中古車ニーズは軽自動車からミニバンへシフト中。購入予算圏内にあるハイブリッド車の増加が要因か?
2019/08/12
ミニバン人気をけん引するハイブリッド車
まずは下のグラフ①をご覧いただきたい。
リクルート自動車総研が毎年実施している『中古車購入実態調査』の、「実際に購入した中古車のボディタイプ」という設問に対する回答だ。
調査開始した2015年から4年連続でトップは軽自動車だった。
他のカテゴリーを大きく引き離しての一強体制には変わりないものの、年々購入者の割合が減少傾向にあることがわかる。
ここでいくつか疑問が湧いてくる。まず、軽自動車を買わなくなった人は、どこへ行ったのかという疑問だ。その答えもグラフ①にくっきり示されていた。そう、ミニバンだ。
軽自動車のグラフを左右反転させたように、ミニバンのそれは右方上がりを描いている。特に2018年の伸びは顕著だ。
では、なぜここにきて中古ミニバンを買う人の割合が増加したのか。
ライフスタイルや車の使い方の変化、ブームをけん引するようなヒットモデルの存在などいくつかの要因が考えられるが、中でも興味深いのがグラフ②で示した「実際に購入した中古車のエンジンタイプ」のデータだ。
ミニバン購入者の伸びとほぼ相似形を示すように、ハイブリッド車(以下HV)を買った人の割合が増えているのがわかる。
カーセンサーnetに掲載されている軽自動車の物件の内、HVが占める割合は6%(2019年7月11日現在)と少ない。
そのためグラフ②のガソリン車の減少は、グラフ①の軽自動車の減少と関連性が高いと考えて良さそうだ。
一方、掲載物件の29%がHVとなるハッチバックは、グラフ①では購入者の割合が減っている。
同じく、HVが設定されているセダンやクロカン/SUVの割合も増えていない。
以上のことから帰納法的に考えると、グラフ②のHVの増加分は、ミニバンの増加と関連していると考えて間違いないだろう。
いよいよ疑問の核心に迫ってみよう。
「人気のボディタイプ」は多様化に向かうか
なぜ、中古ハイブリッドミニバンを購入する人が増えているのか。
ここからは仮説だが、平均的な予算(2018年は131.3万円)で買えるハイブリッドミニバンの種類と数が増えたから、というのが有力な説だ。
新車時価格が比較的安いハッチバックのHVで考えると、予算100万円を超える物件ではお得感がやや薄い。
近ごろ人気のクロカン/SUVは、まだ予算130万円で狙える物件は少ない。
つまり、新車時価格が高かったにも関わらず予算圏内で選択肢が増え始めたハイブリッドミニバンは、お得感をたっぷり味わえるターゲットとしてキラキラ輝いて見えている可能性が高いのだ。
仮にこの仮説が正しかったとしたら、新車時価格の高いクロカン/SUVやスポーツカー、輸入車、高級セダンなども、平均購入予算圏内でHVの種類と量が増えれば、中古車のニーズは軽自動車を主とするガソリン車からシフトすることも十分に考えられる。
そうなれば、長らく続く軽自動車の一強時代から、HVを軸にした多様なボディタイプへと、中古車選びのトレンドも大きく変化していくに違いない。
もうすぐ予算130万円圏内に来そうな中古ハイブリッド車3選
1:トヨタ シエンタ(現行型)
2:ホンダ ヴェゼル(現行型)
3:日産 ノートe-POWER NISMO(現行型)
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- アウトドアブームの過熱を引き金に、規格外に車内が広い車の注目度が上がる!?
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(後編)
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 現行型ヴォクシーの平均価格が200万円切り目前|迫力重視の「煌」も、燃費重視のハイブリッドも買い時到来
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
- 2022年モデルのGT-Rニスモ、スペシャルエディションを投入
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(後編)
- 次期クラウンの開発事情
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(前編)