新型フォレスターの新車価格に絶望した人に贈る「半額で買えるコレ、代わりにどうですか」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: レクサス / トヨタ / スバル / 三菱 / メルセデス・ベンツ / ステーションワゴン / SUV / クロスオーバーSUV / 4WD / フルタイム4WD / フォレスター / Cクラスワゴン / RAV4 / アウトランダーPHEV / NX / 伊達軍曹
2025/06/25

総額250万円以下で狙える「新型フォレスターみたいなSUV」を探せ!
「新型スバル フォレスターが2025年4月17日、ついに日本市場でも発表された。従来型とは方向性を変えた「ゴツかっこいい!」といえるエクステリアデザインと、上級グレードに搭載されたストロングハイブリッドには心踊るばかりだが、冷静になって新車価格を見てみると――けっこう高い。グレードによっては、従来型よりも100万円近く高額になっているようだ。

そこで「新型フォレスターは最高そうだけど、さすがにちょっと高いかも……」と感じている各位に向け、より現実的な価格で「新型フォレスターと同じぐらいの満足度」が得られそうなモデルをピックアップしてみることにしよう。
予算設定は、新型フォレスターの上位グレードであるPremium S:HEV EXの新車本体価格が459.8万円で、メーカーオプションを付けた場合の支払総額が約517万円なので、そのざっくり半額にあたる「総額250万円以下ぐらい」ということにする。

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スバル フォレスター(現行型・6代目)代わりの候補①|トヨタ RAV4(現行型)
→想定予算:総額230万~270万円
順当なところでは現行型トヨタ RAV4が、新型スバル フォレスターの代わりとしてある程度機能するだろう。


ご承知のとおり現行型トヨタ RAV4は、2019年4月に登場した中型SUV。ボディサイズは全長4610mm×全幅1865mm×全高1690mmということで、新型フォレスターとおおむね近く、フルタイム4WDもラインナップされている。
総額250万円以下で選べる4WDグレードは、最高出力171psの2L直4ガソリン車の場合は中間グレード「G」またはエントリーグレード「X」が中心。もうちょい足して総額260万円前後で考えるなら、走行状況に応じて後輪へのトルク伝達を左右独立で制御する「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を搭載する「G“Zパッケージ”」を見つけることも可能だ。
2.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドの4WD車は、総額250万円以下の予算だと走行10万kmオーバーの物件が中心。走行6万km台ぐらいまでのハイブリッド4WDを狙いたい場合は、総額270万~290万円ほどの予算を見込む必要がある。
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トヨタ RAV4(現行型・4代目)代わりの候補②|レクサス NX(初代)
→想定予算:総額200万~260万円
先ほど挙げた現行型トヨタ RAV4は「新型フォレスターの代わり」としてまあまあ悪くないと思うものの、総額250万円以下の予算では2Lガソリン車のエントリーグレードまたは中間グレードしか基本的には選べず、本命である「アドベンチャー」グレードが狙えないという難点はある。
ならばトヨタの枠を飛び越えて「レクサス」を選んでみれば、総額250万円以下の物件であっても、新型のスバル車に匹敵しうる満足が得られるのではないか?
そう考えたときに注目したいのが、初代レクサス NXだ。

初代レクサス NXは、2014年から2021年まで販売されたレクサスブランドの中型SUV。製品コンセプトは「Premium Urban Sports Gear」であるため、野山が似合うスバル フォレスターとは若干毛色が異なるかもしれない。
だが、新型フォレスターのS:HEV(ストロングハイブリッド車)もどちらかといえば都会派向けの作りであるため、新型フォレスターのS:HEVに興味がある人であれば、さほど違和感はないとも考えられる。そして、もちろん先代レクサス NXにも4WD車はラインナップされている。
初代NXに搭載されたパワーユニットは最高出力238psの2L直4ターボと、2.5Lエンジンに同143psのモーターを組み合わせたハイブリッドの2種類。そして4WDモデルには、これに加えて後輪を駆動する同68psのモーターも備わる。

総額250万円以下で狙うことができる先代レクサス NXの4WD車は、2017年9月のマイナーチェンジを受ける前の前期型にはなるが、パワーユニットは2L直4ターボと2.5Lハイブリッドのいずれも選択可能。
特にハイブリッド車であれば、新型スバル フォレスターのストロングハイブリッド車と同等または同等以上の燃費性能が味わえるだろう。
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レクサス NX(初代)代わりの候補③|三菱 アウトランダーPHEV(初代)
→想定予算:総額130万~270万円
新型スバル フォレスターでは味わうことができない「プラグインハイブリッド」の魅力を享受できるという意味で、三菱 アウトランダーPHEVも注目に値する。

三菱 アウトランダーPHEVは、2012年から2021年まで販売されたプラグインハイブリッドシステムを採用した中型SUV。初期モデルは新型スバル フォレスターの代わりとしてはいささか古いため、この場合に注目すべきは最初の大幅改良が行われた2015年7月以降、または二度目の大幅改良が行われた2018年8月以降の世代だ。
後期型アウトランダーPHEVのボディサイズは全長4695mm×全幅1800mm×全高1710mmと、新型フォレスターにかなり近い数値。
パワーユニットは最高出力118psの2L直4エンジンに、同82psの前後モーターを加えたプラグインハイブリッドシステム。一充電あたりの走行距離は2015年7月以降の世代が60.8km(JC08モード)で、2018年8月以降の世代は65.0kmとなる。

