見た目は雑貨だが、がっしり感が高く、走りは1ランク上

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コンセプト

シンプルでカワイイ雑貨感覚の軽カー

思いきり“原宿”向いた車ね、コレ。っていうか渋谷? どっちでもいいんだけど。というのも、“東急ハンズ”なり“無印良品”なり、いわゆるオシャレ雑貨屋に置けるような“雑貨風軽カー”として作られてるんです。

それが最も表れているのは室内。黒いつや消しのインパネやシルバーメタリックなシート、丸いシンプルなメーターなどは、どう見ても雑貨感覚。で、かなりオシャレ。白いCDオーディオなんかは、そのままモダンなワンルームマンションに置いても良さそう。車っていうより、“住居”って感じ。外観も手塚治虫さんのマンガに出てきそうなシンプルかつカワイイもので、最近の若い人にウケそう。

ただね、ちょっと原宿向きすぎてるきらいも。地方でどれくらい売れるかは未知数。
室内&荷室空間

真四角なデザインでかなり広い室内をもつ

外観を見ればわかる通り、軽自動車枠ギリギリのボディサイズでほぼ真四角なデザインだから、それを反映して室内はかなり広い。

全高は1620mmあり、天井の四隅を極力凹面にしているため、身長175cmの俺でも天井に頭がつかないほど天井部のスペースは広い。ただ、立体駐車場に入らないのはちとツラめ。それに、成人男性2人が前席に座ったときの横幅の狭さのが気になる。ま、軽カーだからしょうがないんだけど。

床は低く、乗り降りで苦労することもなかったし、前席ではドライビングポジションにも違和感はない。後席は決して広いとはいえないが、背もたれは9段階もリクライニングするし十分。ひざ回りにも余裕がある。とはいえ、足を組めるほどはないが。荷室の広さは軽カーとしては普通。
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ドライブフィール

フロアもしっかりして小型車レベルの走り

乗った感じは非常に良く、“雑貨と”いうより“本物っ”て感じ。フロアは同じホンダの軽カーであるライフと同じだというけれど、それよりしっかりしている気がする。その要因はおそらく足回りの硬さ。かなり締め上げられているのだ。どうやらホンダは最近、足を硬めにしたフィットがウケたことで味をしめたらしく、自信をもって硬めにセッティングしてくる。

ステアリングフィールもがっちりしていて良い。ただし電動パワステの弊害か、中立付近でややダルいというか、不自然な感じ。

それからペダル回りの剛性も高い。特にブレーキのタッチはしっかりしており、これまた小型車レベルの出来だった。最大の問題はノンターボエンジンで、質感は高いがいかんせん遅すぎる。バランスが取れてない感じがした。
こんな人にオススメ
“原宿に住んでる人と”言いたいところだが、超都心じゃ軽カーは売れない。原宿を意識した郊外の人、例えば神奈川、千葉、茨城県あたりのヤングな人にいいんじゃないでしょうか。それから普通にホンダライフを買おうとしてる人にもオススメ。実用性に不足はない。ちょっと高いお値段が問題だ。
SPECIFICATIONS
グレード ターボ
駆動方式 FF
トランスミッション 3AT
全長×全幅×全高(mm) 3395×1475×1620
ホイールベース(mm) 2360
車両重量(kg) 860
乗車定員 4人
エンジン種類 直3SOHCターボ
総排気量(cc) 656
最高出力 47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク 93N・m(9.5kg-m)/4000rpm
車両本体価格 116.9万円
写真:宮門秀行、芳賀元昌 文:小沢コージ