今週はエイプリルフールの話題で盛り上がりましたね。自動車メーカーがユーモアでも火花を散らしていました。どういうわけか「エイプリルフールは午前中だけ」といった珍(?)ルールが現れたり……。それ自体がエイプリルフールのネタなのでは? とさえ勘ぐってしまいます。前置きが長くなりましたが、今週のニュース斜め読み、いってみましょう。

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■スリーポインテッドスターのピックアップトラック爆誕!?(ロイター発|3月27日)

『米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると独自動車大手ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツは、ピックアップトラックの共同開発に向け日産自動車と協議を行っている。事情に詳しい関係者によると、メルセデスが計画する車種に日産のピックアップトラック「ナバラ」の基本構造を使用するほか、日産の工場で生産することなどが話し合われている』

北米ではピックアップトラック人気が根強く、そのトレンドがいつか日本にやってくると囁かれた時代もありましたが、ついぞやってきませんでした。タイなど東南アジアで人気なのは、意外に北米と似たような使用環境のせいでしょう。舗装道路でも路肩との段差が大きいうえ、1本脇道に逸れると未舗装になるのはアメリカ内陸部も同じですから。実用性で選ばれているんですね。

しかし、スリーポインテッドスターをグリルに輝かせるピックアップトラックとなると話は別でしょう。ファッションで乗りこなしたくなります。日本に上陸するかは現時点では未知数ですが、これは期待しましょう。

▲ベンツのピックアップトラックは日産との共同開発とも言われています。コンパクトサイズのナバラがベースになるのかも? ▲ベンツのピックアップトラックは日産との共同開発とも言われています。コンパクトサイズのナバラがベースになるのかも?

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■ついに時代は高級車を求め始めた!(NHK NEWS WEB発|4月2日)

『世界各国の自動車メーカーが最新モデルを披露する自動車ショーがニューヨークで開幕。アメリカでの好調な販売を反映し、各社とも車内の空間を広くとるなどした高級車に力を入れています。また、アメリカのGM=ゼネラル・モーターズとフォードは、車内の空間を広く取って座席シートにマッサージ機能を付けるなどした高級セダンを発表し、注目を集めました』

これはニューヨークモーターショーの傾向を報じたもの。北米の景気回復や原油価格の下落を背景に自動車の販売が好調で、価格の高い車に買い替える動きが出ていることもあって、各社とも利益率の高い高級車に力を入れている、という分析がされています。

格差社会と言われようと、こういった報道を聞くと「我々も好景気の恩恵にあずかれるのでは……」と淡い期待を抱いてしまいます。それはともかく、高級車がたくさん売れて中古車が増えれば、お手頃な価格で高級車に乗れる可能性はグンッと高まりますね。

▲GMが満を持して投入するキャデラック最高峰のモデルCT6。全長5mオーバーの堂々たるプレステージセダンです ▲GMが満を持して投入するキャデラック最高峰のモデルCT6。全長5mオーバーの堂々たるプレステージセダンです

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■ハイブリッドカーはもはやエコカーではない? 北米で一番売れているエコカーは?(オートブログ発|4月1日)

『数は嘘をつかない。大方の予想どおり、日産リーフが北米で最も売れている“プラグイン・ビークル”だ。リーフは今年に入ってから4085台を販売。なお、(ハイブリッドカーではあるものの)対抗馬であるシボレー ボルトは、2015年3月の販売台数が639台だった』

もしかしたら「リーフはそんなに売れてるんだ?」と思われたかもしれませんが、これには理由があります。北米ではカリフォルニア州の規制強化に伴い、2018年よりエンジン走行を主体とするハイブリッド車がZEV(ゼロエミッションビークル)対象から外され、電気自動車や燃料電池自動車、そしてモーター走行を主とするプラグインハイブリッド車がZEVとして認められるようになるのだとか。例えば、トヨタ プリウスはエンジン走行主体とされ、ZEV認定の対象に含まれないそう。

もはやプリウスはエコカーじゃない? 衝撃の事実ですが、現地ではハイウェイのエコカー優先レーンも走れなくなるので影響は大。カリフォルニアは車の環境性能に世界一厳しい州ですが、このトレンドは日本にもやってくるのでしょうか。注視しましょう。

▲様々な活動を通して存在感を高めつつある日産リーフ。写真はリーフを使ってロンドンで描かれたアート作品。このように光を放つ存在になるのでしょうか ▲様々な活動を通して存在感を高めつつある日産リーフ。写真はリーフを使ってロンドンで描かれたアート作品。このように光を放つ存在になるのでしょうか

まとめ

車を取り巻く環境がどんどん変化しています。それが週単位で感じられることに驚いている方も少なくないのではないでしょうか。しかも、その変化が加速しているようにも思えます。2015年はニュースから目が離せません。

text/ブンタ photo/日産、GM