AMC▲雑誌カーセンサー6月号の特集は「みんなの一生モノ」。そこで、自動車界随一の一生モノイベント(!?)であるオートモビルカウンシル2023をのぞいてきました

その車、一生愛せますか?

車と「一生」付き合うことは簡単ではないし、かかる手間、コストを考えたら「賢い買い物」ではないかもしれない。だけど、好きな車に乗ること以上に幸せなことはない!

そんな一生愛せる車とそのオーナーたちを特集したカーセンサー6月号、特集「みんなの一生モノ」が発売中。

自身の出演するラジオでもその溺愛ぶりを語っている、ペトロールズのフロントマン・長岡亮介さんとシトロエン アミ6、レストアプロジェクトでも話題となった女優・伊藤かずえさんと、30年間乗り続けている日産 シーマ。その他、一目ぼれで購入を決意したというポルシェ 912のオーナーなど、様々な愛の形を特集しています。
 

『オートモビルカウンシル』会場で、一生モノオーナーをキャッチ!

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そんな一生モノ特集の発売を目前にやってきたのが『オートモビルカウンシル2023』。国内外の販売店やメーカーが中古車を展示、販売するというヘリテージカーの祭典です。今年のテーマはCLASSIC MEETS MODERN AND FUTURE(クラシック ミーツ モダンアンドフューチャー)。

新技術のデモンストレーションや中古車市場の未来を占うパネルディスカッションなど、例年にも増して盛り上がりをみせていた同イベント。会場内で見つけた一生モノの車と、そのオーナーへのインタビューをお届けします。

まず、日産のブースで出会ったのが小池一博さん。

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「パオショット」をベースにデザインされた1989年生まれのパオ。フィガロ、ラシーンといった日産の「パイクカーシリーズ」はネオクラブームに後押しされる形で近年人気が再燃し、価格も高騰しています。若きオーナーの小池さんは、そんな1台を「免許を取る前に手に入れた」という。

なんでもそのデザインに一目ぼれして、最初の1台はこれにすると決めていたのだとか。30年以上も前の個体とあって、走行は20万km超。しかし、社会人になって初めてのボーナスを注ぎ込みエンジンを載せ替えたことで絶好調なんだそう。それも、積み替えたのが「ザウルス・ジュニア」のエンジンだというのだから、走りは純正以上にパワフル。現在は仕事場のある宮城と東京を月イチで往復する生活のパートナーとして年2万km以上を走っているといいます。

日用品の会社に勤めているおしゃれなオーナーだけあって、車に求めるものは「デザイン性」の一択。インテリアもエクステリアも「パオは文句のつけようがない」のだとか。インパネまわりには、アルテックや天童木工といった家具メーカーのミニチュアと、カセットで彩られ、オーナーの趣味が全開といったところ。

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「あと20年は乗ります」と宣言してくれたが、20年では足りないほどの愛を感じるまさに一生モノの1台です。

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その隣に展示されていたフェアレディZのオーナーが、日産車ファンの両親のもとに生まれ、英才教育を受けて育ったという丹呉いづみさん。高校生の時にガソリンスタンドで働いていたところ、たまたま見かけたフェアレディZに一目ぼれ。19歳でオーナーになって以降「乗りたい車はあるけど、欲しいと思える車がないんです」と、現在3台目となるフェアレディZを所有しています。

日産の社員であり、整備士資格を持っている彼女は、メンテナンスはできるだけ自分の手で行っているとのこと。自分で勉強しながら修理すること自体が楽しみであり、車への思い入れも同時に強まっていくのだと話します。さらに、「自分でメンテナンスができるってオーナーの特権じゃないですか」と愛の深さがうかがえる一言も。

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部品交換は純正パーツに必ずしもこだわっているわけではないものの、「当時モノ」であることは譲れないそう。「車に乗り込んで、目に入るものがすべて昔のパーツだったら、その時代にタイムスリップしたような気分になれるんです」。自分らしい視点で車を楽しむ彼女も「フェアレディZには一生乗ると思います」とのこと。

AMC▲シートも自ら補修した

こんな愛の形もアリ? 車の共同所有サービス「RENDEZ-VOUS」

様々なヘリテージカーが並ぶオートモビル カウンシル2023の会場で一際異彩を放っていたのが、コレクタブルカーの共同所有サービス「RENDEZ-VOUS」(ランデヴー)のブース。

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「RENDEZ-VOUS」は「あの車を所有したいけど、これ以上は増やせない……」という、カーオーナーの贅沢な悩みに応えるサービス。1台の所有権、乗車権利(1年間/12日)を8名で分割し、保管やメンテナンスはRENDEZ-VOUSが行うというシステムです。

ラインナップされている車はポルシェ 911ターボ3.0、フェラーリ テスタロッサといった中古車メディアに出回っていないような希少価値のある車、いわゆる「コレクタブルカー」。

近年、クラシックカーは投資の対象としても注目を集めていることもあり、なかなかお目当てのものが見つからないというのがコレクターの悩み。

独自のネットワークを駆使して仕入れからメンテナンス、そして売却までをサポートすることでそんな悩みを解決し、さらには、お財布にもやさしく一生モノの車を所有する喜びを提供してくれるのが「RENDEZ-VOUS」なのです。

AMC▲ナローの911ターボには「595万円」というプライスタグが付いていた。レストア前のあえて埃をかぶった状態で展示をしたという

しかし、共同所有のメリットはそれだけでないと同社代表取締役の浅岡亮太さんは言います。オーナーさん同士のコミュニティが生まれる。それこそがRENDEZ-VOUSの生み出す新しい価値なのです。

「コレクタブルカーともなると、同じ車種を所有する人に出会う機会ってあまりないんですよ。だけど、RENDEZ-VOUSなら、オーナーになった時点でそのオーナーさんと出会うことができる。車好きな方って、やっぱり愛車のことを話したり、その車に乗る喜びを共有したいんです。オーナーさん同士のイベントなんかも、今後は精力的に取り組んでいきたいと思います」

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その他、会場では特集に登場してくれた伊藤かずえさんのシーマや、表紙を飾ったポルシェ 912の姿も。手入れの行き届いた車から、ほとばしるほどの愛を感じます。

本記事で紹介したオーナーに負けず劣らずの車への愛をおさめたカーセンサー6月号。ぜひお手にとって、これからの車選びの参考にしてみてください! 全国のコンビニや通販にて、税込み100円で販売中です。

AMC▲ポルシェ 912(初代)
文/高橋直貴 写真/篠原晃一