90年代の残すべきクルマ【カーセンサーEDGE 12月号】
2021/10/27
▲ネオクラシックモデルの代表として、カーセンサーEDGE 12月号(10月27日発売号)の表紙を飾るアルファ ロメオ SZ。この個性的なルックスは、まさに現代では表現できないカーデザインの自由さを教えてくれます。オープンモデルのRZとともに、流通台数が少ないのに人気が高いため、高額ではありますが、間違いなく90年代の傑作車に数えるべき1台でしょう(取材協力・コレツィオーネ)
車好きを惹きつける要素が詰まったモデルたち
クラシックカーやビンテージカーには明確な定義は存在しません。最もポピュラーなのは、70~80年代あたりの価格が上がり始めたモデルをクラシックカー。それと同年代か以前のモデルで、入手が難しいものをビンテージカーと呼ぶパターンでしょう。燃費性能や安全性能は最新モデルには大きく劣るものの、その時代ゆえのデザインや味が楽しめるだけに、やや上級者向けの選択肢として常に車好きの物欲を刺激する存在です。しかし、「価格」と「実用性」という悩ましい問題を抱えており、どうしてもハードルが高めになってしまいます。
そこでカーセンサーEDGEがオススメするのが、クラシック&ビンテージよりも新しく、実用車としても使える90年代~00年代前半の「ネオクラシック」モデルです。
もちろん、この時代の車を「中途半端」と考える人もいるでしょう。しかし、この特集に登場する今でも買える「ネオクラシック」の顔ぶれをぜひご覧になってみてください。
この世代は、排ガス規制や安全基準など大きな制約が課される前に設計され販売されたモデルです。燃費性能は確かに重要ですが、そこを重視しすぎたために現代車が失った、個性的デザインや大排気量&大パワーのエンジン、快適性よりも操作性を重視したスポーツカー、車重の軽さや品質品格を重視したモデルなど、この時代のモデルには車好きを惹きつける要素が詰まっています。
ひょっとすると、数年後には「手の届かない車」になってしまうお宝も隠れているかもしれません。
▲Z3をベースにした、MモデルのZ3 Mクーペ。同時期に販売されていたE36型 M3の直6エンジンを搭載しており、走りも過激。走行時の安定性では現代車にはかなわないものの、この年代ゆえの刺激的な走りが楽しめます。しかし、残念ながら中古車流通量は少ないです(取材協力・クレーマーレーシングジャパン)
▲マニアに「古き良き時代のメルセデス・ベンツ」と呼ばれるのがこのR129をはじめとしたW124、W126といったネオクラシック勢。R129のSLクラスは新車時がバブル期だったこともあり、日本でも非常に人気でした。そのため、新車時価格で1300万円以上もしたトップグレードの500SLは、今も多くの中古車物件が流通しています。相場は300万円台~と、中古車としての魅力はピークを迎えています
▼検索条件
メルセデス・ベンツ SLクラス(1990~2001年)× 全国
▲90年代から2000年代初頭は、スーパーカーブランドを追従するように、BMWやメルセデス・ベンツなどドイツ勢も精力的にスーパーモデルを発表していました。BMWは映画『007シリーズ』のボンドカーにも使われた2座オープンスポーツのZ8を2000年から販売していました。今も希少モデルとして高い人気を誇っています(取材協力・Nicole BMW BMW Premium Selection 横浜港北)
▲大衆車のスポーツ性能を高めた「ホットハッチ」と呼ばれるモデルも多数存在していました。特に元気だったのはフランス・イタリア勢で、その象徴がV6エンジンをミッドに積んだクリオ V6(日本名 ルーテシア ルノースポールV6)でしょう。現代の「実用的なコンパクト」とは真逆の存在。まさに、この年代だからこそ許された贅沢なモデルです(取材協力・コレツィオーネ)
▼検索条件
ルノー ルーテシア ルノースポールV6× 全国
▲BMWの代名詞である「シルキーシックス」という自然吸気の直6エンジンは絶品。そのエンジンはE90型の320iや325iに搭載されていました。スポーツカーのような絶対的な速さではなく、かつてBMWがキャッチコピーとして使っていた「駆けぬける歓び」をしっかりと表現しています。今や100万円以下からでも探せるという手軽さも大きな魅力です
▼検索条件
BMW 3シリーズセダン(2005~2011年)× 全国
文/編集部、写真/デレック槇島、岡村昌弘、向後一宏、イラスト/あべ あつし
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