話す車。SF小説に登場するような、そんな夢のような車をトヨタが開発している。車の名前は「Smart INSECT」。ユーザーとの対話型サービスのコンセプトモデルであり、10 月2 日~6 日の間に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2012」で展示された。

「Smart INSECT」は小型電気自動車(EV)「コムス」をベースにしており、クラウドなどのIT技術を活用している。音声認識や行動予測による目的地設定など様々な機能を搭載。カーライフをより便利で快適にするため、ユーザーとコミュニケーションがとれるように設計されている。

「Smart INSECT」は、車両前方にあるモーションセンサーによりユーザーの顔写真と照らし合わせ個人認証を行う。さらに、ユーザーの動きを察知しドアを開閉し、インパネのモニターでHELLO などと挨拶したり音声で応答したりする。

クラウド上で展開する家や車などのエネルギーを管理するシステム「トヨタスマートセンター」を利用しているのも特徴だ。「トヨタスマートセンター」上のバーチャルエージェントがユーザーと対話し、目的地を設定したり、車の各種機能を操作してくれるのだ。それだけでなく、バーチャルエージェントを通して、スマートフォンのナビやアプリを操作したり、自宅の施錠やエアコンの状態を車内で確認することも可能だ。

「Smart INSECT」の実用化は未定。しかし、搭載されている技術の一部は市販車へ1~2年以内に導入することができるという。

「CEATEC JAPAN 2012」で展示された「Smart INSECT」。ベースとなるコムスにはないガルウィングドアは、ドライバーの手の動きを判断し開閉する

「CEATEC JAPAN 2012」で展示された「Smart INSECT」。ベースとなるコムスにはないガルウィングドアは、ドライバーの手の動きを判断し開閉する

前面に装着されるモーションセンサーで人の顔を検知。登録されたドライバーの顔と照合して個人を認証する

前面に装着されるモーションセンサーで人の顔を検知。登録されたドライバーの顔と照合して個人を認証する

メインパネル右手のトレイにスマートフォンを置くと、「Smart INSECT」とリンクしアプリや自宅のエアコンなどの操作も可能に

メインパネル右手のトレイにスマートフォンを置くと、「Smart INSECT」とリンクしアプリや自宅のエアコンなどの操作も可能に