新型スバル フォレスターと比べればいささか古さも感じるが、「EV走行ができる」というのは新型フォレスターにはない美点であり、走りも全体的になかなか秀逸。そして車両運動統合制御システム「S-AWC」も大いに頼りになるということで、三菱 アウトランダーPHEVは「総額250万円以下で考える新型フォレスターの代わり」としてはかなりの有力候補となるはず。
中古車の注目価格帯は、2015年7月~2018年7月の世代が総額130万~230万円、2018年8月以降の世代が総額190万~270万円というイメージだ。
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三菱 アウトランダーPHEV(初代)代わりの候補④|メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(4代目・後期型)
→想定予算:総額200万~290万円
新型スバル フォレスターのストロングハイブリッド車に試乗して強く感じたのは「まるで新幹線のようだ!」ということだった。
もちろん新型フォレスターのS:HEVはフル電動車である新幹線と違ってエンジンも使うハイブリッド車だが、ある意味音もなく、ひたすら力強くかつスムーズに加速していき、そして抜群の直進安定性が感じられる様は、新幹線のあの感じにけっこうそっくりだったのだ。
そして新幹線および新型フォレスターS:HEVの走行感覚は、先代メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンの後期型にも少し似ている。

S205こと先代のメルセデス・ベンツ Cクラスワゴンは、それまでのCクラスとは明らかに異なる上質な作りと素敵な走行フィーリングを伴って2014年に登場したDセグメントのステーションワゴン。
ボディサイズは全長4705mm×全幅1810mm×全高1440mmということで、当然ながら全高はSUVである新型フォレスターより30cm近く低いのだが、全長と全幅はまあまあ近い。
そんな先代Cクラスワゴンは2018年7月、変更部品点数が約6500点にものぼるビッグマイナーチェンジを実施した。
ビッグマイナーチェンジ後のC180に搭載された1.6L直4ガソリンターボエンジンは前期型と同一だが、C200は、1.5L直4ガソリンターボにBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムで構成されるマイルドハイブリッドシステムを追加。そしてC220dが搭載する2L直4ディーゼルターボエンジンは、前期型比で24psアップの最高出力194psとなった。

そしてこのタイミングで運転支援システム「インテリジェントドライブ」もSクラスと同等にアップグレードされたということで、先代Cクラスワゴン後期型のC200またはC220dを購入すれば――ステーションワゴンゆえにフォレスターほどの高さはないという問題はあるが――新型フォレスターS:HEVにある程度近い“新幹線フィール”が堪能できる可能性は高い。
中古車の注目価格は後期型C200が総額200万~270万円、後期型C220dは総額240万~300万円というイメージだ。
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メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(4代目) × 2018年7月~2021年6月代わりの候補⑤|スバル フォレスター スポーツ(5代目)
→想定予算:総額310万~360万円
スバル フォレスターというSUVに燃費性能を求めるのであれば、新型のストロングハイブリッドモデルを購入するに限る。だが、もしもあなたがフォレスターに「意のままに走れる愉しさ」みたいな部分を求めているのであれば、無理に新型のS:HEVを買う必要はない。
先代の「スポーツ」でも、その望みはおおむね叶うからだ。

新型フォレスターの2.5Lストロングハイブリッド車と1.8Lガソリンターボ車は、そのキャラクターが明確に分けられている。1.8Lターボの方は「相当楽しく走れるSUV」であり、ストロングハイブリッドの方は「燃費性能を含む総合力に優れるSUV」といったニュアンスなのだ。
そして、もしもあなたが「相当楽しく走れるSUV」を求めているのであれば、ストロングハイブリッドではなく1.8Lガソリンターボを搭載する新型の「スポーツ」を買うのがベストだが、新型スポーツが有している魅力の多くの部分は、「先代のスポーツ」でも代替できるといえばできる。
ご承知のとおり先代スバル フォレスターの「スポーツ」は2020年10月に追加された、新型のスポーツと同じCB18型1.8L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載した最上位グレード。
もちろん同じCB18型、同じ最高出力177psとはいえ、新型のスポーツが搭載するCB18型エンジンは様々なブラッシュアップが行われており、そもそものプラットフォームもフルインナーフレーム構造へと進化しているため、「意のままに走れる愉しさ度数」は新型スポーツの方が上だ。
しかし、先代のスポーツもいまだ相当なモノであり、その他大勢のSUVと比べれば猛烈に走りが楽しい1台である。その中古車を購入すれば、新型フォレスターを買うよりもずいぶんとお安い予算にて、若干劣りはするが「おおむね同じ」ともいえる魅力を堪能できるのだ。

残念ながら先代フォレスター スポーツの中古車価格は、今回の命題である「新型の半額」という設定を超える総額310万円~となってしまう。だが、若干の予算オーバーを大目に見てしかるべきだけの魅力が、このSUVには存在している。
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スバル フォレスター(5代目) スポーツ
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。