スズキ ソリオ▲2020年12月に発売となった新型スズキ ソリオとソリオバンディット。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をレポート

使い勝手向上のため荷室の拡充

以前にソリオを試乗してから5年が経過した。

ソリオのパッケージングは、狭い道から幹線道路の広い道までシチュエーションを問わず扱いやすいのが最大の特徴だ。しかも全席が快適で乗り降りしやすい、小型乗用車枠の小さなトールワゴンモデルである。

先代モデルを試乗したときの印象を思い出してみる。5ナンバー枠をいっぱいに使わずとも居住性と乗り心地を良好にした、日本の道路事情に最も合ったトールワゴンの1台だったと記憶している。

今回の新型ソリオ/ソリオバンディットは、5年ぶりにフルモデルチェンジを実施して、利便性と後席のさらなる快適性をもたらしたという。

ホイールベースは先代と同様だが、荷室をメインに80mm延長して後席の居住性とラゲージスペースを広げて、よりカスタマーのストライクゾーンを広げている。

車は論より証拠。特に利便性を重視したモデルは、乗ってどうかというのが重要だ。

試乗するモデルはソリオ、ソリオバンディットともに1.24L 4気筒マイルドハイブリッド仕様のユニットと、トランスミッションはCVTを採用している。
 

スズキ ソリオ ▲先代同様に前席から後部座席側へはウォークスルーとなっており、使い勝手の良さは相変わらず◎
スズキ ソリオ ▲買い物など日常的な荷物の積載には、不便を感じさせない広さに拡充された荷室スペース

走りに力強さを与えるマイルドハイブリッド

まずはソリオバンディットからの試乗だ。ボリュームのあるフロントマスクにデイライトをキリッとした目のように見せることで、シンプルだが5ナンバーのトールワゴンとは思えない重厚感が与えられている。

シートに座り込む。センタークラスターの質感は、テカリを抑えて良質な印象に見立てる。色合いも落ち着いていて、各部の操作性もシンプルで扱いやすさを感じさせる。

4気筒ユニットの始動性と静粛性は申し分ない。3気筒のそれに比べるとやはりスムーズだ。

静かに発進すると、3人とカメラマンの撮影機材を積んでいるにもかかわらず、動きは軽快だ。ハイブリッドモーターの後押しがあるのだが、とてもナチュラルで押し付けがましい部分は皆無である。

試乗会場から段差を乗り越えて幹線道路に出る。リアのストロークがとてもスムーズで、上下の動きにゆとりがある。後席の快適性を狙った点が、サスペンションストロークからも明らかだ。

加減速を繰り返す。エンジンの特性を理解して速度に合わせたCVTのコントロールが、とてもスムーズだ。

また、タイトなカーブでもステアリングに安心感がある。たとえ不意にステアリングホイールから手が離れたとしても、車の姿勢が急激に変わることがないだろう。電動パワーステアリングのセッティングが、とても良好だといえる。

そして乗り心地がとてもいい。ルーフや荷室の振動を抑えてあるので耳障りなノイズが少なく、その点でも後部座席の快適性が上がっているようだ。
 

スズキ ソリオ ▲より押し出しが強いデザインのソリオバンディット
スズキ ソリオ ▲ヘッドライトユニット部分を分離させることで鋭い印象を受ける
スズキ ソリオ ▲街中の細かい段差もサスペンションがよくいなしていた

ソリオはやや浮遊感のある乗り心地

続いて、サスペンションもタイヤもすべて同じ仕様のソリオに試乗する。同じ仕様だから同様というわけではない。ホイールの重さと形状によって、乗り心地はずいぶんと異なるのだ。

正直にいうとソリオよりもバンディットの方が、サスペンションの働きはよかった。すなわち乗り心地がよいのだ。その理由はホイールの重さと形状によるものだと思っている。

ただ裏を返せば、その違いが出るほどにサスペンションが精密に作られ、セッティングされているということだ。

どちらにもいえることは、このパッケージングで最大の満足を乗員すべてに与えようと考え抜いて作られた点である。

小さくても心地いいトールワゴンは、新車であっても角が取れた人あたりのいい乗り味が特徴だった。
 

スズキ ソリオ ▲より優しい印象の顔つきになっているソリオ
スズキ ソリオ ▲スピードメーターなどが表示されるヘッドアップディスプレイを装備
スズキ ソリオ ▲空気を循環させ室内温度を適温にするスリムサーキュレーターを付けることで、後席の快適性向上に寄与している
文/松本英雄、写真/尾形和美
 

