最近の新車販売でのトレンドのひとつ、「衝突回避性能」。一般には、「ぶつからない車」「自動ブレーキ」などと呼ばれている。日本での先駆けは、2008年に「スバル レガシィ」に搭載された「eyesight」。それから6年。今では、軽自動車にも、その機能は搭載されている。

しかし、各自動車メーカーが、「ぶつからない車」を発売したことで、消費者にはある疑問が浮かんでいるはずだ。「いったい、どの車の自動ブレーキが、もっとも信頼できるのか?」

しかし、自動ブレーキを担っている技術は、各メーカーによって異なる。使う技術によっては、得意なシチュエーション、苦手なシチュエーションがあり、一概にどれが優れていると決めるのは難しいことでもある。そんななか、ひとつの指針となるリリースが、日経BP社の自動車専門誌「日経Automotive Technology」から発表された。

調査対象は、自動ブレーキ機能を搭載している車両のうち、代表的なセンサーを搭載し、自動ブレーキ機能を比較的安価に装着できる9車種。対車両だけでなく、対歩行者の衝突回避性能を評価し、どのシステムが最も高い速度から対象物を認識して衝突を回避できるかを明らかにしたという。

結果は、スバルの「EyeSight(ver.2)」が最高得点を記録し、ボルボの「City Safety/Human Safety」とともに最高評価の“AAA(トリプルエー、総合点で5点以上)”を獲得した。

この結果に対して、「日経Automotive Technology」では、「富士重工業のシステムは、車両と歩行者の認識にステレオカメラ、Volvo社のシステムはミリ波レーダーと単眼カメラ、赤外線レーザーを使っています。次に高い評価となる“AA(ダブルエー、総合点で3~4点)”を獲得した日産自動車とBMW社は、ともに単眼カメラを採用しており、カメラを使ったシステムが上位に並びました。ミリ波レーダーや赤外線レーザーが歩行者を認識することが難しいのに対し、カメラは歩行者を認識しやすく、対歩行者の衝突回避機能を高められたためです」と分析している。

今後、自動ブレーキの車の購入を考えている人は、選択の一助にしてみてはどうだろうか。

試験車両はSUBARU XV。「EyeSight(ver.2)」は、対車両では約50km/hから衝突を回避し、対歩行者では約40km/hから衝突を回避

試験車両はSUBARU XV。「EyeSight(ver.2)」は、対車両では約50km/hから衝突を回避し、対歩行者では約40km/hから衝突を回避

試験車両はV40。「City Safety/Human Safety」は、対車両では約40km/hから、対歩行者では約30km/hから衝突を回避することができた

試験車両はV40。「City Safety/Human Safety」は、対車両では約40km/hから、対歩行者では約30km/hから衝突を回避することができた