レクサスの電気自動車「UX300e」ってどう? カーライフエッセイスト・吉田由美がロングドライブしてみた正直な感想、教えます
2023/11/24
電費や使い心地が気になる電気自動車を「1泊2日」利用し、リアルな感想をお届けする本企画。行き先は、じゃらん(リクルートが発行する旅行情報誌)編集部が選ぶオススメ宿なので、道や充電環境も様々で、旅路で起こったいろいろなハプニングやエピソードも含め、電気自動車の実用性を検証します。
今回、じゃらん編集部に決めてもらった「オススメ宿」は栃木県・那須の「WHITE LAMP(ホワイト ランプ)」。ちょっとリッチなグランピングリゾートと聞いたので、試乗車はラグジュアリー&アクティブなレクサスからUX300e(初代・現行型)をチョイスしました。
UX300eの購入や那須エリアに旅行を考えている方はぜひご参考に!
1.レクサス UX300eの乗り心地・使い勝手は?
こんにちは、カーライフエッセイストの吉田由美です。
今回は私の友人であり旅行ライター&カメラマンのまっきーと一緒に「車」と「お宿」を徹底レポートします! 試乗車はレクサス UX300e。目的地は栃木県・那須のグランピングリゾート「WHITE LAMP」です。まっきーは、BEVでのロングドライブ初体験。オトナ女子2人の感想、ぜひ参考にしてください!
集合は横浜・みなとみらい。人間も車も小一時間ほどランチ&充電タイムののちスタートです。ちなみに、この充電では+56km走行分の電力が溜まりました(現在発売されているレクサスやトヨタのBEVモデルはパーセンテージではなく走行距離で電池残量が分かります)。思ったより少ない充電にがっかり……と思ったら、充電をしたハンマーヘッド駐車場の充電器は、急速充電ではなく、10kWの低速充電。その代わりなのか、充電料金はなんと無料でした(駐車場代は別途で有料)。施設での食事や買い物、観光のついでに充電ということであれば、むしろ嬉しいサービスかもしれません。こういった場所を賢く使うのもいいですね。
UX300eは、2020年に発売されたレクサス最小SUV。個性的なデザインと取り回ししやすいサイズ感で人気ですが、早くも今年マイナーチェンジし、電池容量が54.4kWhから72.8kWhに大幅増強。航続距離も40%増しで満充電450kmから512kmへ! ただし、お値段も上がっています。
エクステリアのデザインで目に付くのは、何といってもレクサスの象徴、スピンドルグリル(糸巻き)とL字型の細いヘッドライト。ブロックメッシュのフロントグリルは、ひとつひとつのパーツの大きさも形も少しづつ違うという、手が込んだつくりになっています。さすが「小さな高級車」といわれるだけありますね。
リアもカッコいいです。テールランプの両端がきゅっと上に上がっていて、これはレーシングカーのリアウイングをモチーフ。見た目だけでなく走行安定性が高まる効果もありそう。SUVにしては全高1540mmと低めなので、スポーティなハッチバックだと思ってしまいそうなデザインです。
実は運転席に座った感覚についても同じことが言えます。SUVにしてはアイポイントが低いため、SUVということを忘れそうなんです。
インテリアは、質感がなかなかいい感じ。センターコンソールなどの手に触れる場所にソフトパットが使われ、全体的に触り心地がいいのは好印象です。ただ個人的には、ステアリングの皮質がパサパサなのが気になりました。私は乾燥肌なので、夏はいいとしても、冬は手から湿度を吸い取られそう……(笑)。嬉しかったのは運転席、助手席ともにシートヒーターとベンチレーションがあること。(特にシートヒーター!)
後席はそれほど狭くありませんが、乗り降りのときの足元の狭さと、頭上空間の狭さは気になるかも。Cピラーの傾斜角度が強いので、私(162cm)より背が高い人にとっては狭いかもしれません。
ラゲージ容量は303L。特段広いというわけではありませんが、ガソリン車のUXよりは広くなっていたので、私たち2人分の旅行の荷物&ドローンを含む撮影機材も余裕で積み込みできました。
さて、そんなUX300eと相棒まっきーと横浜を出発。スタート時の航続可能距離は432kmです。カーナビの行先設定は音声入力。認識力が抜群に高いのでストレスフリーでした!
出発早々、オトナ女子2人のドライブトークがはかどります。止まりません(笑)。会話が弾む理由は2つ。ひとつはこの日が数ヵ月ぶりの再会だったから。もうひとつは、UX300eの静粛性が高いから。ドアを閉めると車外の音がほとんど入ってきません。走行時も、エンジンがないのでエンジン音はもちろん、エンジンからの振動も感じません。バッテリーパックが遮音壁の機能も果たしているのか、風切り音や巻き上げ音にもほとんど聞こえませんでした。
走りの進化(深化?)についてですが、マイナーチェンジ前のモデルより走行時の安定感や安心感がアップしていると感じました。これは、従来から標準装備されていたリアのパフォーマンスダンパーの効果もあると思いますが、今回の改良でボディ各所に計20点追加されたというスポット溶接による剛性アップの恩恵でもありそう。バッテリーパックが床下に配置され、低重心となっていることもプラスに働いているでしょう。
ドライブモードはスポーツ/エコ/ノーマルを選択できます。スイッチがとてもわかりにくい場所にあります。私は、基本はエコモードで、ちょっとした加速をしたいときだけスポーツモードに切り替えて使いました。(とくに暑い日や寒い日は、エアコンの出力が下がらないようにしたいのでノーマルモードにします)
今回のドライブコースはほとんど高速道路走行なので、ACCを活用して走り、目的地に無事に到着!
