私が自動車業界に携わり始めた15年近く昔から、究極のエコカーとして語られていた水素を燃料とした自動車。とはいえ、そのときに聞いた話には、遠い未来の車という印象を持っていました。しかし、ついにその未来がやって来ました。なんと、トヨタは水素を燃料として走る燃料電池車(FCV)を2014年度内に発売するとのこと。大きな話題になること間違いなしなので、その前にFCVの基本について学んでおきましょう。

燃料電池自動車(FCV)の基本の仕組みを知ろう

▲燃料電池自動車(FCV)のしくみ(初心者向けコンテンツ|水素・燃料電池実証プロジェクト) 燃料電池自動車(FCV)のしくみ(初心者向けコンテンツ|水素・燃料電池実証プロジェクト)

燃料電池車の基本的な仕組みとメリットが分かるサイトです。燃料電池車(FCV)は、水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使って、モーターを回して走る自動車です。走行時に発生するのは水のみ。有害な排出ガスがほとんど出ないのが特徴で、電気自動車のように充電も必要ありません。

トヨタが発売するFCVって、どんなクルマ?

▲燃料電池自動車 水素で走るクルマ(環境にやさしいクルマ|トヨタ) 燃料電池自動車 水素で走るクルマ(環境にやさしいクルマ|トヨタ)

トヨタが発売する予定のセダンタイプのFCVを紹介するサイトです。まずは、水素ステーションの整備が予定されている首都圏や愛知県、大阪府、福岡県などの地域を中心に販売を開始するそうです。航続距離は約700km(JC08モード トヨタ測定値)。また、水素は、ガソリン車並みの3分程度という短時間で満充填可能だとか。

FCVの普及には水素スタンドが欠かせません

▲水素ステーション(水素とイワタニ|岩谷産業) 水素ステーション(水素とイワタニ|岩谷産業)

水素ステーションの種類や普及について解説しているサイトです。カセットコンロで有名な岩谷産業は、古くから水素事業に携わり、水素ステーション普及の国家プロジェクトにも参加しています。水素ステーションには、他の場所で製造した水素をステーションまで運ぶ「オフサイト型」と出発燃料を貯蔵しておき、ステーションで改質し水素を取り出す「オンサイト型」があるのだとか。

燃料電池車で住宅の電気をまかなえる?

ホンダが行っている、燃料電池電気自動車から公共施設へ電力を供給する実証実験のリリースです。ホンダが開発中の燃料電池車「FCXクラリティ」から、外部給電機能を使い非常用給電を行う実験が紹介されています。なんと、一般家庭のおよそ6日分の使用電力を供給できるそうです。緊急時における移動可能な発電設備としての実用性も期待できそうです。

まとめ

トヨタの発表ばかりがニュースになっていますが、ホンダも以前から、「FCXクラリティ」を2015年中に発売すると宣言しています。普及のキモは、水素ステーションの普及と燃料コスト。経産省のロードマップでは、2020年にはハイブリッド車と同等の燃料コストを目標に据えています。もしかすると、東京オリンピックに向けて、大きく動き出す可能性もあるかもしれませんよ。

※サイト情報は2014年7月10日時点

text/コージ―林田