国土地理院は2万5千分の1の地形図(印刷図)を、およそ50年ぶりに一新する。2万5千分1地形図は全国整備されたものの中でもっとも縮尺の大きい地図で、市販の地図などの元として幅広く利用されている。

これまでの2万5千分1地形図は墨版(黒、街や道路など)、褐版(茶、等高線)、藍版(青、川や海など)の3色で作成されていたが、新しいタイプは多彩な色で表現される。2013年中に刊行が開始され、数年をかけて刊行範囲が広げられる予定だ。

地形図は、国土地理院が全国を統一した規格と制度で作成した地図。表示事項や線の太さ、地図記号などが一定の図式で表されており、土地の高低や起伏、道路・鉄道などの構造物の状態が正確に表記されている。

著作権は国土地理院に存在するが、申請不要かつ無料で利用・複製できる範囲が広い。営利目的での使用も無償で承認されることもあり、印刷物やネットにおける地図のベース素材として使用されることも多い。

2万5千分1地形図は政府刊行物サービスセンターや大型書店などのほか、(財)日本地図センターより通信販売で入手が可能。また、国土交通省が運営する「電子国土Webシステム」から無償で閲覧することもできる。

新版では市街地や国道、道路名や駅名などが新たに彩色されるなど、より見やすい表示に改められている

新版では市街地や国道、道路名や駅名などが新たに彩色されるなど、より見やすい表示に改められている

「電子国土」には災害情報や写真など、基本図に多彩な情報を重ね合わせて閲覧する機能も備えられている

「電子国土」には災害情報や写真など、基本図に多彩な情報を重ね合わせて閲覧する機能も備えられている