※この記事はカーセンサー関東版14号2000年4月13日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/家村 浩明 Photo/桜井 健雄)

クセの薄れたスタイリングで日本人にも馴染みやすいモデルに

フォード フォーカス 走り|ニューモデル試乗 フォード フォーカス リアスタイル|ニューモデル試乗
↑1.6Lだが走り出してみるとトルクは十分。山岳路の登りなどで、もう少しパワーがあればと感じる程度(左)ハイマウントのランプが印象的。チャレンジングなハッチバックのリアビュー(右)
ラリーでも活躍したフォードのミドルサイズの戦略機種、エスコートの後継モデル。もちろん引き続いて国際ラリー界にその姿を見せているが、全く新しいプラットフォームのもと、フォーカスというネーミングで登場した。 スタイリングは、いかにも近年のフォード車という感じだが、コンパクトのKa と比べると、その“クセ”というか主張性が薄れており、これなら謙虚な(?)日本人にも馴染めそうだ。

パッケージング面での最大のニュースは、地上からのシート高を、従来のスタンダードよりも上げて500mmとしていること。その結果、全高も上がっているが、そういう背の高いクルマであることにあまり気づかせないようスタイリングをまとめているともいえる。

乗り心地の良さを確保しつつ、シェアなハンドリングを実現

フォード フォーカス インパネ|ニューモデル試乗フォード フォーカス エンジン|ニューモデル試乗
↑このデザインが、ちょっと煩雑な感がある。インパネは見ててあまり楽しくない(左)排気量を忘れさせるような十分なトルクを発揮、この1.6Lエンジンは侮れない(右)
ボディ形状は5ドアのハッチバックとワゴンで、1.6Lエンジンは新作であることとATとのマッチングから、まずは1.6Lが導入される。このボディに1.6L……とは思うが、しかし走り出してみるとトルクは十分で、実用上の不満はない。山岳路の登りなどで、もう少しパワーがあればと感じる程度。

ブレーキのフィールは絶妙で、かつかなりハードにブレーキングしてもノーズダイブしないのはいい。また、乗り心地の良さを確保しつつ、シュアなハンドリングを実現しており、ブレーキ時の挙動と併せて、この足の熟成度は大いに評価したいポイントだ。

高めに設定されたシートは乗降性良好で、また前席のヘッドクリアランスは余裕も十分。ロードノイズの侵入も少なく、このクラスとしては居住性、快適性ともに高レベルだ。
主要諸元のグレード フォーカスワゴン
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4440×1710×1555
ホイールベース(mm) 2615
車両重量(kg) 1220
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1595
最高出力[ps/rpm] 100ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 14.8kg-m/4000rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.9
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/55
車両本体価格 217.0万円
コンセプト 5点
フィニッシュ 4点
前席居住性 5点
後席居住性 4点
内装の質感 3点
取り回し 4点
操作系の使い勝手 5点
ラゲージルーム 5点
パワー感 4点
トルク感 5点
加速性能 3点
乗り心地 5点
操縦安定性 5点
高速安定性 5点
しっかり感 5点
ブレーキ性能 5点
環境対策 5点
燃費 4点
ステータス 4点
コストパフォーマンス 5点
得点合計 90/100