親方直伝!? 車内で使えるロープワークをやってみた
カテゴリー: カーライフ
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2014/10/15
ロープ1本あればすぐできる3つのロープワークをご紹介!
かつて植木屋さんでアルバイトしていたときに親方から「そこモヤッとけ!」と言われ、なんじゃそりゃ? とフリーズ。結果、こっぴどく怒られたことがあります。
そんな話はさておき、プロの職人さんってロープの縛り方のスゴイ技術を持っていますよね。そんなロープワーク、実はカーライフにも生かせるのでは? ということで、今回はかつての親方直伝(?)の「ラゲージスペースやレジャーで役立ちそうなロープワーク」を紹介します。
まずはロープワークの基本中の基本、「もやい結び」。先ほど親方が「モヤッとけ」と言っていたのはこの結び方のこと。ロープの先に輪っかを作って、荷物をぶら下げたりフックなどに固定するなど、あらゆる場面で使われる結び方です。
![▲もやい結びはまず(1)フックなどを通してきた先端をロープの上に重ねて(2)十字部分を右手に持ち(3)輪を奥から手前にくぐらせながら回転させます](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/moyai001syusei.jpg)
![▲交差部分を持った右手首ごと時計回りで回転させるイメージです。すると、輪Aの中をロープ先端が下から上に抜ける(4)のような状態になります。(5)先端をもう一方のロープ背面に回して(6)今度は手前から奥に向かってAの輪に通します](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/moyai002syusei.jpg )
![▲(7)ロープ先端を下方に引き抜いて(8)結び目をぎゅっと締めれば完成。すると(9)のような強固な輪ができます。ちなみに私はこの結び方を「池の中から龍が出て、立ち木を回って再び池の中へ帰る」と覚えました](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/moyai003syusei.jpg )
続いては「自在結び」。別名「トートラインヒッチ」とも呼ばれ、アウトドア上級者がキャンプなどでよく使う結び方です。
結び目をスライドさせると…ロープの長さを自由に変えることができるんです。結び目が動くので荷物の固定には向きませんが、ふたつの物をつないでテンション(張力)を掛けるときに便利なロープワークです。
![▲自在結びは最初に(1)先端をフックなどに通し(2)張りたい綱の下側から奥を通して輪の中をくぐらせます。(3)次に少し離れた位置に同じ要領でふたつ目の結び目を作り、同じ輪の中で綱をもう一周させます](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/JIZAI_001syusei_02.jpg)
![▲(4)先端を左側に抜いて、(5)もう一度同じ要領で輪を作ります。(6)最後に結び目をぎゅっと締めれば完成](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/JIZAI_002syusei.jpg )
最後に運送業の人がよく荷物を縛るのに使う「トラッカーズヒッチ」。この結び方の利点はとても強い力で拘束できること! 実はこの結び方、学生時代に物理で習った「滑車の原理」を使っているために、軽い力でロープがガッチガチに張れちゃうんです。重くて動きやすい荷物、バラけやすい荷物に圧力を掛けてシッカリ固定するのに、これほど適した結びはありません。しかも、テンションを緩めるだけでアッという間に解けるのもメリットです。
複雑な結び方に見えますが、慣れると1ヵ所数秒で結束できます。プロのロープワークは「確実に固定できる」という信頼性とスピードが命。私は親方が電光石火の早業で結ぶのをよく見ていました。
トラックで使われてるということはラゲージの荷物を固定するのにも、もってこいの結び方であるのは言うまでもありません。タイダウンフックなどがなくても、ロープ1本でシッカリ固定できます。こんなにメリットだらけのロープワーク、覚えない手はありません!
ただし、ロープが緩むと一気にほどけてしまうので、その点は御注意を。ちなみにトラッカーズヒッチにはバリエーションが山ほどあって、ここで紹介しているのはほんの一例です。
![▲トラッカーズヒッチは、(1)まず適当な位置に下のロープが手前にくる輪を作り(2)その輪に下からロープの一部をくぐらせて(3)AとB、2つの輪を作ります。Bの輪が滑車、Aの輪が滑車へのアンカー(作用点)という役割を担います](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/truck001syusei.jpg)
![▲(4)ロープの先端をフックに回します。(5)回してきたロープの先端をBの輪にくぐらせます。その際、Aの輪が抜けないようにするため、Bを左方向(この向きが大事!)にひねって先端を輪の奥から手前に引き抜きます。(6)ロープの先端を下方向にグッと引っ張ります](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/truck002syusei.jpg)
![▲ロープが十分に張れたら(7)先端をフックに通し(8)ロープ全体にロープを2回巻き付ける「ふた結び」などで先端がほどけないように結束して(9)これで完成! ちなみに(8)の工程で巻いた結び目を解けば簡単にほどけます](http://wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_26491/truck003syusei.jpg)
結び方を知っているだけではイザというときに使えません。「目をつむってても結べるくらいに練習しとけ!」と私はかつて、親方から言われていました。車の中だけでなく、アウトドアや緊急時にも役立つこと請け合いなので、ぜひ試してみてください!