日産 ラティオ 【ニューモデル試乗】
カテゴリー: 日産の試乗レポート
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2012/11/27
剛性の高いボディや乗り心地などセダンの価値を再発見
ボディサイドに入るプレスラインによって、存在感のあるエクステリアデザインに仕上がっている
ノートの兄弟車種として発売されたラティオは、先代ティーダラティオの後継車。マーチと共通のVプラットフォームを使用し、低価格と実用性を両立したMADE IN THAILANDのセダンである。
Bピラーより前部はノートのキャビンを譲り受ける形で構成されており、カタログやウェブで見る以上に実物は堂々とした印象だ。NA1.2L3気筒ユニットは吊り下げ方式のマウントを採用しているため、静かで振動は気にならない。アイドリングストップからアクセルを踏んでの再始動再発進のタイムラグも違和感がないようにセッティングされている。
1.2LとCVTの相性が良く自然吸気でもトルクは十分
内装色は黒系のみ。上級グレードのG(写真)は、インテリジェントキーやプッシュエンジンスターター、フルオートエアコンを標準装備
なにより素晴らしいのはエクストロニックCVTとの相性である。過給機を搭載しなくても低速トルクをたっぷりと発生し、ドライバビリティに貢献している。日本の道路の速度領域にもピッタリとマッチングしている。ノートと同じプラットフォームだが、ボディ剛性はハッチバックのノートよりも安心感が高く、セダンの価値を確かめられる1台である。
80㎞/h以下ではたっぷりしたサスペンションのストロークと相まって乗り心地が良い。サスペンションとタイヤがよく動いているのがわかる。これは道路事情の悪い新興国向けの車に見られるセッティングで、タイヤハウスとタイヤの隙間が大きいことで認識できる。日本向けのラティオは高速走行を前提としたアメリカ仕様に近いと言える。
街中では乗り心地も良いし、後席のフットスペースもすこぶる広く快適だが、ダンピングが緩めなため、長時間の高速走行では身体が揺れて疲れるかもしれない。リアオーバーハングの分、トランクルームの広さは十分。同社フラッグシップのシーマよりも広く感じられるほどだ。強いて言うなら後席のヘッドクリアランスが気になったが、乗り込んでしまえばこんなものだろう。
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