ボルボは、100台のボルボ自動運転車が、スウェーデン第二の都市・イェーテボリ市の公道を日常的に走行する世界初の大規模実証実験を行うと発表した。

このプロジェクトは「ドライブ・ミー 持続可能なモビリティのための自動運転」と名付けられ、ボルボ、スウェーデン運輸管理局、スウェーデン運輸庁、リンドホルメン・サイエンス・パーク(ハイテク産業が集合する工業地域)、イェーテボリ市が共同で実施する。

2013年は自動車関連のニュースでも自動運転がひとつのキーワードになった。Googleの自動運転車両が頻繁に取り上げられ、9月にはダイムラー・ベンツが自動運転技術を搭載したS500をドイツ国内の一般公道で100km以上走行させることに成功した。

日本でも、10月に開催されたITS世界会議に関連して国産メーカーが自動運転技術をアピール。日産自動車は、リーフをベースにした車両による高速道路での実証実験を開始することを発表した。

そんな中、ボルボが行う実験が画期的なのは、一般のユーザーがテストに参加することだ。日頃から通勤に使われ、高速道路や渋滞が頻繁に発生する地点を含む約50kmの公道で実験は行われる。実生活に則した実験により、自動運転の社会、経済への影響や、今後の発展のために必要なインフラなどが検証される。

車両は次世代シャシーの新型モデルが使用され、自動運転のほか、ドライバーが車内にいなくても車が駐車場の空きスペースを自動で見つけ駐車するシステムも搭載。ドライバーは、駐車を意識することなく先に車を降りて目的地に向かうことができてしまう。ボルボの描く未来社会では、「ドライバーは自動運転と自らによる運転を組み合わせた運転計画を立て、毎日の移動時間を効率的に活用できるようになる」という。

こういった自動運転の発展は、ドライバー個人へのメリットのみならず、ボルボが掲げる交通事故による死亡者・重傷者ゼロという目標や自然環境の保護などに対しても重要な役割を担う。

世界中で産声をあげつつある自動運転車。その車がもたらす社会の変化を目の当たりにする日も近い。

責任の問題や法の整備が前提ではあるものの、自動運転が実用化されれば、運転中でも安全に電話やタブレット端末を使用することができるようになるかもしれない

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レストランなどの目的地に着いたらドライバーは店の前で車を降りるだけ。車は自動で駐車場に入る。そんなことも当たり前になるかも

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