲むようにボタン類が配されています。向かって左側にはエアコンを操作するボタンがあります

当該中古車、新車時登録から29年が経ち、走行距離は10.5万kmですが、写真を見るかぎりでは保管状態は良好だと思います。80年代に流行ったデカール類も剥がれていないようですし、シートの状態も擦れやヘタりが少なそうです。この手の高性車としては珍しくフルオリジナルのコンディションが保たれているようです。

スバリストだけでなく、ネオクラシックカー好きも必見です。スバルの輝かしい4WD歴史の1ページですし、ノスタルジックな雰囲気は至るところに漂っていて今、街中で走ったら注目度抜群です。総額86万円で、差別化できるという点においては、コストパフォーマンスが高いと思います。

カセットプレイヤー付きカーステレオで、昔作ったオリジナルテープ聴いてみたくないですか? インストルメントパネルを囲むボタンも“昔ながらのハイテク感”を演出していますし、エアコンのスイッチまでインストルメントパネルまわりにあるのも素敵! 当時は高性能グレードでしたが、今見ると小さな“鉄ッチン”ホイールも可愛らしくてたまりません。

■本体価格(税込):72.0万円 ■支払総額(税込):86.0万円
■走行距離:10.5万km ■年式:1986(S61)
■車検:2015(H27)年11月 ■整備:別 ■保証:無
■地域:茨城

text/古賀貴司(自動車王国)