フォルクスワーゲン アマロック

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?

外遊びの達人が選んだのは、欧州製のピックアップトラック

日本ではあまり馴染みのないピックアップトラック。

昔はそれなりに街を走っていたが、雨が多い日本では荷台が濡れること、そしてセキュリティ上の不安もあってか、選択肢はごくわずかになっている(日本に適したという意味では軽トラがピックアップトラックと言える)。

それでも、キャビンと隔絶した荷台には汚れた道具を大量に積めて、積み降ろしもイージーとあって、アウトドアアクティビティを趣味とするユーザーには根強い人気を誇る。

今回ご紹介する北村精基さんは、珍しい欧州製ピックアップトラックで暮らす、外遊びの達人だ。

フォルクスワーゲン アマロック▲セミセルフビルドで建てたオフィス兼倉庫で支度中の北村さん。雪の舞う寒さでも、愛犬のロック君は元気いっぱい
北村さんの愛犬、ロック君▲自然が広がる土地で放し飼いにしたかったという北村さん。夢が叶った!

関西出身の北村さんは、海外のキャンプ用品などを輸入販売する会社の経営者。

約1年前に山梨へ移住し、南アルプスの鳳凰山を望む自然の豊かな土地にオフィス兼倉庫を建設。近くに構えた住まいから通勤している。

「以前は自宅から仕事場までの3kmをロックと走っていました。冬のいまはお休みしていますが……」

愛犬のロック君は現在12歳。ラブラドールとハスキーのミックス犬だ。

「昔は、それはもうやんちゃで、あらゆるものを破壊していました。今はすっかりおとなしくなって、お隣さんが離れていることもあり、リードなしで放置していることは多いです」

北村さんの愛犬、ロック君▲5歳頃まではとってもやんちゃで、モノを壊し、植木をダメにし、靴をかじっていたという
北村さんの愛犬、ロック君▲キャノピーが付いたアマロックの荷台から外を望むロック君

愛犬のために増築!? した荷台のキャノピー

北村さんの愛車は、日本に正規輸入されていないフォルクスワーゲンのピックアップトラック、アマロック。

日本では数えるほどしか走っておらず、現時点ではカーセンサーnetへの掲載は1台もない。

全長5.3mを超え、2列4ドアのダブルキャブを備えがら、荷台は広々。その上に載るキャノピーは後付けしたものだ。

「ロックを荷台に乗せたとき、ケージに入っているとはいえ吹きさらしではかわいそうと思い、サードパーティのキャノピーを南アフリカから船便で取り寄せました。板状のパーツを組み立てるのですが、重さは90kgにもなり、男4人がかりで取り付けました」

日本の商用車とは一線を画す、アマロックのダイナミックなスタイリングは、頑丈なキャノピーを装着したことでますます迫力あるものになった。

堂々としたロック君とも雰囲気が合い、大好きなスキーで鍛えた北村さん共々、調和が取れている。

そんなところからも、飼い主と愛犬の理想的な関係が見えてくるのだ。

雄大な自然の中で、大好きなご主人とともにロック君はこれからも元気に暮らしていくだろう。

フォルクスワーゲン アマロック▲フレームの上にボディを載せたアマロックは、堅牢で悪路走破製に長ける
フォルクスワーゲン アマロック▲ケージに入り、さらに頑丈な作りのキャノピーに囲まれたロック君
文/櫻井 香、写真/見城 了

フォルクスワーゲン アマロック

北村精基さんのマイカーレビュー

フォルクスワーゲン アマロック

●購入金額/約400万円
●年間の走行距離/約20,000㎞
●マイカーの好きなところ/すべてにおけるデザイン・剛性感
●マイカーの愛すべきダメなところ/最近大きくなってきたディーゼルのガラガラ音
●購入する際に比較したクルマ/ランドローバー ディフェンダー、フォルクスワーゲン T5
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/遊びに重きを置いたキャンパー

櫻井 香

フリーエディター

櫻井 香

男性総合誌の編集者を経て、フリーランスに。雑誌メディアを中心に、カルチャー、アウトドア、ファッションなど、様々な企画を編集・執筆。これらのジャンルとクロスオーバーする形で車の楽しみ方を俯瞰し、非マニア層にもわかりやすい企画を得意とする。