ミーティング▲20代のクラシック/ネオクラシックカーミーティングに同年代の編集部員芝本が潜入


車好きと、ちょっと変わった車が集まると話題の、神奈川県三浦市にあるリバイバルカフェ。古い蔵をリノベーションしたこのカフェを会場に、20代中心のクラシック/ネオクラシックカー乗りのミーティングが開催されると聞き、同じく20代のカーセンサー編集部員・芝本が潜入取材に向かった。

じつは芝本、比較的新しい車を所有しているが、古い車に興味はある。とはいうものの初めの一歩を踏み出す勇気がないそうで、取材を口実に相談に乗ってもらおう! という魂胆らしい……。

潜入取材前編は、この日集まった総勢15台の個性的な車の中から「ホンダ シティカブリオレ」「アルファロメオ 1300ジュニア」「MG MGB GT」「ポルシェ 914」「いすゞ ピアッツァ」「トライアンフ スピットファイア」「トヨタテクノクラフト MRスパイダー」「アルピーヌ V6ターボ」のオーナーのみなさんにお話をうかがった。
 

古い車に興味はあるが一歩が出ない……実際にオーナーの声を聞いてみた

――ご歓談中のところおじゃまします。カーセンサー編集部の芝本といいます。あの今回のミーティングの発起人の方は……。

後藤 あ、僕です。後藤といいます。このピアッツァに乗ってます。
 

ピアッツァ
ピアッツァ▲ミーティングの発起人の後藤さん(25歳)と愛車・83年式ピアッツァ

――いやあどの車も個性的で、エンスーな集まりですね。

後藤 ありがとうございます。今流行ってるネオクラとかそれ以前の車に、ちゃんと日常的に乗ってる知り合いに声をかけました。僕は今24歳なんですけど、みんな僕と同世代です。

――ですよね。僕は25歳なんで、なんか同じくらいかなと。あ! このシティカブリオレいいですねえ。

小野 ありがとうございます。

シティ▲小野さん(25歳)の愛車・85年式ホンダ シティカブリオレ


――この年式のカブリオレ、雨漏りとか怖くなかったですか?

小野 雨漏りします(笑)。でもまあ乗ってる人がいるってことは、どうにかなるだろうって感じで、あまり深く考えなかったですね。

――いやあじつは今、みなさんのあまりに個性的な車を見てちょっと動揺してまして。僕は去年の9月に初代アウディ Q5を買ったんですけど……。

大澤 車の概念が揺らいでる(笑)?

――そうですね、ちょっと戸惑っているというか。オーナーのみなさんも僕と同世代じゃないですか、どうやったらこういう車に普通に乗れるものなのか? って。

佐々木 飛び込むしかないっていうのはありますよね。始めればやめないし。
 

MG▲佐々木さん(25歳)の愛車・67年式MG MGB GT

糸川 なんとかなるし、なんとかしてる(笑)。

後藤 この集まりに来たのが運の尽きですね(笑)、ようこそ!

西坂 逆取材になっちゃいますけど、なんでQ5にしたんですか?

――まず価格が手頃。排気量2Lなんで税金も抑えられる。僕趣味でスノーボードとかキャンプにも行くのでヨンクがいいかなと。

一同 なるほど~。

――それから僕出身が大阪なので、大阪~東京間を往復できそうな年式で探して。古い車も興味あるんですけど、壊れてまうとイヤだなっていう。

後藤 つまり今Q5があるってことは、もうなんでも買えるってことですよね?

一同 (笑)

後藤 僕は長距離移動しなくてもいいので、ピアッツァ1台でも事足りるんだけど……。

中野 仕事もあるし、実家が遠いとそうもいかないでしょう。

914▲中野さん(27歳)の愛車・71年式ポルシェ 914

西坂 2台持てれば、条件がある車選びとは別に、条件がなんにもない自由な車選びができるっていうのは楽しいかもしれない。
 

ジュニア▲西坂さん(27歳)の愛車・70年式アルファロメオ 1300ジュニア

――じゃあみなさん2台持ちなんですか?

中野・西坂・中村・大澤 はい。

佐々木 僕は3台。

糸川 僕も3台。1台はレストア中で不動車ですけど。

――維持費はもうがんばるしかないっていう感じですか?

中村 僕はスピットファイアを趣味の車として乗って、アシ車は維持費が一番安い4ナンバー登録のアルトバンにしました。
 

スピットファイア
スピットファイア▲中村さん(24歳)と愛車・79年式トライアンフ スピットファイア

――なるほど。

西坂 あと古い車は、周りに教えてくれる人がいると始めやすいですよね。

――こういうコミュニティがあるといいってことですか?

