ウェンブリースタジアムにトップレーサー16名が集結

世界最速のレーシングドライバーはオレだ!世界各国で活躍するトップレーサーたちが一堂に集結し、1対1のガチンコ勝負を行う、レース・オブ・チャンピオンズが今年も開催された。

20回目を迎える今大会は、イギリス・ロンドンにあるウェンブリースタジアムが戦いの舞台。サッカーの聖地としても知られるこのスタジアムのピッチ上に1800tものアスファルトを敷き詰め、1周1kmのコースを作り上げた。レースに使用するのはアストンマーティンV8ヴァンテージN24、フォードフォーカスRSWRC07、バギー、フィアットグランデプントS2000アバルト、ソリューションFツーリングカップカーなど5種10台。
レースオブチャンピオンズ2007

レースはそれらのマシンを使用し、16名のドライバーが8組に分かれトーナメント方式のマッチレースで最速の称号を競い合う。主催者側が用意するマシンを使用するため、イコールコンディションでの勝負となり、ドライバーの技量がタイムにそのまま直結することになる。

参加メンバーは今年も豪華な顔ぶれだ。1年ぶりにレースの舞台に姿を見せた皇帝ミハエル・シューマッハーを筆頭に、F1のジェンソン・バトンやデビッド・クルサード、WRCのマーカス・グロンホルムやNASCARのジミー・ジョンソン、DTMのマティアス・エクストローム、そしてWTCCのアンディ・プリオールなど16名の超一流ドライバーが顔を揃えた。

ファイナルはシューミーとエクストロームの一騎打ち

今大会はやはり久々のレース参戦となるシューマッハー、2連覇を目指すエクストローム、そして地元バトン&プリオールに注目が集まる。そんな中、シューマッハーはブランクを感じさせない走りで、次々とライバルを破り決勝に駒を進めた。対して地元イギリス勢や実戦でもこの手のコースを走り慣れているWRCドライバー勢はその実力を発揮しきれずに敗退。決勝に進んだのはやはり本命エクストロームだった。

好カードとなった決勝は3ヒートで行われた。ヒート1はエクストローム、ヒート2をシューマッハーが獲るという両者一歩も譲らない展開に会場も大興奮だ。そして天下分け目のヒート3へ。両者最終コーナーまで僅差の戦いを繰り広げるも、なんとシューマッハーが痛恨のスピン。ここで勝負あり。見事、エクストロームが2連覇を果たした。
レースオブチャンピオンズ2007 アストンマーチンV8ヴァンテージN24 レースオブチャンピオンズ2007 M.エクストローム
↑1kmの周回コースでは手に汗握るバトルが展開される(左) シューマッハーを破り2連覇を達成したエクストローム(右)

来年もウェンブリーで開催決定!この迫力を現地で体験してみては?

エクストロームの連覇で幕を閉じた今大会だが、シューマッハーも現役時代と変わらぬ走りを見せてくれた。レース終了後には記者から「現役復帰はいつ?」とお約束の質問攻めに。しかし返事は「NO!」ときっぱり。とはいえ、このようなイベントには今後も参加するというので楽しみにしたい。

レース・オブ・チャンピオンズは来年もイギリスでの開催が決定しており、主催者はすでに今年F1に旋風を巻き起こしたルーキーのルイス・ハミルトンとの交渉も開始しているという。来年はシューマッハーとハミルトンの一騎打ちが実現する可能性もあるのだ。ウェンブリースタジアムはロンドン市内からのアクセスも良く、観光ついでに観戦もできる場所にある。来年は少し早めの冬休みをとって、ナマでこの迫力を体感してみてはいかが?

Report/石川茂幸