▲昨年の順位は100位以下ながら、今年は4位に食い込んだトヨタ ヴォクシー(現行型) ▲昨年の順位は100位以下ながら、今年は4位に食い込んだトヨタ ヴォクシー(現行型)

圏外からいきなりトップ10入りしたヴォクシーとハリアー

2014年11月1日から2015年10月31日までの1年間、カーセンサーnetに掲載された6000を超える車種の中から、最もユーザーの注目度が高かったモデルを発表するカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2015ー2016。今回はマツダ RX-8が前回の覇者マツダ CX-5をわずか2ptの僅差でかわしての勝利という劇的な結末となったわけですが、他にも波乱の展開があったんです。ここではそのひとつ「注目度が急上昇したモデル」にフォーカスしてみましょう。

注目は、今年のランキングで4位に入ったヴォクシーと5位に入ったハリアーです。前回(2014ー2015)のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーでは、上位100位にも入らなかった2モデルですが、今年はいきなりトップ10入り。ともに現行型が登場してからまだ2年弱と日が浅いにも関わらず、多くのユーザーが中古車物件へ問い合わせしたということは、何か特別な訳がありそうです。そのあたりも含め、ヴォクシー&ハリアーの注目度が急上昇した背景を分析してみました。

イチローばりのミート打法で指名買いする賢いユーザー

現行型ヴォクシーの登場は2014年1月。ハリアーは2013年12月。以来、両モデルとも新車販売台数ランキングトップ20位内に入り続けています(自販連「新車乗用車販売台数月別ランキング」参照)。多少の前後はありますが、今回のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーの対象期間は、おおよそ両モデルとも登場から2年目の期間と重なります。昨年同時期(2014年12月)の流通量は、いずれも100台前後。しかし、直近では約4倍に増えました。以上のことから、ヴォクシー/ハリアー指名買いのユーザーが、流通量の増え始めた中古車も選択肢に加えたことが、注目度の急上昇に繋がったと考えられます。

しかし、登場2年目の人気モデルですから、中古車と言えど決して安い買い物ではありません。現時点での相場の平均価格は、ヴォクシーが267万~270万円、ハリアーは355万~363万円の高水準。それでも新車価格と比べれば、税金や装備など含め総額で20万~30万円程度安く買えます。今回の波乱の展開は、狭いながらも確実なお得幅を、まるで往年のイチローのように、きっちり狙ってミートしてくる賢いユーザーがいるということを、物語っていると言えるでしょう。

▲ヴォクシーと同じく、昨年は100位以下ながら今年は5位にランクインしたトヨタ ハリアー(現行型) ▲ヴォクシーと同じく、昨年は100位以下ながら今年は5位にランクインしたトヨタ ハリアー(現行型)
text/編集部
photo/篠原晃一