マツダ ロードスター12Rの抽選に外れて絶望している人必見! 代わりにコレ、どうですか? 5選
2025/11/16
▲200台のみの特別限定車「マツダ スピリット レーシング ロードスター12R」でしたが、9500人以上の申し込みが殺到したため、おそらくはほとんどの人が「抽選に外れてしまった……」と絶望しているだろう第2弾も検討中とのことではあるが……
2025年10月24日(金)、200台のみの限定販売が行われた「マツダ スピリット レーシング ロードスター12R」の抽選結果が発表された。運よく抽選した200名以外の約9300人は、おそらく絶望していることだろう。
第2弾モデルの発売を検討中というマツダからの発表はあったが、その詳細や内容はまだ不明。絶望している人の中には「もう待ちきれない……」という人もいるはずだ。そんな人に、ロードスター12Rの代わりとしてオススメできる5モデルを紹介したい。
▲こちらがマツダ スピリット レーシング ロードスター12R。抽選に外れてしまったのは無念ですが、切り替えて「次」に行きましょう!モデル概要:マツダ スピリット レーシング 12Rとはどんなモデル?
「マツダ スピリット レーシング」とは、マツダのモータースポーツ活動のシンボルとして2021年に発足したサブブランド名。そのレーシングチームが「Team MAZDA SPIRIT RACING(チーム マツダ スピリット レーシング)」で、同チームは現在、スーパー耐久レースに参戦している。
そんなマツダ スピリット レーシングがレース参戦で得た技術やノウハウを市販車にアウトプットした限定車が「マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R」だ。
▲200台限定で抽選販売されたマツダ スピリットレーシング・ロードスター12R。価格は761万2000円
▲200台分しか枠がない商談予約抽選には、2025年10月5日14時から同年10月20日23時59分までの期間に9500人以上の申し込みがあったというパワーユニットは、4代目ロードスターの国内仕様ソフトトップモデルとしては初搭載となる2L直4。同エンジンはエンジニアの手作業による吸気ポート研磨やカム形状変更、エア吸入口拡大などにより最高出力を200ps/最大トルクを215N・mをマーク。加速フィールやレスポンスも、標準の1.5Lエンジンとは段違いであるという。
またその他ロードスター12Rは、レブリミット直前まで出力を絞らずに走行できる制御の採用や、ラジエター容量のアップ、専用チューニングのビルシュタイン製ダンパー、アルカンターラを用いたステアリングホイール、レカロ製シート、専用エアロパーツ、鍛造アルミホイール、フジツボと共同開発したエグゾーストマニホールド……等々、枚挙のいとまがないほどの専用チューニングが施され、車両価格761万2000円にて200台のみの抽選販売が行われていた。
12Rの代わり① |マツダ ロードスター(4代目)990S
→想定予算:総額250万~350万円
ロードスター12Rと同等または同等以上のエンジンパワーやスペシャル装備の類を他のモデルに求めると、それはどうしたって「重くて大きな車」になってしまう。それでは本末転倒であり、12Rの抽選に外れた人も、そんなモノは求めていないはずだ。
だが、パワーや装備ではなく「軽さ」を軸に考えてみると、ロードスター12Rの抽選に当たった場合とおおむね同等の満足を、他のモデルによっても味わえる可能性が出てくる。
それはつまり、4代目マツダ ロードスターの「990S」である。
▲2022年1月に発売された4代目マツダ ロードスターの特別仕様車、990S
▲「990S」という車名はもちろん、車両重量が1tを切る990kgであることに由来しているご承知のとおり990Sは2022年1月に発売された、車両重量990kgの特別仕様車。最軽量グレードである「S」のバネ下重量をさらに低減に加え、軽さを生かしたシャシーとエンジンの専用セッティングを行ったモデルだ。
具体的には、RAYS製の鍛造16インチアルミホイールにブレンボ製大径ベンチレーテッドディスク&対向4ピストンキャリパー(ブラック塗装にブルー文字)などを組み合わせ、ショックアブソーバーとスプリング、電動パワステ、エンジン制御に「990S専用セッティング」が行われている。
▲990Sのインテリア。エアコンルーバーベゼルはブルー/ピアノブラックで、ディーラーオプションとしてブルーステッチ/刺しゅう入りの専用フロアマットも用意された
▲フロントブレーキはブレンボ製大径ベンチレーテッドディスク&対向4ピストンキャリパーとなるロードスター 990Sには、12Rのような見た目のスペシャル感や、限定モノとしての希少感、あるいはロードスターとしては異例のパワー感などはない。
しかし、公道を痛快に走るために重要となるのは、結局のところ「軽さ」であり、中でもとりわけ「バネ下重量の軽さ」であることから考えると、990Sを購入すれば――12Rの抽選に外れた悔しさを完全に忘れることができるかどうかは別として、「……結局はこの車を選べてよかった!」と、しみじみ感じることになるだろう。
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マツダ ロードスター(4代目)×990S12Rの代わり② |マツダ ロードスター(大幅改良後の4代目)RS
