adobestock▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「乗り替え」

ガソリン車絶滅危機が生む、乗り替え意識の変化

リクルート自動車総研が行っている『中古車購入実態調査』では、「気になる車があればすぐに乗り替えたい」と答える人たちが年々増加中。2019年は4人に1人が該当、現在は3割を超え、もうすぐ3人に1人という割合まで迫りそうな勢いです。

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一方で、車を買い替えるまでの年数は6.2年で、経年で大きな変化は見られません。つまり、実態以上に意識が先行して変わってきていると言えそうです。

欧州各国では、2035~40年をめどにガソリン車の新車販売を終了するなどの政策が相次いで発表され、ニュースを騒がせていたのもここ5年くらいの話。好きな車がなくなってしまう! と焦った方も少なくないでしょう。

また、2020年に本格化したコロナによって、日常が簡単に大きく変わってしまうという経験もしました。これにより、嗜好性の高い車の需要が一気に膨らんだのです。

昨今「旧車ブーム」のような言葉もちらほら見かけますが、「乗れる車は乗れるうちに」という機運が高まってきていることを上記データ以上に感じます。

カーセンサー▲国産旧車の代表格である日産 スカイラインのシリーズも、人気により価格高騰は歯止めが利かなそうだ。写真はR32日産 スカイラインGT-R

20代ほど乗り替え意識は高め! 計画的に多くの車に乗ろう

年代別に見ると全世代でその意識は増加傾向。また、若者ほどその割合が高いことがうかがえます。

20代ということは免許取得からまだ間もなく、購入・所有歴も浅いケースが多いでしょう。となるとまだまだ乗れていない車、乗りたい車がたくさんあるはず。

最近では我々カーセンサーのようなサービスで全国の物件を簡単に探すことができますし、買い方も残価設定ローンなど柔軟性が増してきています。所有以外にもサブスクやシェアなど、買わずとも乗りたい車を楽しむ方法が増えていますよね。

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何台も車を購入することはお金がかかるように思えますが、短サイクルでの乗り替えはリセールも残りやすいのでぜひ具体的な検討もしてみてください。みなさんも好きな車の乗り漏れがないよう、ぜひ計画的に乗り替えを楽しんでください!

文/西村泰宏、写真/日産、adobestock
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。