【試乗車 諸元・スペック表】
●ソリオ 1.2 バンディットハイブリッド MV

型式 5AA-MA37S 最小回転半径 4.8m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.79m×1.65m×1.75m
ドア数 5 ホイールベース 2.48m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.44m/1.44m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.5m×1.42m×1.37m
4WS - 車両重量 1000kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -
標準色

メロウディープレッドパール、フレイムオレンジパールメタリック、スピーディーブルーメタリック、スーパーブラックパール

オプション色

ピュアホワイトパール、メロウディープレッドブラック2トンルーフ、フレイムオレンジPM ブラック2トーンルーフ、スピーディーブルーMブラック2トーンルーフ、プレミアムシルバーMブラック2トーンルーフ、グリッターバイオレットパール、プレミアムシルバーメタリック

掲載コメント

-

型式 5AA-MA37S
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 メロウディープレッドパール、フレイムオレンジパールメタリック、スピーディーブルーメタリック、スーパーブラックパール
オプション色 ピュアホワイトパール、メロウディープレッドブラック2トンルーフ、フレイムオレンジPM ブラック2トーンルーフ、スピーディーブルーMブラック2トーンルーフ、プレミアムシルバーMブラック2トーンルーフ、グリッターバイオレットパール、プレミアムシルバーメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.8m
全長×全幅×
全高
3.79m×1.65m×1.75m
ホイール
ベース
2.48m
前トレッド/
後トレッド
1.44m/1.44m
室内(全長×全幅×全高) 2.5m×1.42m×1.37m
車両重量 1000kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 K12C 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 32リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 22.4km/L
総排気量 1242cc 燃費(WLTCモード) 19.6km/L
└市街地:16.2km/L
└郊外:20.2km/L
└高速:21.1km/L
燃費基準達成 H27年度燃費基準
+5%達成車
最高出力 91ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
118(12)/4400
エンジン型式 K12C
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1242cc
最高出力 91ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
118(12)/4400
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 32リットル
燃費(JC08モード) 22.4km/L
燃費(WLTCモード) 19.6km/L
└市街地:16.2km/L
└郊外: 20.2km/L
└高速: 21.1km/L
燃費基準達成 H27年度燃費基準 +5%達成車

●ソリオ 1.2 ハイブリッド MZ

型式 5AA-MA37S 最小回転半径 4.8m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.79m×1.65m×1.75m
ドア数 5 ホイールベース 2.48m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.44m/1.44m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.5m×1.42m×1.37m
4WS - 車両重量 1000kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -    
標準色

メロウディープレッドパール、フレイムオレンジパールメタリック、スピーディーブルーメタリック、ネオンブルーメタリック、クラッシーブラウンメタリック、スターシルバーメタリック、スーパーブラックパール

オプション色

ピュアホワイトパール

掲載コメント

-

型式 5AA-MA37S
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 メロウディープレッドパール、フレイムオレンジパールメタリック、スピーディーブルーメタリック、ネオンブルーメタリック、クラッシーブラウンメタリック、スターシルバーメタリック、スーパーブラックパール
オプション色 ピュアホワイトパール
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.8m
全長×全幅×
全高
3.79m×1.65m×1.75m
ホイール
ベース
2.48m
前トレッド/
後トレッド
1.44m/1.44m
室内(全長×全幅×全高) 2.5m×1.42m×1.37m
車両重量 1000kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 K12C 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 32リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 22.4km/L
総排気量 1242cc 燃費(WLTCモード) 19.6km/L
└市街地:16.2km/L
└郊外:20.2km/L
└高速:21.1km/L
燃費基準達成 H27年度燃費基準
+5%達成車
最高出力 91ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
118(12)/4400
エンジン型式 K12C
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1242cc
最高出力 91ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
118(12)/4400
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 32リットル
燃費(JC08モード) 22.4km/L
燃費(WLTCモード) 19.6km/L
└市街地:16.2km/L
└郊外: 20.2km/L
└高速: 21.1km/L
燃費基準達成 H27年度燃費基準 +5%達成車
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。