→想定予算:総額330万~520万円
ロードスター 12Rの代わりとしては990Sが筆者のイチ推しだが、「さすがにもう少し一般的な方向性で探したい」と考える場合には、4代目マツダ ロードスターのモデルライフにおいて最大規模の大幅改良を受けた2024年1月以降の世代、中でも最上級グレードの「RS」が適任となるだろう。
▲こちらが大幅改良後の4代目マツダ ロードスターRSこれまたご承知のとおり「More Roadster」を開発スローガンとしたこのときの大幅改良では、先進安全機能やコネクティッドシステム、内外装デザインが進化しただけでなく、ダイナミクス性能も大幅な進化を遂げた。
「S」を除く各グレードのMT車には「アシンメトリックLSD」が採用され、後輪の接地荷重が減少する減速旋回時の車両安定性が向上。そしてステアリング機構内のギアのフリクションを低減させ、モーターアシストの制御もより緻密なものとしたことで、自然なフィードバック感を、より軽やかで正確なステアフィールが実現されている。
そしてSKYACTIV-G 1.5エンジンにも国内ハイオクガソリンに合わせた専用セッティングが施され、MT車は駆動力制御に最新のロジックを導入。それまで以上にドライバーの意に沿った応答性が発揮されるようになった。
このような大幅改良世代の4代目ロードスターであれば、さすがに「12Rとまったく同様」というわけにはいかないが、公道を適切な速度で痛快かつ快適に走るうえでは、他の一般的な車とはまったく異なるレベルの「この車を選んでよかった!」という感慨を味わえるはずだ。
▲シートはレカロ社と共同開発したRS専用のスポーツシートを標準装備
▲RSのショックアブソーバーは、NR-Aにも採用されたビルシュタイン製。ブレーキローターは前後とも280mmの大径タイプが採用されているグレードは「S」以外であればどれでもよいとは思うものの、12Rの代わりとして考えるのであれば、RS専用チューニングが施されたビルシュタイン社製ダンパーやRAYS製16インチ鍛造ホイール、フロントサスタワーバー、そして爽快なエンジンサウンドを響かせるインダクションサウンドエンハンサーなどが標準装備となる最上級グレード「RS」がベストではあるだろう。
総額300万円台後半の予算にて、かなり良コンディションな1台を見つけることができる。
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マツダ ロードスター(4代目)×RS ×2024年1月~12Rの代わり③ |ポルシェ 718ボクスター(初代)
→想定予算:総額650万~800万円
マツダ ロードスター 990Sも大幅改良後の同RSも、かなり素晴らしい選択肢であると確信する。
だが12Rの代わりとして考える場合には、車種的には12Rと同じであるがゆえに、抽選に外れたことに関する未練や悔しさにむしろブーストがかかってしまうリスクはある。そこもケアするのであれば、ロードスター以外の車種から代わりのモデルを選ぶ方が安全ではあるだろう。
その場合のベストな選択肢は、ポルシェ 718ボクスターだろうか。
▲大幅改良とともに車名をボクスターから「718ボクスター」へと変更
▲ボディサイズは全長4379mm×全幅1801mm×全高1281mm718ボクスターは、エンジンを従来の自然吸気の水平対向6気筒から水平対向4気筒ターボにダウンサイジングするとともに、各所に大幅な改良が施したうえで2016年に上陸したポルシェのオープン2シータースポーツ。
名称の「718」は、1957年に登場した空冷水平対向4気筒のミッドシップレーシングスポーツ「718RSKスパイダー」に由来している。
ミッドに搭載される水平対向4気筒ターボのスペックは、2Lターボの「718ボクスター(カーセンサーnetでは「2.0」と表記)」が最高出力300ps/最大トルク380N・mで、2.5Lターボとなる「718ボクスターS(カーセンサーnetでは「S」と表記)」は同350ps/同420N・m。トランスミッションは6MTまたは7速DCT(PDK)だ。
いずれもロードスター12R以上のパワー&トルクを発生させるパワーユニットにより、0-100km/h加速は718ボクスターの場合で4.7秒、718ボクスターSは4.2秒と、当然ながらかなりの俊足ぶりを誇っている。
▲ステアリングホイールは「918スパイダー」用のものをモチーフとしたデザイン。トランスミッションは6MTと7速PDKの2種類が用意されているとはいえ、そういったスペックうんぬん、加速データうんぬんというよりも、「ポルシェ!」という問答無用の存在感と、それと同時に存在するポルシェ車ならではの圧倒的な剛性感および精密感こそが、718ボクスターというミッドシップロードスターの真価。
その真価を味わってみれば、12Rの当選に外れた無念を完全に晴らせるかどうかは個人差があるだろうが、少なくともほぼすべての718ボクスター購入者は「これはこれで最高のロードスターだ!」と確信することになるだろう。
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ポルシェ 718ボクスター(初代)12Rの代わり④ |ミニ ロードスター(初代)ジョン・クーパー・ワークス
