5月19日~20日、ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで24時間耐久レースが開催される。このレースには日本からも多くの現役レーサーが参戦するが、その中に「モリゾウ」という名前がある。そのドライバーというのが、誰あろう日本を代表する自動車メーカー、トヨタ自動車社長の豊田章男氏だ。

普通に考えれば会社の代表である社長が危険と隣り合わせの自動車レース、それも「世界一過酷」といわれる耐久レースに参戦するのだから、ちょっとした事件だ。トヨタの社長であれば、車に乗る機会はセンチュリーの後部座席のみ、と考えるのが一般的だろう。

しかし、モリゾウこと豊田氏は、副社長時代の2007年、2009年にも同レースに参戦しており、実は今回で3回目の挑戦というほどの車好きでありレース好きでもある。

初参戦は2007年だが、モリゾウは2001年からニュルブルクリンクで運転のトレーニングを始めている。1周20km以上、高低差300m、170以上のコーナーの連続に、最初は「何てサーキットなんだ!?」と、汗びっしょりになってハンドルを握っていたという。

そして2003年から本格的に参戦への準備が進められ、2007年にアルテッツァを駆ってレースに参戦。総合順位は109位(クラス順位は14位/42台)と、完走した上に上位でゴールしたのだからさすがである。2009年には、レクサスのスーパーカーLF-Aで参戦。総合87位(クラス順位は4位)でゴールするなど、プロドライバーに匹敵するドライビングテクニックを披露している。

そしていよいよ今週末、モリゾウが再びニュルへ戻ってくる。操るマシンはLF-Aと86の2車。LF-Aは影山正彦や石浦宏明、大嶋和也、86では飯田章や井口卓人、蒲生尚弥らとともにドライブする。社長となってからは初めての参戦となるニュルブルクリンク24時間耐久レース。これまで以上に熱い走りを期待したい。

写真は86デビュー時に登場したモリゾウこと豊田章男氏。ビジネススーツだけでなくレーシングスーツもこよなく愛する車好きの代表でもある

写真は86デビュー時に登場したモリゾウこと豊田章男氏。ビジネススーツだけでなくレーシングスーツもこよなく愛する車好きの代表でもある

モリゾウは2009年5月、木下隆之、飯田章、ハビエル・キュロスらとともにレクサスLF-Aを駆りニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦した

モリゾウは2009年5月、木下隆之、飯田章、ハビエル・キュロスらとともにレクサスLF-Aを駆りニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦した