第190回 ホンダ ビート(絶版) 【おいしい中古車】
2011/09/16
■高回転エンジンを搭載したMRの2シーターオープン
軽自動車のオープンカーと聞くと、今ではダイハツのコペンを思い浮かべる方が多いでしょうが、ホンダのビートをお忘れではないですか? 一部の中古車を除いてプレミアム価格がつくこともなくなり、妥当な金額に落ち着いてきました。また金額部分だけでなく、程度の面からもそろそろ動き出したほうがいいかもしれません。ホンダビートは、ミッドシップレイアウト(MR)を採用した軽自動車のオープン2シーターです。ほかにはダイハツコペン、スズキカプチーノが有名ですが、コペンはFF、カプチーノはFR。エンジンはどちらもターボ。ビートはNAなので、MRのNAとしては唯一無二の存在なのです。
エクステリアは塊感のあるフォルムの中に、大胆で動きのあるラインを入れるなど、2シーターMRオープンがもたらす爽やかさと軽快な走りを表現(左右)
走りはとにかく軽快の一言。その大きな要因となっているのが760kgという車両重量です。重量が増加した近年の車とは、まったく別の乗り物に感じてしまうほどです。安全性の確保などのため、仕方ないことではあるのですが、ビートに乗ると軽さは最大の武器と言われる理由がよくわかります。
エンジンは、F1テクノロジーの応用から生まれた、吸気効率を向上させる「多連スロットル」を採用した直列3気筒DOHC。シャープなスロットルレスポンスと安定したアイドリングを両立する「燃料噴射制御マップ切り替え方式」を組み合わせたシステムとなっています。
最高出力64ps/最大トルク6.1kg-mと、スペック的には大したことありませんが、特筆すべきはその発生回転数です。出力は8100rpm、トルクは7000rpmという、超高回転エンジンなんです。これを上まで引っ張って走った時の気持ちよさといったら、ストレスなど簡単に吹き飛んでしまうほどです。
この気持ち良さの一端を担っているのは5速のミッションです。そもそもATの設定はないのですが、手首で素早くシフトできるよう、チェンジレバーのシフトストロークが40mmに設定されています。そのため、手首を返すだけで小気味よくシフトチェンジができるのです。
インパネは、剛性感と横の広がり感を出すクロスバーインパネを採用(左) バケットシートはゼブラパターン(中) MRで、前後の重量配分は43:57を実現(右)
■相場も落ち着き10万円台から狙える
そんな走りの魅力にあふれたビートだけに、一時期はプレミアム価格がつく中古車も存在しました。しかし、最近はそんなこともなくなり、相場はずいぶん落ち着いてきています。もちろんいまだに人気があるため、格安というわけにはいきませんが、不当感はなくなったと言っていいでしょう。程度にこだわらなければ10万円台から狙えますし、修復歴なしで走行10万km以下の中古車も30万円以下で購入できます。走行距離を気にされる方も多いでしょうが、走行20万km台の中古車も多く掲載されています。それは、少なくともその距離まで走れていることの証でもあります。
とはいえ、初期モデルは今年で20年選手。いつか買おうと心のどこかで考えていた人も多いでしょうが、程度のことを考えると、そろそろ目星をつけておいたほうがいいかもしれません。
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