→想定予算:総額300万~350万円
ポルシェ 718ボクスターは、マツダ ロードスターと並ぶ「世界最高レベルのオープン2シータースポーツ」ではあるものの、その中古車価格の高さがネックとなる場合は多いだろう。
もう少し手頃な予算で「12Rの代わり」を見つけたい場合には、「ミニ ロードスター」のジョン・クーパー・ワークスが適任となるはずだ。
▲こちらがミニ ロードスターのジョン・クーパー・ワークスミニ ロードスターは、従来からある4座のオープンカー「ミニ コンバーチブル」とは異なる2シーターオープンスポーツとして2012年に登場した1台。
全高はコンバーチブルより20mm低く、ボディサイズは全長3740mm×全幅1685mm×全高1385mm。ソフトトップは、コンバーチブルの場合は電動式だが、ロードスターは重量増加を抑える目的で手動式が採用されている。駆動方式はロードスター12Rと違ってFFにはなるが、これはこれで痛快で爽快なオープンエアが堪能できるスポーツカーだ。
搭載されるパワーユニットは、ガソリン車の場合は各グレードとも1.6L直4ターボで、標準グレードに相当する「クーパー」は最高出力122ps、クーパーSでは同184psをマークする。
この2グレードも悪くないが、「12Rの代わり」としてミニ ロードスターを考えるのであれば、選ぶべきは最強グレードである「ジョン・クーパー・ワークス」だろう。
▲風の巻き込み量はやや多いが、その「疾走感」には相当なモノがあるミニ ロードスター ジョン・クーパー・ワークス
▲ミニ ロードスター ジョン・クーパー・ワークスの運転席まわり。トランスミッションは当初6MTのみだったが、途中から6速ATも追加されたジョン・クーパー・ワークスが搭載する1.6L直4直噴ターボは最高出力211ps/最大トルク260N・mで、オーバーブースト時の最大トルクは280N・m。
その乗り味は「古典的オープンスポーツそのもの」といったニュアンスで、いわゆる快適なニュアンスではない。しかし、今どきそんな乗り味の車は少ないという意味で貴重な存在であり、ある意味、ロードスター12Rと同程度に「とがってる1台」だ。
中古車の流通量はかなり希少だが総額300万円台前半にて、6速AT車または6MT車を見つけることはできる。
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ミニ ミニロードスター(初代)×ジョン・クーパー・ワークス12Rの代わり⑤ |マツダ ロードスター(初代)
→想定予算:総額200万~400万円
先ほど提案したミニ ロードスター ジョン・クーパー・ワークスもポルシェ 718ボクスターも、素晴らしいオープン2シータースポーツではある。しかし冷静に考えてみると、やはり「マツダ ロードスターの代わりは、マツダ ロードスターにしか務まらない」という気もしてきた。
その意味で、最初にご提案した「990S」と「大幅改良後のRS」は悪くない選択だと思うわけだが、いっそのことNAを、つまり初代マツダ ロードスターの上物物件を狙ってみるのもかなり素敵であるはずだ。
▲ご存じ、NAこと初代マツダ ロードスター。写真のグレードはVスペシャル
▲現代の車では決して味わうことができない可憐なたたずまいとサイズ感。ちなみにボディサイズは全長3955mm×全幅1675mm×全高1235mm本稿をお読みの各位に、今さらNAの詳細をご説明する必要はないだろう。マツダ ロードスターの初代モデルであり、ライトウェイトスポーツカーという分野における世界的金字塔である。
そんなNA型マツダ ロードスターを購入しても、当然ながら12Rのようなパワーや機能、あるいは安全性のようなものは望むべくもないわけだが、その代わりにNAには、12Rであっても決して手に入れることができない「プリミティブな快感」を得ることができる。
ご存じのとおり原点=NAに回帰しようとしたのが現行ND型なわけだが、ならばいっそのこと本当の原点=NA型に帰っちゃおうじゃないかというのが、この提案だ。過去に帰ろうと思えばいつでも帰れるのが、中古車というものの素敵なところである。
▲写真は新車時の広報用画像だが、これに近いレベルまで内装の状態を仕上げられたら最高だとはいえ今やNAも古くなり、中古車価格は上がっているのに、上物といえるコンディションの物件数は逆に少なくなっている。だが、ある程度以上の予算を投入すれば、素性の良いNAを見つけることは今なお可能であり、それにさらなるメンテナンスとレストアを施せば、きわめて最高な「自分だけのNA」を作ることができる。
そんな1台が完成したときの歓びが「12Rの抽選に当たったときの歓び」以上のものになるかどうかは、個人差のある話だ。しかし種類は違えども、量やレベルとしては同程度の歓びを感じるだろうことは、ほぼ間違いない。
ロードスター12Rの第2弾抽選を待つのも悪くないが、「初代にすべてを賭けてみる」というのも、同様に悪くない話である。
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マツダ ロードスター(初代)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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