日産が次世代技術を紹介する先進技術説明会・試乗会を開催
カテゴリー: レース&イベント
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2011/10/14
■「エコ」や「セーフティ」を軸に 日産の進む道が見えた
安全技術では、主に事故を未然に防ぐアクティブセーフティ技術が重視されています。隣接レーンに車両がいるときにレーンチェンジを行ったり、前後方に障害物があるのに気付かず発進しようとしたときに危険を警報で知らせる技術、周囲を歩く人や物体を感知して知らせるシステム、2台前の車両の動きを察知して衝突を防ぐテクノロジーなどが実現間近となっています。
さらに、高齢者ドライバーの増加にともなって増えているペダル踏み間違い事故を防止するため、駐車レーンや障害物を検知して、アクセルの抑制や自動ブレーキを作動させるシステムも開発中です。また、移動物検知機能は11月に発売されるエルグランドに搭載されるアラウンドビューモニターに早くも内蔵されることが決定していますが、この駐車ガイド機能は初心者でも簡単に車庫入れや縦列駐車ができる優れものでもあります。
これらの技術はいずれもすでに実用可能で、あとは市販化するにあたってどのようにコストを抑えるかという段階にきています。特に安全技術はエアバッグやABSのように、エントリーモデルまで幅広く普及してもらいたいもの。ぜひ早期に、さまざまな車種で実現することを期待しています。
太陽光発電と風力発電を組み合わせて、リーフに充電するシステム。リーフには家庭で使用する2日分の電力を蓄電可能。日中は家庭に設置したソーラーパネルなどからリーフに充電し、夜間はリーフに蓄えられた電力を家庭で使用するシステムの普及を日産は計画しています
自動車のテクノロジーは、速く走ることのみ追求されているわけではありません。日産では技術開発を、環境技術や安全技術など4つの領域に分け、推進しています。そんな日産が取り組んでいる先進技術を体験できる説明会・試乗会が神奈川県横須賀市の日産自動車追浜GRANDRIVEで開催されました。
電気自動車リーフを投入した日産ですが、こういったEVの価値を広げることと、既存のエンジン車をより効率的に動かす2本立ての戦略を取っています。まずEVは、リーフのバッテリーをフル充電すると一般家庭2日分の電力を供給できることから、家庭用の電力制御装置「PCS」(パワーコントロールシステム)を通じて、太陽光発電の電力をEVに蓄電する「スマートハウス」の普及を目指しています。
さらに、車を駐車するだけで充電が可能な非接触充電システムを新たに開発。これは充電器と車、双方に付けられたユニットを介して充電が行われる仕組みで、「電磁誘導方式」という技術によって、ケーブルによる普通充電に匹敵する充電効率(80~90)を実現しています。駐車位置についても適用範囲が広く、バックモニターなどを利用した誘導が行われるので、操作は簡単に行えます。
説明会が行われた建物の電力は、風力発電や太陽光発電に加え、リーフから送られたものも使用して賄われていました。非接触充電システムのユニットは通常は青く光り、近づくと黄色に変化して、充電可能位置にくるとまた青に変わります
エンジン車ではクリーンディーゼルやFR車用のハイブリッドなどに加え、今後はFF車用のハイブリッドシステムと、2~3.5Lという大排気量車用のCVTを開発中。これらは既存のエンジンやミッションとも組み合わせやすいことから、より広いクラスの車両に低燃費かつ高効率なドライブトレインが搭載されるようになりそうです。安全技術では、主に事故を未然に防ぐアクティブセーフティ技術が重視されています。隣接レーンに車両がいるときにレーンチェンジを行ったり、前後方に障害物があるのに気付かず発進しようとしたときに危険を警報で知らせる技術、周囲を歩く人や物体を感知して知らせるシステム、2台前の車両の動きを察知して衝突を防ぐテクノロジーなどが実現間近となっています。
2台前の車両が急ブレーキを踏んだことを検知し、危険を知らせる表示。さらに音とシートベルトの巻き込みによって警告が行われます(左)
FF車用ハイブリッドは1モーター2クラッチ方式のCVT、スーパーチャージャーを追加したダウンサイジングエンジンを組み合わせます(右)
こういったシステムはカメラやソナー、赤外線・ミリ派のレーダーなどが数多く必要となり、車両やオプションの価格高騰につながっていました。日産はこれまで複数必要だったカメラを一つで感知できるようにしたり、既存のバックモニターやアラウンドビューモニターを活用してソフト面だけのアップデートで機能を活用できるようにしたりといった努力をしています。FF車用ハイブリッドは1モーター2クラッチ方式のCVT、スーパーチャージャーを追加したダウンサイジングエンジンを組み合わせます(右)
さらに、高齢者ドライバーの増加にともなって増えているペダル踏み間違い事故を防止するため、駐車レーンや障害物を検知して、アクセルの抑制や自動ブレーキを作動させるシステムも開発中です。また、移動物検知機能は11月に発売されるエルグランドに搭載されるアラウンドビューモニターに早くも内蔵されることが決定していますが、この駐車ガイド機能は初心者でも簡単に車庫入れや縦列駐車ができる優れものでもあります。
人間が座ったとき、シートのどの部分に圧力がかかるかを計測。これにより背中の高い位置をサポートする新しいコンフォータブルシートが完成しました(左)
2005年時に比べ、出力密度が2.5となった燃料電池スタック。白金使用量と部品種類が4分の1に、スタックコストが6分の1に低減されています(右)
そのほかにも燃費の向上と安全性の確保を両立させるため、車両を軽量化しつつ剛性を確保する新しいハイテン材(高張力鋼板)の開発や、慶應義塾大学山崎研究室との共同研究により、無重力状態に近い中立姿勢を保てるシートの開発など、一般的な技術も改めて見直す努力が続けられています。2005年時に比べ、出力密度が2.5となった燃料電池スタック。白金使用量と部品種類が4分の1に、スタックコストが6分の1に低減されています(右)
これらの技術はいずれもすでに実用可能で、あとは市販化するにあたってどのようにコストを抑えるかという段階にきています。特に安全技術はエアバッグやABSのように、エントリーモデルまで幅広く普及してもらいたいもの。ぜひ早期に、さまざまな車種で実現することを期待しています。
Report/渡瀬基樹
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