マツダ ビアンテ VS 日産 セレナ PART4：ミニバンとして優れているのは？

並み居る強豪ひしめくなか、ビアンテはオススメできる一台

ビアンテ、セレナの属するMクラス（5ナンバーから小さめの3ナンバー）のミニバンは、子育て世代のファミリィから、今、最も求められ使われているクラス。ほかにもトヨタのノア＆ヴォクシー、ホンダステップワゴンなど、強豪が並み居る。

そんなマーケットの最後発として登場したのがビアンテだ。先任車だったボンゴフレンディは、オートフリートップで一世を風靡したモデルだったが、FFベースの低床パッケージングがこのクラスの主流となるなか、いささか旧態依然なところは隠せなかった。5ナンバーボディに、安定感のある走りなど、決して魅力の失せた車ではなかったのだが…。

そして登場してきたビアンテは、すべてを一新。さらにこのクラスではトンがったルックスを身にまとい、インパクト十分に仕上げられた。大歓迎されるか一気に引かれてしまうかのどちらかなのでは!?　そんな予想もあったが、市場では思いのほか、拒絶反応はないらしい。リポーターのごく個人的な好みと感想で言うと、ボンゴフレンディのあのプレーンで永続的なスタイルは決して古臭くはなかった…とは思うのだが。

が、実際に今回あらためて試乗してみて、この車はスタイルで誤解されやすい車だと思った。というのも走らせてみれば乗り味はセレナに比べしっかりしているし、居住性も良い。さらに運転席からの視界も良いため、取り回しも悪くない。

このクラスのミニバンは、平日も何かと忙しいママが、チャイルドシートに子供を乗せて買い物に出かけたり、パパを駅まで迎えに行ったり…と、大活躍が余儀なくされる。なので、何としても扱いやすくなければママがかわいそうである。その点でビアンテなら、ママの車としても安心して勧められる。

ファミリィカーとしての要件は十分のセレナ

もう一台のセレナだが、こちらもファミリィのためのミニバンとしては十分以上の出来だ。1列目シートバックに2列目用の折り畳みテーブルが備わるが、カップがズレ落ちないようにしっかりと穴の開いたホルダーを備えたり、サードシートのハネ上げ格納が軽い力で済むなど、実用前提の配慮も行き届く。

元気な子供なら、乗り心地の洗練度がどうか…といったことも、あまり問題にならないのかもしれない。

が、このクラスのミニバンの条件を満たしながら…つまり高い実用性をもたせながら、さらに快適性や走りの安心感などの要件も高いレベルで備えていれば、ミニバンとしての説得力がさらに増す。