▲新車・中古車マーケットのデータから今年のトレンドを読み解きます ▲新車・中古車マーケットのデータから今年のトレンドを読み解きます

今年の自動車マーケットを振り返る

2015年もあと2週間ほどで終わりますが、みなさんは、今年はどういった年でしたでしょうか? マーケット的には、新車に比べて中古車はちょっとだけ好調だったようです。

リクルート自動車総研が2015年9月に調査を実施した「中古車購入実態調査2015」によると、この1年の中古車の販売台数推計は約240万台、みなさんが購入された中古車の平均価格は約117万円という結果が出ました。
 

新車マーケットではマツダが好調

2015年の新車の販売台数は510万台前後(登録車+軽自動車計)に落ち着きそうなので、新車:中古車の販売比率は68:32ぐらいになりそうです(集計期間が多少ずれますがご容赦を)。ちなみに保有している車が新車か中古車かという点では、同調査では72:27という数値が出ていますので、2015年の販売状況的には、微妙ではありますが中古車が優勢だったようです。

今年は、4月に軽自動車税が増税されたこともあり、新車全体では約8%の前年比ダウン。軽自動車に絞ると約15%ほど低迷しています。軽の増税は、中古車は対象外であったことも、この結果に影響を与えているのかもしれません。

そんな新車マーケットで国産主要8メーカーのうち、販売台数を伸ばしているのは現時点でマツダのみ。今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーではロードスターが昨年のデミオに続いて2年連続でイヤーカーの栄光に輝きましたが、実際にマツダ車の人気は高まっており、販売も好調を維持しています。中古車マーケットでも、この好調さが波及しているのか? そこは19日発表のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー(CS COTY)の結果を待ちましょう。

▲今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたマツダ ロードスター ▲今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたマツダ ロードスター

中古車マーケットではどうだったのか

続いて中古車マーケットの状況を。2015年調査で中古車を最も買っている世代は、実は20代(18歳、19歳を含む)の若者だと判明しました。若者に絞れば、購入した車の新車:中古車比率は約6:4になっており、最も中古車の購入率が高く、マーケットを支える中心的存在になっています。

購入価格も30代に次いで高く、また、購入した車のボディタイプも、他の世代よりもセダンからミニバン、SUVに広がりを見せ、「お金がないから仕方なく中古車に」というよりは、乗りたい車に対して積極的にお金をかけ購入している実態がうかがえます。「若者の車離れ」などと言われることも多いですが、2015年の中古車においてはあまり当てはまらないようですね。

ボディタイプ別でデータを分析

ボディタイプ別でデータを眺めると、軽自動車を最も買っているのは20代の女性。ミニバンとステーションワゴンは30代女性、SUVは30代男性、セダンは60代女性、コンパクトカー(ハッチバック)は50代女性、という結果でした。女性の方が世代ごとに購入車種のメリハリがあるのは、ライフスタイルの変化と車選びがより密接につながっていることを示唆しますね。

▲購入した中古車のボディタイプを示す表。全体的に軽自動車の比率が高いですが、年代や地域によっての違いがよく分かります ▲購入した中古車のボディタイプを示す表。全体的に軽自動車の比率が高いですが、年代や地域によっての違いがよく分かります

実際に、人気のあった車種やその相場動向などについては、カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーの発表と、その関連特集をこうご期待! ユーザーからの問い合わせやカーセンサーnetの掲載台数などを元に、注目度の高かった車種が発表されますよ。

text/リクルート自動車総研 所長 後藤貴功
photo/編集部、マツダ