※この記事はカーセンサー関東版43号(2000年11月16日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

国産クーペというカテゴリーでみても数少ない貴重な存在

  • 日産 スカイラインGT-R 走り|ニューモデル試乗
  • 日産 スカイラインGT-R インパネ|ニューモデル試乗
↑大径ローターの採用にともなうブレーキ性能の向上は、公道試乗でも十分体感できた(左)シート地のカラーをグレーからブラックに変更し、室内全体が黒基調になった(右)
スカイラインスポーツセダン&クーペのマイナーチェンジに続いてGT-Rが小変更を行った。いまやセダンとのシリーズ共通性の高いクーペは、日本ではこのスカイラインだけで、国産のクーペというカテゴリーでみても、プレリュードまでもが生産中止となり、まさに数少ない貴重な存在となっている。

ちなみに今回の主な変更点は、Vスペックに代わるVスペックIIのボンネットフードをアルミ製からエアダクトの付いたカーボン製に変えたことと、VスペックN1仕様にだけ装着されていた径322mmの大径ローター(標準車は300mm)をGT-R全車に標準装着したことである。その他は内装色をブラック基調にアルミ製ペダルの採用など、セダン&クーペの変更に準じたものとなる。

骨太な動力性能と高い操安性で世界の超高性能ツーリングカーに

  • 日産 スカイラインGT-R エンジン|ニューモデル試乗
  • 日産 スカイラインGT-R ボンネットフード|ニューモデル試乗
↑エアダクトにより、高速走行時のターボチャージャー周辺温度を4〜5度下げる(左)ボンネットの成形には最先端のRTM(レジン・トランスファー・モールド)工法を採用(右)
まず、カーボン製ボンネットはアルミ製に対して4kgの軽量化となるが、この効果を公道試乗の中で実感するのはさすがに無理。でも、その心意気は買うべきだ。しかも難しいとされるペイントの仕上がりは美しく、気を使ったことがよくわかる。

ブレーキは公道でも十分わかるくらいに性能が向上しており、ワインディングをマジに攻めた際にリア側がしっかりと制動効果を発揮していることが体感できる。さらにその分、フロントの負担が減って耐フェード性も確実に高まっていた。

骨太の感覚をともなう強力な動力性能と、誰が乗ってもかなりの性能を発揮できる安全でかつ高い操安性により、世界的に超高性能ツーリングカーと認知されている。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード VスペックII
駆動方式 4WD
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4600×1785×1360
ホイールベース(mm) 2665
車両重量(kg) 1560
乗車定員(人) 4
エンジン種類 直6DOHC+ターボ
総排気量(cc) 2568
最高出力[ps/rpm] 280ps/6800rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 40.0kg-m/4400rpm
10・15モード燃費(km/L) 8.1
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/65
車両本体価格 574.8万円

斎藤慎輔の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 3点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 2点 環境対策 2点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 2点 操縦安定性 4点 燃費 2点
後席居住性 3点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 4点
内装の質感 2点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 5点
得点合計 72/100
(Tester/斎藤慎輔 Photo/奥隅圭之、芳賀元昌)