▼検索条件
レクサス UX300e(初代・現行型) × 全国2.512kmに改良された航続距離。実際どうだった?
行きは約230km走行しましたが、もちろん途中で充電の必要はなく、到着時の航続可能距離は「137km」の表示。スタート時が432kmだったので、実際の走行距離との誤差は65kmくらいでした。
お宿には6kWhのパナソニック製充電器の設置があったので、チェックインと同時に充電を開始。翌朝にはもちろん100%充電が完了。航続可能距離は455kmでした。(国土交通省審査値の一充電走行距離は512kmですが、気象などの使用環境や運転方法に応じ、その日の数値は異なります)
2日目は、ホテルの支配人に教えていただいたレストランや、まっきーオススメの観光地にいくつか寄ったりして、那須を満喫。実はこれまで、那須には仕事でしか訪れたことがなかったんです。こんなに観光をする場所があったことにびっくり!
夕方ごろ、横浜の帰路につきました。
10月半ばの那須。昼間は半袖でもOKな陽気でしたが、エアコンも走行もなにも我慢することなく、2日間で合計約520kmを走行! 帰宅時は117km残して旅は終了しました。
約520㎞のロングドライブでしたが、UX300eは快適な乗り心地で、ドライバーも同乗者も疲れ知らず。そして静かな車内でのオトナ女子たちのトークも終わり知らずでエンドレス。静かな車内、恐るべし!でした(笑)。
より詳しい車の紹介や、お宿の紹介は私のYouTube「吉田由美ちゃんねる」で動画でも見ることができます。ぜひチェックしてくださいね!
▼検索条件
レクサス UX300e(初代・現行型) × 全国3.目的地「WHITE LAMP(ホワイト ランプ)」がステキすぎた
さて、ここからは、由美さんの相方(?)であり旅行ライターの北川(通称まっきー)が目的地に設定したお宿についてもご紹介します!
「WHITE LAMP(ホワイトランプ)」は、じゃらんnetの口コミで総合4.9という高評価を獲得しているグランピング施設です。
グランピングとは、グラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語。キャンプ道具を用意しなくても、贅沢なアウトドア体験が楽しめることから、近年人気急上昇中の宿泊施設です。
ゲストは車寄せで荷物をスタッフに預け、パーキングに車を止めます。荷物はカートでキャビンまで運んでくれますので、パーキングとキャビンが離れていても大丈夫。バリアフリー設計の「Universal」に宿泊するゲストのみ、キャビンの横に車を駐車することができます。
駐車場には普通充電器が設置されていて、ゲストは無料で充電できます。電気自動車ユーザーにとっては、宿泊施設にEV充電器があると助かりますね。
チェックインは洗練されたレセプションで。ソファに座って、美味しいウエルカムドリンクをいただきながら手続きをします。
このウエルカムドリンクは、ワインと同じ製法で作られた、ドイツ製のノンアルコールぶどうジュースです。
「優雅なグランピングのスタートを満喫していただくために、ワイングラスでお出ししています」と、総支配人の越森さん。
「美と健康」をテーマにしたディナーを提供してくれる宿泊施設だとは聞いていましたが、これは期待できそう!
このグランピング施設は、3タイプ15客室が用意されています。ドーム型テント4基、直径10m・天井高6mの大型木製ドーム型キャビン「Luxe suite」2棟、直径8mの大型木製ドーム型キャビン「Premier dome」9棟があり、その中には愛犬と泊まれるキャビンと「Universal」タイプにも対応できるキャビンが含まれています。
キャビンはゆとりを持って配置されているので、他のゲストを気にすることなくプライベートな時間を堪能できるのも、この施設の魅力の一つ。今回、私たちが宿泊したのは、「Premier dome」の006号室です。
カートから降り、キャビンの玄関を開けると、そこは北欧テイストのシックで洗練された大空間。面積は47平米、天井高はなんと4.8m!
