トヨタ 86は、それぞれのユーザーがカスタマイズして楽しむことを考慮したモデルであり、トヨタは86用のチューニングパーツを続々と開発している。中には付けるだけで、急に運転が上手くなったかのような気にさせてくれるパーツもある。

そんなパーツのひとつ、F1の空力技術を採用した「エアロスタビライジングフィン(ASF)」は、とても“乗り味”を良くしてくれる。小さなエアロフィン数個を車両左右側面に付けるだけで、車を包み込むような空気の流れが生まれ、その気流により車体が安定し、特にコーナーなどでの車のふらつきを大幅に軽減してくれるパーツだ。

実際に富士スピードウェイで行われたメディア向け試乗会で、その効果のほどを体感する機会を得た。乗ってみて、その効果は一目瞭然。特にコーナーリング中の安定感ががぜん変わる。このパーツがあるだけで、誰かにグッと車を支えてもらっているかのように挙動が安定し、ふらつきがなくなるのだ。

それほどの速度を出さずとも効果が感じられるのがいいところ。特にコーナリング中の安定感、安心感が顕著に高まる。こんな小さいパーツでこれほど変わるということに体験した編集部員も驚きを隠せなかった。敏感な人であれば時速数十キロ程度でも付けた場合と付けない場合の差がわかるだろう。

このASF、すでに一部のタイプはオプションとして販売されている。価格は1万5750円(税込)、トヨタ系ディーラーで購入が可能だ。型紙があるので自分でも簡単に左右のCピラーに装着することができる。小型タイプのASFも開発済みだが、装着にあたっての型紙などのアイテムが実用化できていないため、一般販売にはまだ時間がかかるという。

ほかにも、2012年8月5日に開催された「Fuji 86 Style 2012」で多くの86オーナーの注目を集めた特殊仕様車「86 ファクトリーチューン」に使われていたパーツも、ユーザーオプションとして販売が検討されている。自分だけの「理想の86」を実現するためのパーツは今後もどんどんリリースされる予定だ。

トヨタ 86に「エアロスタビライジングフィン(ASF)」を装着。燃費を下げることなく車体の安定性が向上する

トヨタ 86に「エアロスタビライジングフィン(ASF)」を装着。燃費を下げることなく車体の安定性が向上する

ASFによる空気の流れを見えるようにしたもの。空気の渦がきれいに巻かれ、車両側面に沿って進む気流が生まれる

ASFによる空気の流れを見えるようにしたもの。空気の渦がきれいに巻かれ、車両側面に沿って進む気流が生まれる

86開発陣提案の特別仕様車「86 ファクトリーチューン」。限定車として「86 ファクトリーチューン」自体のリリースも検討中だという

86開発陣提案の特別仕様車「86 ファクトリーチューン」。限定車として「86 ファクトリーチューン」自体のリリースも検討中だという