スポーティさを全面に出した異色のコンパクトハッチ

しなやかな乗り心地が特徴であるフランス車の中でも、シトロエンはとりわけ快適性を重視した足回りに定評があります。しかし今回ご紹介するC2は、そんなパブリックイメージとは全く違うキャラクター。「ホットハッチ」という呼び方が似合う、ちょっとやんちゃなモデルです。日本では2004年に4月に登場しました。

ラインナップは最高出力75psの「1.4VTR」、同110psの「1.6VTR」、125psの「1.6VTS」の3種類。新車時価格は175万~236万円でした。外見はフランス車には珍しいシャープなスタイリングで、車内にはボディカラーに合わせた2トーンカラーが織り込まれたバケットシートを、フロントに装着しています。

  • シトロエン C2 フロント|見つけたら即買い!?
  • シトロエン C2 リア|見つけたら即買い!?
プラットフォームをはじめ、多くのパーツを共有する兄貴分のコンパクトカー・C3が穏やかな乗り心地の5ドア車であるのに対し、C2はパーソナルユースを主眼とした3ドアタイプ。2+2とまではいかないまでも、後部座席は大人が座るにはちょっと圧迫感のあるサイズです。もっとも、スライドやリクライニングが可能ですので、我慢できないほどではありません。

乗り心地は硬めですが、適度にしなやか。ハンドリングはシャープではあるものの、過激とまではいかない程度。極端にスポーツへと振ったセッティングではなく、上手くバランスを取ったセッティングです。難点はミッション。2クラッチのセミATが主流となった現在、センソドライブのレスポンスにはややストレスを感じるかもしれません。そんなよりスポーティに走りたい人は、相場はやや高めですが、5MTを搭載する「1.6VTS」を選択すると良いでしょう。

オーディオは6スピーカーを標準装備。センソドライブはパドルシフトでの操作が可能で、リアハッチは上下分割して開閉します。ラゲージは通常時で166L(VDA方式)ですが、後部座席はもちろん分割して倒すことができます。注意すべきはややオーバーステア気味で、ボディサイズの割に最小回転半径も大きめですので、取り回しにコツが必要です。

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本稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている物件数は23台。価格は34.8万~98万円とかなりお買い得になっています。1.4VTRと1.6VTRがほぼ半々の割合で、1.6VTSは残念ながら1台もありませんでした。修復歴は全車ありませんが、走行距離は3万~6万kmくらいの物件が中心。ボディカラーがかなりバラけているのも特徴的です。

欧州コンパクト3ドアハッチはプジョー 106やVW ルポ、ミニなどが人気の中心ですが、C2はそれらとはまたちょっと違ったスタイリッシュさが魅力です。丸みを帯びたシトロエンの現行ラインナップとはひと味違うデザインを味わってみてはいかがでしょうか。興味をもった方は下の検索窓で「シトロエン C2」と入力して、検索してみてください。


Text/渡瀬基樹