▲JAFと九都県市首脳会議環境問題対策委員会が実施しているエコトレーニングに参加してきた。この日は参加希望者が多く抽選になったそう ▲JAFと九都県市首脳会議環境問題対策委員会が実施しているエコトレーニングに参加してきた。この日は参加希望者が多く抽選になったそう

普段の運転にいかにムダが多いかよくわかる

編集部員A(以下、A):運転の仕方だけで年間数万円もガソリン代を浮かせる方法があるんですが、知ってます?
ぴえいる(以下、ぴ):どーせ「ふんわり」とか「そっと」アクセルを踏めとかっていうエコドライブってことだろ?
A:あ、イヤならいいですよ。ボクだけ参加希望出しておきますから
:イヤとは言ってないだろう。仕方ない、私のエコドライブの奥義を見せつけてあげるよ
A:ホントはお金に目がくらんだんでしょwww

Aくんもまだまだ青いな。私はお金に目がくらんだだけではなく、他人だけトクをするのも嫌なのだよwww。とはいえ、エコドライブ=ちんたら走るというイメージがあったのは事実。しかし、参加したエコトレーニングで体験したエコドライブは、そんな安易なイメージを軽~くくつがえした。しかも私の場合、年間約5万9000円も浮くことが判明したのだが……それは普段、ガソリンを大いにムダ使いしているということに他ならないのだった。

我々が参加したのは埼玉県自動車学校で開かれたエコトレーニング。この日は希望者多数のため抽選まで行われたほどの人気ぶりだった。

まずは現状の運転状態をチェック。専門の燃費測定装置が備えられた車に4人(他の受講者とインストラクターを含む)で乗り込んだ。決められたコースを走って、それぞれの燃費を測定するのだが、この時点では、まだ自分の燃費がどうだったかは教えてもらえない。……のだが、後に伝えられた数値を参考にお伝えしておくと9.9km/Lだった。

続いて座学。発進時/巡航時/減速時/停止時での注意点を学ぶ。特に燃料消費が多いのは発進時で全体の38%を占めるという。

普段の運転にいかにムダが多いかよくわかる

インストラクター:発進時は5秒かけて20km/hになるのが目安です
:ほらね、やっぱり「ふんわり」「じっくり」だろ?
A:さぁ、どうですかねwww
インストラクター:また、巡航時は周囲をよく見て、なるべく高いギアのまま一定の速度を保つように。自転車で走る際に時々足を休めて空走させますよね、あれと同じようなことです
A:なるほど! 自転車を漕ぐと考えると、イメージしやすいですね
インストラクター:エコドライブとはゆっくり走ることではなく、「ムダな燃料の消費をなくす運転」のことなんです
:上り坂に差し掛かってからアクセル(自転車のペダル)を踏む(漕ぐ)よりも、坂の手前でスピードを上げておく方がラク=ムダなエネルギー消費がないってことか
A:自転車でもなるべく流れに乗っておこうとすれば、端に停車している車や交差点の状況など周囲を良く見るようになりますからね。それがエコドライブと安全運転につながるというわけですね
:確かに、自転車だと漕ぎ出す時が一番ツライから、なるべく止まらないように先を見て「こう避けよう」とか気にするよな

他にもエコドライブのコツをいくつか座学で学んだ後、いよいよ実践。

:どれどれ、20km/hになるまで1、2……5ってあれ? さっきの通常時の加速感とあまり変わらないなあ。ちっともチンタラじゃないぞ!?
インストラクター:この車はCVTですからクリープが弱いですが、クリープを利用するように、ブレーキペダルから足を離して2つ数えたらアクセルペダルを踏む感じでやってみてください
:えっと1、2……あ、やっぱり普通の加速感だ。モタモタしてない
A:むしろ、今までのぴえいるさんのアクセルの踏み方は、ムダに燃料を噴射してたってことじゃないですか。この方法でも十分思いどおりの加速をするんですから
インストラクター:もちろん周囲の状況に合わせて、エコドライブすることが大切です。周囲をイライラさせてしまったら、急アクセルを踏む人が出てきてしまい、社会全体のエコにはつながりませんから
:でも、これならそう文句は言われそうにないですね!

そしていよいよ結果発表! 何と私の燃費は9.9km/Lから13.5km/Lに跳ね上がった! 職業柄、車で移動する機会が多いので、週に大体300kmは走っている。1ヵ月に換算すると1200km、年間では14400km。ガソリン価格比較サイト「gogo.gs」が集計している原稿執筆時点での全国平均価格151.65円/Lで計算すると……

なんと、年間で約5万9000円も節約できる計算に!!

逆に言えば5万9000円分のガソリン約389Lをムダに垂れ流しているという事実に驚愕した。

A:数字で示されると普段の運転がムダだらけで考えさせられますね
:389Lのムダって。いや、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。ただ「節約」という意味だけじゃなくエコドライブを心がけなきゃいけないね
A:ただ、ぴえいるさんはアクセル開度がまだフラットじゃないですからもっと練習しなきゃですよ。ほらボクのと比べ……
:小姑みたいに重箱の隅をつつくなよ。卑しいやつだなぁ。とにかく5万9000円浮いたんだし、よし今晩は高級焼肉だぁ!
A:いやいや、本当に反省したんですか!?(って、もう行っちゃったよ……)

▲インストラクターがリアルタイムで燃費などがわかるタブレットを見ながらアドバイスをしてくれるので、エコドライブのコツが身につきやすい ▲インストラクターがリアルタイムで燃費などがわかるタブレットを見ながらアドバイスをしてくれるので、エコドライブのコツが身につきやすい
▲アクセルワークだけがエコドライブの奥義ではない。例えば前方を注意深く見ていることでスムーズな走行ができるとか、車間距離をとっていると燃費が良くなりやすい理由などを座学で教えてくれる ▲アクセルワークだけがエコドライブの奥義ではない。例えば前方を注意深く見ていることでスムーズな走行ができるとか、車間距離をとっていると燃費が良くなりやすい理由などを座学で教えてくれる
▲微妙なアクセルワークをするには正しい運転姿勢が大切になる。運転姿勢だけで燃費が10%も変わることがあるそう ▲微妙なアクセルワークをするには正しい運転姿勢が大切になる。運転姿勢だけで燃費が10%も変わることがあるそう
▲上が私。下がAくんの発進時アクセル開度。私はAくんと比べて最初のアクセル開度が大きく(黄色い線)、エコドライブ度(緑色の線)が右肩下がりになっている。負けを認めたくはないが、Aくんのように緑の線がフラットな方がよりエコドライブ ▲上が私。下がAくんの発進時アクセル開度。私はAくんと比べて最初のアクセル開度が大きく(黄色い線)、エコドライブ度(緑色の線)が右肩下がりになっている。負けを認めたくはないが、Aくんのように緑の線がフラットな方がよりエコドライブ
text/ぴえいる