原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2012年11月20日に発見したのは「スバル ジャスティ」です。軽自動車のレックスをベースに普通乗用車に仕立てられた車です。デビューは1984年で、1987年に世界初の量産CVTモデルが追加されたことで話題を呼びました。ジャスティは国産車のライフサイクルでは珍しく10年間も作られ続けられたんです(海外ではその後もフルモデルチェンジして生産されていました)。それほどスバルにとっては“ドル箱”だったのかもしれません。

衝突安全基準の高まり、消費者が求める居住空間の確保、平均身長の伸びなど様々な理由があるんでしょうが、車は新しくなればなるほど一般的に“大きく”なっていくものです。その点、28年前にデビューしたジャスティはキュッとしています。もう街中で見かける機会も少ないですし、「あのちょっと古めかしくて可愛らしい小さな車はなんだろう?」と注目されること間違いありません。

当該車両は、9万㎞走っていますが新車登録から25年間経っていることを考えれば少ない方ですし、写真を見る限り内外装ともに年式の割に綺麗です。1L3気筒エンジンに5速MTが組み合わされており、パワーステアリングもないですから、運転している“実感”が現在の車とは違うレベルで味わえることでしょう。最近の車は楽に運転できるものばかりですが、あえて不便を味わうのも「粋」だと思います(笑)。

当該車両の「1.0LJ」というグレードは、ジャスティのなかでもベーシックなものだと言えます。そんな車が今でも残っているのは、かなり珍しいことです。「15万円」という金額は28年前のベーシックグレードのジャスティにしては高く感じる人もいるでしょうが、周囲とはまったく違う個性の演出にはうってつけです。

日本のリッターカーの軌跡を感じられる1台。PCが普及している現代で、あえてタイプライターを使うようなノスタルジックな感覚に浸れると思います。

Text/古賀貴司(自動車王国)

スバルジャスティ | オンリーワンを探せ

スバル ジャスティ

本体価格(税込)15.0万円
支払総額(税込)---万円
走行距離9.0万km
年式1987(S62)年式
車検
整備別(費用6万3000円)
保証
地域埼玉