レンジローバーが先代なら400万円台で狙える!? ランドローバーの最高級SUVの中古車状況やオススメの選び方を解説!
2025/06/24

先代であれば現実的な予算で狙える状況になってきた
「すべてにおいて世界最高峰レベルのプレミアムSUV」といえるランドローバー レンジローバーは2021年11月以降、通算で5代目にあたる世代が現行型として販売されています。現行型のレンジローバーは、当然ながら超が付くほど魅力的ですが、2013年3月から2021年10月まで販売された先代(4代目)も、よく考えてみればまだまだ十分に魅力的な存在です。
そんな先代レンジローバーは新車時価格1200万円を軽く超えるほどの高級SUVですが、ここ最近は「総額400万円付近」という現実的な価格帯でも、その中古車は流通しはじめています。

相対的にはお手頃価格といえる総額400万円付近の先代レンジローバーは「買い」なのか? それとも、もっと他に注目すべき価格帯が存在しているのでしょうか?
先代ランドローバー レンジローバーのモデル概要をあらためて振り返りつつ、そのあたりの問題について考えてみることにしましょう。
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ランドローバー レンジローバー(4代目)モデル概要:伝統を踏襲しつつモダン&軽量になった超プレミアムSUV
日本へは2013年3月に上陸した4代目ランドローバー レンジローバーは、世界で初めてオールアルミニウム製のモノコックボディを採用したプレミアムSUV。そのボディシェルは、従来モデルのスチールボディシェルと比べて40%ほど軽量化されています。
それまでのレンジローバーの伝統を踏襲しつつ、よりモダンなスタイリングとなったボディのサイズは全長5005mm×全幅1985mm×全高1865mm。
日本仕様に当初搭載されたパワーユニットは最高出力375psの5L V8自然吸気と、同510psをマークするスーパーチャージャー付き5L V8(510ps/6500rpm、63.8kg・m/2500rpm)の2種類。駆動方式は全車フルタイム4WDです。



路面状況に合わせてエンジンやギア、ブレーキなどの各種制御を最適化する「テレイン・レスポンス」も第2世代に進化し、走行条件を分析して最適なプログラムを自動的に選択する「オート」機能を採用。そしてホイールベースの延長に伴って後席のレッグルームは118mm以上拡大するなど、乗員の快適性は従来型以上に高まっています。
デビュー年である2013年の9月には、当初からの5L V8自然吸気に代わって最高出力340psの3L V6スーパーチャージャー付きエンジンが採用され、翌2014年3月にはロングホイールベース版を追加。
そして2015年1月にはアダプティブ・クルーズコントロールが標準となり、翌2016年12月には3LのV6ディーゼルターボを追加。2018年4月のデザイン小変更と同年6月のプラグインハイブリッドモデル追加などを経て、5代目(現行型)が登場する2021年10月まで販売され続けた――というのが、先代ランドローバー レンジローバーの大まかなモデル概要となります。

中古車状況:平均価格は微下落、そして流通台数は順調に増加中
2024年6月まで1000万円台だった支払総額平均価格は、その後勢いよく下落に転じ、直近では794.9万円台まで落ちてきました。

一方、中古車流通量は減少傾向で、執筆時点(2025年6月10日現在)での延べ掲載台数は146台。マーケットにおけるモノの価格は、基本的にはモノの数が増えれば増えるほど下がっていく傾向がありますが、前述のとおり先代レンジローバーの平均価格は中古車流通量と裏腹に減少傾向。カーセンサーnet上では総額400万円付近の物件も多数流通しています。
とはいえ、果たして「総額400万円台の先代レンジローバー」は買いなのでしょうか? オススメの狙い方とともに次章以降、検討してまいりましょう。
オススメの選び方①:総額400万円台の予算なら3L V6ガソリン車の「履歴」をしっかり吟味する
総額400万円台の予算で5L V8エンジン搭載グレードを狙うこともできなくはありません。しかし、同価格帯で狙えるのは、基本的には3L V6スーパーチャージャー付きエンジン搭載グレードが中心になります。
そして希に2015年式や2016年式の物件が総額400万円台になっていることもありますが、これまた基本的には2013~2014年式の初期モデルが中心で、その走行距離は――もちろん千差万別ではあるものの、基本的には8万~10万km付近である場合が多いでしょう。

まず「5L V8ではなくスーパーチャージャー付き3L V6のパワー感でも満足できるのか?」という問題から考えますと、これは「人によりけりではあるが、普通はおおむね満足できるはず」と考えられます。
3.0 V6スーパーチャージド ヴォーグの場合、車両重量2340kgに対してエンジンは最高出力340ps/最大トルク450N・mですから「鬼のように速い!」ということは特にありません。しかし、いわゆるスピード狂みたいな人でさえなければ、「遅っ……」みたいに感じることはまずないでしょう。

