▲放送作家の鈴木おさむ氏が編集長を務める「にっちゃん」のアイデアで、ビジネスカーのe-NV200が遊べる車に! ▲放送作家の鈴木おさむ氏が編集長を務める「にっちゃん」のアイデアで、ビジネスカーのe-NV200が遊べる車に!

電気でラクしてバーベキューでいいの? いいんです!

2月13日から16日まで千葉県・幕張メッセで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2015」。そこでちょっと変わった1台が展示されていた。

発見したのは日産自動車のブース。FacebookなどSNSを使いユーザーに様々な提案をする日産の「にっちゃん」というプロジェクトから生まれた、「究極のスマートバーベキューカー」だ。

キャンピングカーは“車内で”快適に過ごすために作られているが、この車は“車外で”楽しもうという逆の発想から作られている。電気自動車のe-NV200をベースにしており、電気グリルや冷蔵庫などの設備はすべて車の電力で動く仕組みになっている。

監修したのは日本バーベキュー協会会長の下城民夫氏。下城さんはゴミを出さず環境に負担をかけない「スマートバーベキュー」を推進しており、この車に込めた思いも並々ならぬものがあった。

「本来のバーベキューはアウトドアで多くの人が食事をしながら語らう“コミュニケーション”の場です。だから火起こしの手間などを省き、みんなが語らえる時間を長く取れることが大切。事実、電気バーベキューグリルはオーストラリアでは一般的なものになっています。電気自動車はバーベキューを楽しむのにピッタリな車なんです」

確かに電気グリルを使えば場所を選ばずバーベキューを楽しめるし、楽しんだ後の処理も楽になる。下城さんも「バーベキュー=炭火という固定概念を捨てないと、本当のバーベキューの楽しさは見えてこない」と話す。

せっかく大自然の中で仲間と食事をするのなら、もっと自由に、いろんなことにチャレンジしたい。キッチンごと移動できるこの車なら、例えば本格的なイタリアンなども簡単に作れるだろう。

いつでもどこでも、環境を汚さず仲間と気軽にバーベキューをもっと楽しめる。まさに“究極のバーベキュー専用車”。あくまで参考出品だが、ぜひ実用化してほしいものだ。

▲リアゲートを開けるとキッチンやシンクが出てくる。冷蔵庫も付いているので、食材をクーラーボックスで冷やさなくていいのがうれしい。架装はオーテックが行っているため、ワンオフながら、いわゆる“とってつけた感”がない ▲リアゲートを開けるとキッチンやシンクが出てくる。冷蔵庫も付いているので、食材をクーラーボックスで冷やさなくていいのがうれしい。架装はオーテックが行っているため、ワンオフながら、いわゆる“とってつけた感”がない
▲電気グリルは自動で肉が回転するロティサリーを採用。そして素材を立て、目でも楽しむブラジルのバーベキュー「シュラスコ」のスタイルを取り入れている ▲電気グリルは自動で肉が回転するロティサリーを採用。そして素材を立て、目でも楽しむブラジルのバーベキュー「シュラスコ」のスタイルを取り入れている
▲ポータブル式の太陽電池でもグリルの電気を賄うことができる。電気自動車だと帰る際の電気残量が心配になるが、これなら十分な電気量を確保できる ▲ポータブル式の太陽電池でもグリルの電気を賄うことができる。電気自動車だと帰る際の電気残量が心配になるが、電気の量を見ながらいろいろなエネルギーを使うことができるので安心
▲キッチン裏にはテーブルや椅子を収納できるボックスが。架装したボックスはアルミ製で、ボックス全体で350kgと軽量だ。この下には生ゴミを処理できるディスポーザーとゴミ箱もついている ▲キッチン裏にはテーブルや椅子を収納できるボックスが。架装したボックスはアルミ製で、ボックス全体で350kgと軽量だ。この下には生ゴミを処理できるディスポーザーとゴミ箱もついている
▲監修した下城さんは「これからのバーベキューには、自分への優しさ、ゲストへの優しさ、環境への優しさが必要」と語る。バーベキュー後のゴミ問題や直火による環境負荷が問題だったが、「このバーベキューカーなら解決できる」と太鼓判を押した ▲監修した下城さんは「これからのバーベキューには、自分への優しさ、ゲストへの優しさ、環境への優しさが必要」と語る。バーベキュー後のゴミ問題や直火による環境負荷が問題だったが、「このバーベキューカーなら解決できる」と太鼓判を押した
text/高橋 満(BRIDGE MAN)