新型GS450hの“味付け”は新世代レクサスの走りの礎になる

  • レクサス GS450h 走り|ニューモデル試乗
  • レクサス GS450h インパネ|ニューモデル試乗
レクサス初のハイブリッド車として登場してから6年が経過した。当時、ミディアムアッパークラスのハイブリッド仕様の行方に世界が注目していたが、BMWとメルセデスが同クラスにハイブリッドシステムを採用している現状は、初代GS450hの先見性に対する一つの答えと言えるだろう。高級車のハイブリッドドライブとはどうあるべきか試行錯誤が重ねられた初代に比べ、新型は明確な方向性が定まりつつあるように感じられる。それが端的にわかるのが走りの味付けだ。

試乗したのは“version L”。内装が豪華なバンブー仕様のモデルだ。これに採用される竹は、環境に配慮し3年で十分な成竹に成長する高知県産の孟宗竹だ。加工も同県で行われている。

トヨタの真骨頂である“いなし”を注入

  • レクサス GS450h エンジン|ニューモデル試乗
  • レクサス GS450h ラゲージ|ニューモデル試乗
従来の走りは、欧州車を意識した“硬さ”こそレクサスだと言わんばかりの味付けだった。しかし新型でトヨタの真骨頂と言うべき“いなし”を注入したことでレクサスだけの抑制の利いた乗り味を獲得している。FRハイブリッドカーの先駆者、レクサスだからこそできる独特のセッティングと言える。モーターによる静々とした走り出しは高級感があるが、エンジンのパワーが加わると一転、異次元の加速が味わえるのも個性的だ。プリウス同様に回生ブレーキで生んだ電気でバッテリーを充電しているにもかかわらず、プリウスよりもブレーキのフィーリングは自然で違和感がない。新型GS450hで形を見た走りの“味付け”は、今後登場するレクサス車の礎になるであろう。

もう一つ、モーターからエンジンに変わる時の振動や音が抑えられている点も大きく変わった。エンジン音もブロックの振動が抑えられて高級感が増している。このように細かい部分も改良しながら、欧州車でもなく従来の国産高級車でもない独自路線を新型は歩み始めたようだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード GS450h GS450h I package GS450h version L GS450h F SPORT
駆動方式 FR
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4850×1840×1455
ホイールベース(㎜) 2850
車両重量(㎏) 1820 1860
乗車定員(名) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3456
最高出力[ps/rpm] 217(295)/6000 [モーター:147(200)]
最大トルク[ Nm/rpm] 356(36.3)/4500 [モーター:275(28.0)]
JCO8モード燃費(km/L) 18.2
ガソリン種類/容量(L) ハイオク/66
車両本体価格 700万~800万円
Tester/松本英雄  Photo/尾形和美