部屋の中にはステキな薪ストーブも備え付けられています。ゆらぐ炎を眺めていると、なぜか心が安らぎます。太古の人間の本能がそう感じさせるのだといわれていますが、現代人の私たちにとっては、リアルな炎を眺める時間は贅沢そのもの。薪ストーブ、または焚き火のどちらか一つを無料で楽しめるサービスは、本当に尊い。
ベッドのマットレスは、一流ホテルのスイートルームでも使用されているアメリカのSerta(サータ)社製。5.8インチポケットコイルのマットレスに、ピローソフトを加えた特注品で、寝心地抜群。朝までぐっすり眠れました。
それからここは、グランピング施設なのに各キャビンに浴室、パウダールーム、トイレが完備されています。今回宿泊したキャビンは、屋内のダブルシャワーブース(レインシャワー&可動式シャワー)の奥に、屋外デッキと露天バスタブが設えてあるタイプ。
この露天バスタブが最高に気持ちイイ! 開放感にあふれていて、心からリラックスできました。 青空の下でバスタブにつかれば気分も爽快、夜は星空を眺めながら湯につかれます。ロングドライブの疲れもすっかり癒やされました。
客室内のサービスも充実。Netflixなどサブスクアプリ内蔵のプロジェクターや、スマホ連動可能なスピーカー、電子レンジ、
こだわりの本格的なドリップコーヒーセットなども用意されていました。冷蔵庫内の炭酸水、お茶、ミネラルウォーターも無料です。
各客室にタブレットも備え付けてあり、フロントへの連絡やドリンクのオーダー、レンタル品の注文などができて、とても便利でした。
アメニティもとにかくこだわりのものばかりで、PROVINSCIA のフェイス&ハンドソープ、歯ブラシ、ステインケアの歯磨き粉、クッション製抜群のヘアブラシやガラス製の爪磨きなどなど。滞在中はリッチな気分で過ごせました。
私が特に嬉しかったのは、バスソルトが2種類用意されていたこと。アウトドアのバスタイムを、より充実したものにしてくれました。
ディナーは那須高原和牛などのお肉類と、鮮魚と新鮮野菜をボリューミーに盛り込んだバーベキューコース。各棟ごとに併設されている、屋根付きプライベートBBQテラスでいただきます。
オプションでワインやジュースなどもオーダーできました。ドリンクやアルコールの持ち込みも無料でできるそうなので、とっておきのシャンパンなどを持ってくるのもオススメです。
私は、イタリア最優秀ワイナリー「ラヴィス」のカベルネの赤ワインをオーダー。炭火で焼いた、「那須高原和牛3種部位の食べ比べ」のとろけるような食感とベストマッチ!この日の自家製季節のデザートはモンブランでした。深い栗の味わいと、生クリームのコクがたまりません。
炭火とアメリカ製のBBQグリルを使った、豪華なディナーに大満足。プライベートな空間でグラマラスなBBQディナーを堪能しました。
そして1日の締めくくりは焚き火。夜空に満天の星が輝く中で、マシュマロを焼いて楽しめます。
ステキなグランピング体験に酔いしれながら、快適なキャビンの中で、幸せな気分のまま眠りに落ちました。
グランピングの朝は、鳥のさえずりで目を覚まします。さあ、朝食の時間です。
朝食も夕食と同様に、プライベートBBQテラスでいただきます。2段プレートに美しく飾り付けられた、フレンチスタイルの朝食がリゾートの朝をオシャレに演出。パングラタンをBBQグリルでこんがり焼きあげれば、外はカリッと中はふんわり。おいしさも一段とアップします。高原の風が頬を優しく撫でる中で、地産の旬の恵みをたっぷりと味わいました。
以上が、今回の目的地「WHITE LAMP(ホワイト ランプ)」のご紹介でした。
テントを進化させたようなオシャレで快適なキャビンで、ホテルのような洗練されたサービスと、地産の旬のグルメ、アウトドア体験を同時に体験できる、とにかくステキなグランピング施設でした。
ドライブ旅行を考えている人は、ぜひチェックしてください!
■WHITE LAMP(ホワイト ランプ)
栃木県那須郡那須町大字高久乙3812-1(東北自動車道那須I.C.より約10分 東北新幹線:那須塩原駅より関東バス/那須サファリパーク入口下車5分)
試乗車
レクサス UX300e(初代・現行型)
「2035年に100%BEVブランドを目指す」と表明するレクサスが、ブランド第一号の電気自動車として2020年にリリースしたのが、このUX300e。今回の試乗車は2023年にマイナーチェンジしたモデル。新たに開発した電池パックの導入により、電池容量を54.4kWhから72.8kWhに増強。これにより、航続距離を512km(従来型比約40%)に伸長するなど、BEVとしての基本性能の進化を実現しています。上質ですっきりと奥深い走りはさらに深化し、予防安全技術の機能拡充とマルチメディアシステムなどの先進装備も進化。単眼カメラとミリ波レーダーの性能が向上し、昼間の自転車や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域が拡大。右折時に前方からの対向直進車や右左折時に前方から来る歩行者も検知可能になっており、より安全で快適なドライブが可能な一台になっています。
カーライフ・エッセイスト
吉田由美
短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクターを経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。車回りのエトセトラについて独自の視点で、自動車雑誌を中心にTV、ラジオ、WEB、イベントなどで広く活動中。様々な車を紹介するYouTube「吉田由美ちゃんねる」も好評配信中!
ライター&カメラマン
北川真紀子
女性ファッション誌の契約ライターを経て独立。クルマやトラベル、インタビュー記事などを担当。父親が自動車の小さな会社を経営していたため、メカニックに囲まれて育つ。18歳~19歳の1年間で運転した車の数は100台以上。現在の愛車は、走行距離10万km以上のメルセデス・ベンツ CLAとスマート・カブリオレ。