日産 シルフィ (松本英雄)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: 日産の試乗レポート
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2013/02/18
堂々としたエクステリアと内装に表されるように、並々ならぬデザインへの熱意。上級車種とのヒエラルキーを感じさせない日産デザインのマテリアルへのこだわりに驚かされる
堂々とした大人なエクステリア。はたして走りは?
堂々としたエクステリアとこだわりの内装に注目
昨年12月5日から発売されている日産シルフィ。日産のセダンラインナップでは、末っ子ラティオのひとつ上の兄貴分にあたる位置づけだ。
デザインへのこだわりには並々ならぬものがある。実車はカタログで見る以上に堂々とした印象だ。抑揚のあるサイドビューに、上級車種とのヒエラルキーを感じさせないような努力が表れている。全高を低く保ち、トレッド(左右輪の間隔)を広げ、ホイールベースに関しては2700mmある。これは1クラス上(ミディアムクラス)のスペックである。
内装の質感もとても良い。最近の日産デザインはマテリアルへのこだわりに驚かされる。例えばダッシュパネル。柔らかい素材を使うのではなく、触れた瞬間に柔らかさを感じさせる素材を使うというこだわり様だ。
大人な外観とは裏腹に乗り心地は癒し系に非ず
最上級グレードのGに試乗した。エンジンはロングストローク化した新開発1.8L。それにCVTが組み合わせられる。これは全グレード共通だ。柔らかそうなシートは、意外と固めで沈み込みが少ない。
エンジンを始動する。振動や静粛性はごく普通の1.8Lのユニットという印象。アクセルに足をのせる。すると最近の燃費重視エンジンにありがちな薄いトルクとは逆に、ビックリするほど出足が鋭い。静々と発進するのが難しいくらいだ。だがエンジンやCVTを低燃費に制御するECOモードでは普通な乗り味で、シルフィというキャラクターにはとても合う。乗り心地も見た目の“癒し系”なキャラクターとは裏腹にいささかハードだ。風切り音も大きい。弟分のラティオの方が、乗り心地は癒し系だ。
内外装ともにとても良質な印象で大きくなくても高級を感じとれる装いだっただけに走りに違和感がある。見た目の印象を“走り”にも投影させる難しさを改めて感じた1台である。
SPECIFICATIONS
グレード | S | X | G |
駆動方式 | FF | ||
トランスミッション | CVT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4615×1760×1495 | ||
ホイールベース(mm) | 2700 | ||
車両重量(kg) | 1230 | 1240 | |
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHC | ||
総排気量(cc) | 1798 | ||
最高出力[kW(ps)rpm] | 96(131)/6000 | ||
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 174(17.7)/3600 | ||
JC08モード燃費(km/L) | 15.6 | ||
ガソリン種類/容量(L) | レギュラー/52 | ||
車両本体価格(万円) | 193.725 | 209.475 | 238.98 |