西坂 そうですね。

佐々木 情報交換もできるし。

大澤 知り合いの知り合いっていうふうに、ネットワークが芋づる式につながっていくから。

――そういうコミュニティっていうのは、どうやって探していけばいいんですか? SNSですか?

西坂 僕らの世代だとツイッター、インスタが多いですかね。

後藤 ちょっと年代が上の方、おじさまたちはフェイスブックなんですよね。

大澤 あとはこういう車好きが集まるドライバーズカフェみたいなところでリアルに知り合うっていうのもありです。

――インスタとかチェックしてミーティングがあったらそこに行く、と(メモメモ)。それ最初ってみなさんひとりで行ったんですか? 最初の最初です。

中村 僕は後藤が高校からの友人なので、こいつがピアッツァ買って顔が広くなってたところに乗っかったっていうか。

糸川 誰かに巻き込まれるっていうの、あるね。

――もらい事故みたいに言わないでください(笑)。
 

芝本

後藤 僕はピアッツァが人生で初めて買った車なんですよ。だから当然集まりも行ったことなかったし、まず買っちゃって飛び込んでいろんな人とつながっていった。

――後藤さんはいきなりおじさまの会に突入してったんですか?

後藤 最初このリバイバルカフェにピアッツァで来たとき、おじさまたちにぶわっと囲まれて(笑)。ピアッツァのコミュニティに関していうと、おじさましかいないんですよ(笑)。いすゞ車はどうしても年齢層が高いので、SNSもフェイスブックが中心。一番年代が近かったのが大澤さんで、仲良くなって遊ぶようになって。

大澤 僕は今アルピーヌ乗ってるんですけど、元々MR2乗ってて、それからピアッツァ乗ってたんで、ピアッツァの後藤さん、MRスパイダーの糸川さんとつながった。
 

アルピーヌ▲大澤さん(30歳)の愛車・アルピーヌ V6ターボ
MRスパイダー▲糸川さん(29歳)の愛車・98年式MRスパイダー

糸川 最初はお互いひとりで参加したイベント会場で会ったんだよね。

中村 僕も大澤さんと神奈川の有名ツーリングスポットの宮ヶ瀬ダムで会って、たまたま共通の知り合いが別にいてつながって。

糸川 みんなひとりで飛び込んでいった先にヘンな人がいたっていう(笑)。ヘンな人がいると芋づる式にぶわっと広がっていくんですよ。

――あのお聞きしたいんですけど、最初はそのイベントの車種とは全然違う、例えばプリウスに乗って行って情報収集するっていうのもありなんですか?

一同 ぜんぜんあり!

中村 僕も最初はこのリバイバルカフェで、スピットファイアの維持費がどれくらいかかるのかとか聞いてから探し始めたんです。

――ああ、ここのオーナーの三崎さんがスピットファイア乗りですもんね! じゃあ今はみなさんが逆にいろいろ相談される立場ですか?……僕もすでに相談しまくってますけど(笑)。

糸川 やっぱり僕は「MR2欲しいんですけど」って相談されますね。意外と女の子でもMR2探してる人も多くて、そういうときはMR2に乗ってる女の子を紹介してあげたりとかっていうこともあります。

――そうですか……じゃあ僕も次回またイベントに行きたいです。

一同 おお、いいねえ!

大澤 同世代の男同士だと、よしすぐ買いに行けるようにハンコ持っておいでよって、ついけしかけたくなっちゃうな(笑)。

中野 ひどい個体じゃなければ、買っちゃえばなんとかなっちゃいますからね。

――いい話が聞けました!

小野 具体的にどんな車が欲しいとかないんですか?

――78プラドとかいいなって思ってるんですけどね。

一同 おおお!

――でもここ1、2年で100万円くらい値上がりしてるのを見ちゃうとと、つい二の足を踏んでしまう。

西坂 でもホントに欲しいんだったら今のうちにいった方がいいですよ。

中村 Q5と78プラドだったら、もう1台車高の低い車も行けるんじゃないですか?

佐々木 マニュアルのクーペとかね。

中野 そうやって無限に増えていく(笑)。

大澤 みんなそうやってドツボにはまっていく(笑)

――いやあなんだか勇気が湧いてきました。どうもありがとうございました!
 

文/竹井あきら、写真/阿部昌也 取材協力:リバイバルカフェ(〒238-0114 神奈川県三浦市初声町和田2650‐3)
 
竹井あきら

ライター

竹井あきら

自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。