東京モーターショー2009|日刊カーセンサー

メーカーのいろいろな思惑が渦巻く搬入作業

モーターショー 設営|日刊カーセンサー
モーターショー 搬入待ち|日刊カーセンサー

東京モーターショーの会期そのものは、10月21日(水)の報道発表日から、11月4日(水)の15日間だ。主催者である日本自動車工業会は9月29日の記者会見で、「入場者数100万人に向け努力したい」と、100万人達成を目指している。その鍵となるのが、やはり国産メーカー8社の展示内容だ。

なかでも各社が「秘中の秘」としているのが、ブースの最前列を飾るコンセプトカー。この出来いかんにより、自社ブースの人気不人気が決まるといっても過言ではない。当然ながら、各メーカーは、ブースの演出と展示車両の内容にしのぎを削るし、なるべく競合他社に展示内容は悟られたくない。

そんな思いも交錯して、コンセプトカーの搬入は、実はプレスデー前日の、それも夕方から夜遅くになる。場合によっては、10月21日当日の早朝なんてこともザラだ。もっともコンセプトカー自身、ぎりぎりまで各社の研究所で製作されているという事情もあるが…。

ここまでを読むと搬入の自由度が高いように見えるが、規定の搬入日はきっちり定められており、10月13日(火)18時から20日(火)18時となっている。実は、搬入日3日前の10月10日(土)までは、別の展示会が実施されている。そちらの後片付けが10月12日までかかることから、搬入がこの日程となった。

搬入に「1週間もあるじゃないか」と感じる人もいるかもしれないが、この1週間で、壁や床、照明は言うに及ばず、音響、電源、配線などあらゆる設備の設置をしなければならない。さらにそうした工事が済むと、什器、備品の搬入、並行して設備の動作チェックや安全上の問題はないかなど、主催者をまじえて入念な確認作業が待っている。説明員やコンパニオンの訓練などが始まるのはこの後になる。文字どおり、戦いのような1週間が始まるわけだ。

1週間かけて用意したブースを3日で解体


ショーが終わると搬出だ。早いところは公開終了直後の11月4日の最終日の20時から撤収作業を始めるところもある。主催者の定めた規定では、11月6日(金)17時までに、ブースを撤去してスペースを現状復帰させなければならない。最後に主催者がチェックをして、幕張メッセに確認してもらうことになる。

「でも状況によっては翌週まで撤収がずれ込むこともあるんですよ」(自工会広報部)と、元に戻すのも楽じゃないみたいだ。