そしてお次に「初期年式の、走行距離がそれなりにかさんでいる個体である」という点について考えると、ここはもう「歴代オーナーの扱い方次第でコンディションは大きく変わる」としか言いようがありません。
車というのはレンジローバーに限らず、丁寧に扱いながら定期的に(主には正規ディーラーで)しかるべき点検と整備をしておけば、年数がたとうが走行距離が増えようが、ある程度までは普通に良好なコンディションを保つものです。しかしその逆、つまり「荒っぽく扱い、ロクに点検も整備もしない」という状況だと、車のコンディションはあっという間に劣化します。
そのため総額400万円の予算で先代レンジローバーを探したい場合は、走行距離や年式ではなく「扱われ方」を見ることが重要になります。
丁寧に扱われてきた車には「内外装のたたずまいが良い(妙な小キズなどが少なく、嫌なにおいもせず、直感に基づく“違和感”もない」という特徴と、「整備履歴が良い(正規ディーラーで定期的な点検と整備を受けてきたことが確認できる)」という特徴がある場合が多いものです。
そういった特徴を備えた物件を見つけることができた場合には、走行距離の多寡にかかわらず、総額400万円台の先代レンジローバーは「買い」となるでしょう。
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ランドローバー レンジローバー(4代目) × 総額500万円未満オススメの選び方②:5L V8なら総額500万円台の「オートバイオグラフィ」をしっかり吟味する
先ほど「3L V6スーパーチャージャー付きエンジンの先代レンジローバーでも普通に満足できる」という旨を申しましたが、それでもやはり「せっかくレンジローバーに乗るなら一番いいやつがイイ!」と考える人も多いでしょう。その場合は必然的に、5L V8自然吸気ユニット搭載グレードまたは5L V8スーパーチャージャー付きユニット搭載グレードを探すことになります。
とはいえ、最初期の約半年間しか販売されなかった5L V8自然吸気ユニット搭載グレードはきわめて希少であるため、実際には5L V8スーパーチャージャー付きユニット搭載グレードの一択となるでしょう。

その場合は総額1000万円以上の予算を投じれば、いくらでも素晴らしいコンディションの5L車が狙えるわけですが、そこまでの予算を出すなら、いっそのこと現行型の新車を買った方がシアワセになれるかもしれません。あえて先代の中古車を買うのであれば、やはり「お買い得感」みたいなものが重要になりますので、ここは総額500万円台までの予算感で済ませたいところです。
そして総額490万~590万円ぐらいの予算感で臨むと、「オートバイオグラフィ」という5L V8スーパーチャージャー付きユニット搭載グレードが射程圏内となってきます。

そして総額490万~550万円ぐらいのオートバイオグラフィは走行距離多めで、総額550万~590万円ぐらいの同車は距離少なめという傾向はあるのですが、一概にはいえません。また中古車のコンディションというのは走行距離だけで決まるものでもありません。前述しましたが「丁寧な扱いと定期的な点検と整備」こそが、上物といえる中古車が発生する源なのです。
そのためここでも内外装のたたずまいと整備履歴を徹底的にチェックし、もしもお眼鏡にかなう1台が見つかったならば、それは「買いの1台」である可能性が高いでしょう。
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ランドローバー レンジローバー(4代目) × オートバイオグラフィ × 支払総額500万円台オススメの選び方③:3L V6ディーゼルなら比較的高年式な物件でも中古車価格はまずまずお手頃
ここまで提案してきたセグメントは、いずれも2013~2015年式付近の「若干古い世代」が主な検討対象になります。そのため、「できればもう少し新しい年式の中古車の方がありがたいのだが……」と感じる人も少なくないかもしれません。
しかし、年式を新しくすると、どうしてもそれに伴って価格もドーンと上がってしまうのがレンジローバーのような高級車なわけです。とはいえ相対的にけっこう新しめの年式を、相対的にはお安く狙えるグレードがないわけではありません。
それは、2016年12月に2017年モデルとして追加設定された3L V6ディーゼルターボエンジン搭載グレードです。

このとき追加された3L V6ディーゼルターボエンジンは最高出力こそ258psと控えめですが、最大トルクは600N・mという強力な水準。また2017年モデルからはインフォテインメントシステム「InControl Touch Pro」が全グレード標準装備となった他、安全装備の充実が図られている点も魅力となります。
2016年12月に追加された3Lディーゼルターボ車は標準の「ヴォーグ」と上級の「オートバイオグラフィ」の2種類ですが、ヴォーグの2017~2018年式であれば、走行距離がさほど延びていない物件を総額570万~670万円付近で見つけることができます。
5L V8のスーパーチャージャー付きユニットに特にこだわりがない人は、ぜひ3L V6ディーゼルターボのヴォーグに注目してみてください。
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ランドローバー レンジローバー(4代目) × ヴォーグ × 3L V6ディーゼルターボ車▼検索条件
ランドローバー レンジローバー(4代目)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。