※この記事はカーセンサー関東版11号2000年3月23日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/松下 宏 Photo/桜井 健雄)

GDI エンジンの優れた特性を生かしたエコカー。動力性能は十分だ

三菱 ピスタチオ 走り|ニューモデル試乗 三菱 ピスタチオ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑ピスタチオは、小排気量のGDIエンジンを搭載し、アイドルストップ機能をもたせたモデル(左)ボディはミニカのものを使っている。シンプルでクリーンな印象のリアビューだ(右)
三菱が低燃費のエコカーとして発売したピスタチオは、軽量コンパクトボディに小排気量のGDIエンジンを搭載し、アイドルストップ機能をもたせたモデルだ。 ブレーキを踏んで車を停止させ、シフトレバーをニュートラルにしてクラッチペダルから足を離すとアイドリングがストップするという仕組みになっている。渋滞が多い日本では、停車時にエンジンを止めるだけでも燃費が大きく向上する。ピスタチオはそのポイントを生かした車なのである。

もちろんそれ以前に、1100ccという排気量の小さいGDIエンジンそのものの燃費の良さと、ミニカをベースにした軽量コンパクトボディも燃費に好影響を与えているのだが、性能の良いGDIエンジンを使ったアイドルストップ機能がこの車の最大のポイントだ。

MTミッションのみの低燃費車は日本で受け入れられるか

三菱 ピスタチオ インパネ|ニューモデル試乗三菱 ピスタチオ エンジン|ニューモデル試乗
↑室内もミニカベースだが、木目調パネルを使ったりして高級感を演出している(左)1100ccという小排気量でもGDIを実現した。将来的に軽のGDIにつながるのか(右)
発進しようとしてクラッチペダルに足を乗せると、すぐにエンジンが始動して走り出すことが可能になる。その素早さは普通のエンジンに比べて始動性の優れたGDIエンジンによるところが大きい。

ミニカベースの軽量コンパクトボディなので、1100ccのGDIエンジンでも動力性能については何の不満もないが、転がり抵抗を重視したタイヤの選択や足回りのチューニングなどは、決して“楽しい走り”を志向するものではない。やむを得ないのだろう。

また、ATミッションが主流の日本でMTミッションだけの低燃費車を作っても、どれだけ受け入れられるか疑問だ。低燃費技術はわかるが、日本では売りにくいのでは。公益法人や自治体向け50台の限定販売もやむを得ないのだろう。
主要諸元のグレード 1.1
駆動方式 FF
トランスミッション 5MT
全長×全幅×全高(mm) 3440×1475×1510
ホイールベース(mm) 2340
車両重量(kg) 700
乗車定員(人) 4
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1094
最高出力[ps/rpm] 74ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 10.2kg-m/4000rpm
10・15モード燃費(km/L) 30.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/30
車両本体価格 95.9万円

コンセプト 3点
フィニッシュ 3点
前席居住性 3点
後席居住性 3点
内装の質感 4点
取り回し 4点
操作系の使い勝手 3点
ラゲージルーム 3点
パワー感 4点
トルク感 4点
加速性能 4点
乗り心地 3点
操縦安定性 3点
高速安定性 3点
しっかり感 3点
ブレーキ性能 3点
環境対策 4点
燃費 5点
ステータス 3点
コストパフォーマンス 3点
得点合計 68/100