ランボルギーニ ミウラなどの名車が隠れて集まるガレージ【EDGE HOUSE】
カテゴリー: カーライフ
タグ: ランボルギーニ / EDGEが効いている / ガレージハウス
2022/12/29
家の前を通っただけでは、ここに複数台の名車が集まるガレージがあるとは想像もつかないだろう。しかし、車1台が通れるシャッター付きの門をくぐると、ロータスといった現代の車から、ジャガーやベントレー、ランボルギーニ等々の往年の名車が”遊びにくる”ガレージがあるのだ
名車を飾るのではなく眺めて走って楽しむ
施主がクラシックカー沼にハマるきっかけになった車が、写真に写る黄色いランボルギーニ ミウラ。
実は父親の愛車で、当時大学生だった施主はこのミウラで父親と初めてクラシックカーレースに出走した。その頃は三菱のランサーエボリューションⅦで、長野県の山道を楽しんでいたそうだが、ミウラでクラシックカーレースを走ってみて「こんな世界があるんだ!!」と、一気に底なし沼へと引きずり込まれた。
現代の車もクラシックカーも好き。きっかけは父親の影響だ。4人兄弟が全員、感化され、特に三男の施主が「一番の車好きじゃないかな」という。
中でも思い入れのあるクラシックカーはジャガー XK-120ロードスター。結婚してすぐ、そのジャガーに奥様を乗せて長野のラリーに参加した。途中で雨が降り出すと、やがてみぞれに。「屋根がないからとても寒くて。寝たら死ぬ(笑)と運転しながら2人でずっと歌っていました」
奥様と子供をアルファ ロメオに乗せて九州のラリーを走ったこともある。3年前のことだ。最近は奥様が子育てで忙しいため、一緒に走る機会は減ったが、子供が手離れしたらまたレースの助手席に誘うつもりだという。
そう、施主一家はみんな走ることが好きなのだ。「車は飾っているだけじゃ面白くない。乗り鉄ならぬ乗り車!? かな」と笑う。
父親と施主の兄弟がフェラーリやポルシェなどを、それぞれ複数台所有しているが、すべて走れる状態にある。誰かのガレージが空いていれば、そこに自分の愛車を置かせてもらう、なんてこともしょっちゅうある。
そんな車好き一家の一人である施主は、母屋とガレージ棟をあえて別に建てた。母屋から愛車が佇むガレージを見たかったというのがその理由。「クラシックカーも現代の車もしっくりくる、良い意味で遊びのあるデザインにしたかった」
そこで依頼したのは、クラシックカーレースで知り合った建築家の倉島理行さん。「この人なら上手に遊んでくれそう」と思ったという。
依頼された倉島さんがまず考えたのは、ガレージ棟に設けるリビングからはもちろん、上からも車を眺められるようにすること。
「車を3台置くので、リビングはそれほど広く取れません。しかし、家族も友人たちも車好きですから、みなさんが集まれる場がもう少し欲しかった。また、愛車のうちの1台は、ジャガーのロードスター(取材時はメンテ中)でしたから、上から眺めたら面白いだろうと考えたのです」
そして、一般的には道路側にガレージの開口部を設けるのだが、このガレージは道路に背を向けて建っている。
「出入りするのが人目を引く車ばかりですからね(笑)。外からはそれが分からないようにしようと思いました。それに施主が所有するジャガーやロータスはイギリス車。イギリスでは、敷地に入ってからガレージに納めるこの形が一般的なんです」
こうして完成した木造のイギリス流ガレージに、実は3年ほど前にもう1台のイギリス車が加わった。
残念ながら取材時は、ジャガーとともにメンテナンス中だったが、1924年式ベントレー 3Lスピードだ。新しく迎えた愛車がもうすぐ100歳を迎えるクラシックカー。
もちろん、これも走るための車だ。なぜそこまで走ることが好きなのだろう。「だって昨日より運転が上手くなったら、今日が楽しくなるじゃないですか」
■主要用途:専用住宅
■構造:木造
■敷地面積:1023.0㎡
■建築面積:72.0㎡
■延床面積:72.0㎡
■設計・監理/Kurashima 一級建築士事務所
■TEL:0120-301-004
※カーセンサーEDGE 2023年2月号(2022年12月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています