マツダと広島市、プロ野球・広島東洋カープは広島市民球場の命名権に関する契約を締結した。これにより2019年3月まで、現在の「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」(略称:マツダスタジアム)という名称が継続される。

旧広島市民球場に代わり2009年から広島カープの本拠地として使用されているマツダスタジアムは、開場時から施設命名権(ネーミングライツ)を導入。権利を取得したマツダとは5年間の契約が結ばれていた。今回、10月10日にマツダの小飼社長、広島市の松井市長、広島カープの松田オーナーによって更新契約が締結された。

マツダスタジアムはJR広島駅の東側、徒歩10分という立地。山陽新幹線、山陽本線に沿った貨物駅跡地に位置するが、狭隘な敷地形状を逆手に取った斬新な設計構造で知られている。特にレフトスタンドは奥行きが浅く、場外ホームランの出やすい独特な形状だが、その近くを新幹線が通り、車窓からも試合風景が見られるようになっている。

ホームチームのカープ側観客席を多く取ったスタンドだけでなく、グラウンドも日本ではめずらしく左右非対称で、内外野に敷かれた天然芝とあわせメジャーリーグのスタジアムに近い雰囲気だ。またバーベキューやパーティができるテラス席や、団体で楽しめるスポーツバー、砂かぶり席に「ただ見エリア」まで、多彩な席種も特徴となっている。

広島東洋カープは市民球団だが、マツダは球団の株式を34.2%保有する筆頭株主。オーナーは代々マツダの創業家一族が務めており、「東洋」の名もマツダの旧社名である東洋工業に由来するなど関わりが深い。

16年間に渡りBクラスが続いていたカープだが、2013年シーズンはセ・リーグ3位。クライマックスシリーズもファイナルステージまで駒を進めた。2012年の日本カーオブザイヤーを受賞するなど活躍が目覚ましいマツダと同様に、「日本一の球場」との呼び声も高い「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」で日本一を目指す。

マツダスタジアム内にはカープとマツダの歴史を振り返る展示が。グッズショップやカフェなど、シーズンオフに入れる施設もある

マツダスタジアム内にはカープとマツダの歴史を振り返る展示が。グッズショップやカフェなど、シーズンオフに入れる施設もある

カップルや夫婦、親子が寝ころんでくつろげる「寝ソベリア」など、多彩な席が用意されているのもマツダスタジアムの特徴だ

カップルや夫婦、親子が寝ころんでくつろげる「寝ソベリア」など、多彩な席が用意されているのもマツダスタジアムの特徴だ

内野にも天然芝が敷かれているプロ野球の本拠地は、現在マツダスタジアムのみ(準本拠地にはほっともっとフィールドがある)

内野にも天然芝が敷かれているプロ野球の本拠地は、現在マツダスタジアムのみ(準本拠地にはほっともっとフィールドがある)