▲1968年生まれ、スーパーカー世代の山崎さん。ランボルギーニをはじめ数々のスーパーカーに乗ってきた山崎さんにお話を伺ってきました ▲1968年生まれ、スーパーカー世代の山崎さん。ランボルギーニをはじめ数々のスーパーカーに乗ってきた山崎さんにお話を伺ってきました

スーパーカー世代ど真ん中の山崎さんがスーパーカーを語りつくす!

男の子なら、誰もが一度は憧れるスーパーカー。特にスーパーカーブームの時期を知るお父さん世代はかつて、「いつかはフェラーリやランボルギーニに乗りたい!」と夢見たのではないでしょうか? 「子供の頃、いつかはランボルギーニ カウンタックに乗ってやる!」と夢見ていた山崎武司さんもその一人。プロ野球選手として活躍することでその夢を実現し、現在までに数多くのスーパーカーを所有されてきました。今回はそんな山崎さんにとってのスーパーカーの魅力やこれから買おうとしている方に向けてのアドバイスなど、スーパーカーにまつわるお話を聞いてきました。

ランボルギーニのスタイルに、自分の人生が重なる

-山崎さんの今までの車歴を伺うと、ランボルギーニの車が多いのですが、その理由を教えていただけますか?

山崎:子供の頃に憧れていましたし、大人になってからは……ランボルギーニって、フェラーリと比較されることが多いのですが、僕の感覚的にフェラーリって、どこか“お坊ちゃん”な感じなんですよね。

一方でランボルギーニは、フェラーリより後からできて、フェラーリに追いつけ追い越せな感じで作ったような感じだった。それもあって、どこか「無名なところから、成り上がって成功した」っていうチャレンジャーのような人が好む傾向があるみたいです。

僕の人生もまさにそんな感じ。免許を取りたての頃は7つ上の兄貴と「いつか、お互いにスーパーカーに乗ろう」なんて夢を語りながら30万円で買ったカローラを乗り回していましたよ。

それからがんばって2人とも成功してスーパーカーを持つようになりましたが、そういう目標があると自分も頑張れるし、それに応じて車のレベルも変わっていったというのが僕のカーライフだったのかなと思います。だからフェラーリよりランボルギーニの方が自分の人生を重ね合わせたときにしっくりくるんです。

-ご自身の野球人生にも?

山崎:そうですね。やっぱり、エリート(=フェラーリ)と雑草魂(=ランボルギーニ)という感じがするんですよね。実際に乗ってみるとフェラーリって「走る、止まる、曲がる」が、高いレベルでできる車ですが……ランボルギーニはそれに比べるとちょっと荒っぽくて、直線番長っぽいところがあるんですが、それが好きでしたね。今はだいぶランボルギーニもよくなりましたけど。

―ちょっとクセがあるというか……ワイルドな車がお好きなのでしょうか?

山崎:そうですね。ちょっとどころのクセではなかったですけど(笑)。昔はよく壊れたし、荒っぽい走りでね……でもそれに目をつぶってでも有り余るくらいにキマっていた車でしたからね。ランボルギーニの車って、「長所を伸ばす」みたいな車が多くて、その考えが好きでしたね。僕の性に合っているという感じがして。

スーパーカーを手に入れたいという人は、焦らずいろいろな個体を見てほしい

―スーパーカーというと普通ではなかなか買えない車ですが、初めてご購入された際、他の車と何か違った点はありましたか?

山崎:そうですね。買いたいと思ってもなかなか買えないし、試乗もそうやすやすとできる車じゃないんであれですが、僕の場合はとにかく車のことを調べますね。スペックやら何やら。例えば、馬力はどれくらいってことを知っているかどうかって大きいですよ。

……でも、僕は車を買うのに大切なのっていちばんは“出会い”だと思うんですよ。欲しいと思うときに買わないと意味ないですからね。

営業さんとかって、よく「ここで決めないと……この車、なくなりますよ」って風にセールストークをするじゃないですか? それで慌てちゃう人もいるかと思いますが、僕はそれには一切乗らないです。だって、車って欲しいときに買うのがいちばんですし、そこで出会えるかどうかは縁ですからね。

中古車の場合は状態面で個体差があるから、一概には言えないかもしれませんが、車種云々で言えば、車って一品ものではない。だから、待っていれば同じ車種の物件はまたやってきます。そのときは縁がなかったってだけで、待っていれば必ず出会える。そういった出会いを大切にしたいですね。

―スーパーカーを実際に所有されて、驚いたことや気づいたことは何かありますか?

山崎:そうですね……ランボルギーニを何台も乗りついだのでわかるのかもしれませんが「昔と今の車では進化がスゴイ」というのは買い替えるたびに思いますね。変速のスピードも速くなるし、サスの味付けも年式ごとに変わるし。

特にスーパーカーなんて1年ごとに進化するんですよ。普通の車だと、仕様変更とか一部改良とかでは大幅に乗り味が変わるなんてことはあまりないと思いますが、スーパーカーの場合はほんの少しの仕様変更だけでも大きく変わるし、たった1年年式が変わるだけでもだいぶ違う。

例えば、アヴェンタドールはデビューした年のは40~50キロくらいの低速で走るとバタバタって跳ねるんだけど、仕様変更されてからのものからは全く跳ねなくなった。ギアも全く違う。まるで別の車に乗っているかのように違いました。

―手に取るようにわかります?

山崎:恐らくわかると思います。足回りとかのダイレクト感が全然違います。だから2台目以降、スーパーカーを乗り比べると楽しいかもしれませんよ。

―最後に、これからスーパーカーを初めて買うという人にアドバイスはありますか?

山崎:いちばんは自分の欲しい車を何台も見ることですね。状態とかもそうですけど。一発で決めずにいろいろな個体を見た方がいいと思います。

特に中古車だったらなおさら。僕もフェラーリ モデナを中古車で買ったとき、1つの個体だけでなく、同じモデナを何台も見ました。そうしていくうちに自分の中で知識や買うか買わないかの線引きができてきて、最終的には満足のいく買い物ができるようになると思います。ちなみにこのときの僕はモデナを12~13台くらい見て、自分で納得したうえで買いました。何にせよ、焦らずに買うことが大事だと思います。

▲「乗り味の違いがダイレクトにわかった」と山崎さんが語ったランボルギーニ アヴェンタドール。「ランボルギーニに何台も乗っているので昔よりも今の方が進化していると素直に感じました」 ▲「乗り味の違いがダイレクトにわかった」と山崎さんが語ったランボルギーニ アヴェンタドール。「ランボルギーニに何台も乗っているので昔よりも今の方が進化していると素直に感じました」
▲86レースの練習用に使う車として、購入したというフェラーリ モデナ。山崎さんいわく「いちばんわかりやすいのが走行距離別にいろいろな個体を見ること。走行距離が1万km程度だとこれくらいヘタっているとか、5000kmだとまだキレイだとか、自分の中に線引きができてきます」 ▲86レースの練習用に使う車として、購入したというフェラーリ モデナ。山崎さんいわく「いちばんわかりやすいのが走行距離別にいろいろな個体を見ること。走行距離が1万km程度だとこれくらいヘタっているとか、5000kmだとまだキレイだとか、自分の中に線引きができてきます」
text/福嶌 弘
photo/篠原晃一、ランボルギーニ、フェラーリ