歴代ラリーカーを一挙公開! トヨタのWRC挑戦を振り返る展示に行ってきた
2016/07/05
▲F1などレース用の車両で行われるカテゴリーと違い、「ハコ」=乗用車をベースとした車が用いられるのがラリーの魅力でもあります。私たちが知っているあの車たちも、レース仕様に姿を変えていざ戦いの舞台へ!
セリカにカローラ、トヨペットクラウンまで! 歴代ラリーカーがズラリ
いよいよ来年に迫ったトヨタのWRC(世界ラリー選手権)復帰。同社の復帰はおよそ20年ぶりとなります。WRCといえばフォルクスワーゲンやシトロエンなど強力なヨーロッパ勢、また最近ではヒュンダイも活躍していますが、かつてはスバルなど日本勢も優勝争いに加わった時代がありました。トヨタもそのうちの一つ。
トヨタはWRCがスタートする1973年以前からラリードライバーのオヴェ・アンダーソン氏と協力してラリーに出場しており、WRC開始とともに参戦しています。その後1999年を最後に撤退するまで、世界各地で激戦を繰り広げました。
そんな歴史を振り返ろうと、メガウェブ(東京都江東区)で現在行われているのが企画展『トヨタWRC参戦の系譜』。先日お邪魔してきたのですが、歴代のラリーカーが並ぶ光景はなかなか味わえないものです。9月4日(日)までの開催ですので、関東にお住まいの方はもちろん、遠方の方も夏休みに東京へいらっしゃる機会があればぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
なかなか都合がつかないという方もご安心あれ。今回の記事では、展示車9台すべてを一挙にご紹介します!
■開催概要
企画名:トヨタWRC参戦の系譜 ~2017年新たな挑戦へ~
主催:メガウェブ
共催:トヨタ博物館
開催場所:メガウェブ ヒストリーガレージ
開催期間:2016年6月24日(金)~9月4日(日)※7月19日(火)は休館
▲(トヨペット クラウン RSD)WRCが始まる前、まだ海外の模倣から脱するかどうかという1950年代からトヨタはラリーに参加していました。トヨペットクラウンは、1955年の発売から2年後の1957年、豪州一周ラリーに参戦。19日間で約1万7000kmを走破する、当時世界で最も過酷なラリーの一つといわれていた大会です。これはラリーのみならず、トヨタのモータースポーツ活動の始まりでもありました。ちなみに今回展示されているのはレプリカです
▲(セリカ ツインカムターボ=TA64)2台目は一挙に時代が下り1985年、光と影どちらも強い印象を残した「グループB」時代のサファリラリーで優勝したこのTA64型のセリカ。グループB規格で製作された車両ということで、ベース車両とはかなりかけ離れた中身となっています。4WD+ミッドシップエンジンという組み合わせの車たちがレースを席巻し始めたこの時期のWRCで、ベース車と同じFRながら奮闘、前述のサファリラリーでは3連勝を達成しています
▲(MR2=222D)幻に終わった「グループS」規格での参戦を目標に開発されていたのがこの222D。(一応)初代MR2をベースとしたマシンで、ミッドシップ+4WDレイアウトを採用しています。今回展示されているのは何台か製作された試作車のうちの1台です
▲(セリカ GT-Four=ST165)1985年に登場したセリカ GT-Fourがベースで、トヨタ初のフルタイム4WDを搭載しています。1987年から適用された「グループA規定」に合わせて開発されました。TA64と同じくサファリラリーで優勝を飾った1990年シーズンのマシンです
▲(セリカ GT-Four=ST185)1992年から投入された5代目セリカベースのマシン。ひとつ前のST165で、日本車に乗るドライバーとして初のWRCチャンピオンとなったカルロス・サインツが引き続きドライブし、1992年には2度目のドライバーズチャンピオンに輝いています。展示されているのは1993年にオーストラリアラリーで優勝した際のマシンで、この時期のトヨタチームは1994年まで2年連続のマニュファクチャラーズおよびドライバーズのダブルタイトルを獲得、最も輝いた時代でした
▲(セリカ GT-Four=ST185)同じくST185型のセリカですが、こちらは1995年に藤本吉郎がサファリラリーで優勝した際のマシン。日本人ドライバーとしては初の優勝でした。展示されているマシンはサイドのへこみなど、過酷なラリーの様子を伝えるものとなっています
▲(セリカ GT-Four=ST205)四つ目のライトが印象的な6代目セリカをベースとしたモデルで、1994年にWRCデビュー。展示車はレプリカとなっています。ST205はレースにおいて苦戦を強いられ、優勝も1995年に挙げた1勝のみでした。同年にレギュレーション違反により出場停止、復帰はカローラベースの新たなマシンとなります
▲(カローラ WR-Car)1998年のWRCへの正式復帰を前に、「WRカー」へと規定が変更されたことに合わせて1997年からテスト参戦したマシン。カローラといってもヨーロッパで販売されていた丸目ライトのモデルがベース。1999年にはマニュファクチャラーズチャンピオンに輝いています。展示車はプロトタイプです
▲(ヤリス)1999年を最後に終了したトヨタのWRC参戦。約20年ぶりの復帰へむけて現在開発中なのがこのヤリス(欧州名、日本では「ヴィッツ」)です。ライバルたちに比べてもコンパクトなボディが特徴で、実戦デビューの際にはどのような走りを見せてくれるのか今から期待が膨らみます。展示されているのはお披露目用の車両とのことですが、車体に比して大型のリアスポイラーやロールバーなど、ラリーカーならではの装備を見ることができます※7月6日~8月23日の限定展示
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