もう出ないであろう個性派を、今のうちに狙いたい

ミニバンやコンパクトカーが注目されがちな昨今ですが、車の基本形はセダンです。変化は重要ですが基本も重要、ということで保存したくなるほど素敵なセダンに注目してみました。「素敵」の概念はまったくもって私観でデザイン、速さ、ゴージャス度など様々な点から選んでみました。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。なかには中古車市場でレアになっている車もあります。今のうちに狙ってみてはいかがでしょう?

第10位はユーノス500(絶版)。バブル景気真っただ中、トヨタがレクサスを、日産がインフィニティを海外で展開し、マツダは「インフィニティ」という高級ブランドを国内で展開しました。5速MTもラインナップされていたのは、時代背景でしょうか。アイデンティティがハッキリしていて、当時の兄弟車とデザインコンセプトが統一されていました。デザインは今見ても決して古臭さを感じさせない完成度の高さがあります。中古車物件も数少なくなり、今後はレアアイテムとして重宝されそう。

第9位はM・ベンツSクラス(旧々型)。当時、セルシオが驚愕の静粛性と、どこまでもフラットな乗り心地を誇っていました。それに対抗するかのようにM・ベンツは窓ガラスを二重化し静粛性を実現させ、走りも今までにない“まろやか”な足回りでSクラスを開発。旧々々型までとはまったく違う路線のデザインを採用し、世界的好景気を感じさせるボディの大型化が特徴的です。当時としては最大級のボディが、VIP御用達モデルとしての威厳を表しているかのようです。バブリーでした。

第8位は三菱ランサーエボリューション(現行)。本当のことを言えば、どの年式のランサーエボリューションでもオススメです。とにかく、速さという点においてここまでコストパフォーマンスの高い車はほかに存在しません。日産GT-Rの価格がポルシェターボの半分と騒がれていますが、ランサーエボリューションは日産GT-Rの半分です。数値上のパフォーマンスこそ劣りますが、実際に味わえるパフォーマンスはほぼ同等と言ってもいいでしょう。どれだけ古くなっても、「当時は凄かった」と言えます。

第7位はマツダミレーニア(絶版)。ユーノス800としてデビューし、その後もミレーニアの名前で作り続けられました。こんなに長く作り続けられた車はミレーニア以外だと、旧型トヨタセンチュリーくらいでしょう。決して広いとは言えない室内ですが、デザインは今でも通用します。気になるのはリアビューが、マセラティクワトロポルテに似ていることです。もしやデザイン研究としてミレーニアも含まれていたのでは? マツダが今後この手の大型セダンを作らないであろうことからも、希少です。

第6位はトヨタプリウス(旧型)。世界で初めて量産されたハイブリッドカー、という点だけでも保存する価値があります。エコを謳った同時期に5LのV12エンジンを搭載した現行センチュリーがデビューしている、って面白いですけど…。初期型は回生ブレーキの制御がスムーズではなく、磁石がひっつくような“カックン”ブレーキが特徴的でした。それが今ではフツーのブレーキのような感触で、まったく違和感がありません。思い起こせば、カックンブレーキこそが「味」です。

木曜日には第5位から1位を発表します。

フォトコレクション

写真:第10位:ユーノス500(絶版)|なんでもベスト10

第10位:ユーノス500(絶版)

写真:第9位:M・ベンツSクラス(旧々型)|なんでもベスト10

第9位:M・ベンツSクラス(旧々型)

写真:第8位:三菱ランサーエボリューション(現行)|なんでもベスト10

第8位:三菱ランサーエボリューション(現行)

写真:第7位:マツダミレーニア(絶版)|なんでもベスト10

第7位:マツダミレーニア(絶版)

写真:第6位:トヨタプリウス(旧型)|なんでもベスト10

第6位:トヨタプリウス(旧型)

Report / 古賀 貴司