※この記事はカーセンサー関東版2001年4号(1月25日) に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

フォードとマツダの共同開発による新SUV

  • フォード エスケープ 走り|ニューモデル試乗
  • フォード エスケープ インパネ|ニューモデル試乗
↑マツダトリビュートの姉妹車として共同開発され、プラットフォームやパワートレインなどはマツダ製で、デザインなどをフォードが担当した(左) フォード車だが、マツダ=国産車と同じように右側にウインカーが装備される(右)
エスケープはフォードとマツダの共同開発による新SUVで、プラットフォームはマツダトリビュートと同じもの。ただし共通であっても、車としては違うものしようという“作り分け”が意図的に行われているのに注目したい。

車を組み立てることについては両ブランドともに右ハンドル車はマツダが行うので、このエスケープは“輸入車”ではない。全幅が広いので写真などでは大きく見えるが、4400㎜の全長など実際はかなりコンパクトな車。

適度なロールと振動を納得させる大らかで“アメリカン”な味

  • フォード エスケープ エンジン|ニューモデル試乗
  • フォード エスケープ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑低回転域(常用域)でのスムーズさがもっとあれば…というフォード製V6(左) 大きなリアドア、ガラス部分がハッチになっているのはけっこう使えそう(右)
デリカシーのトリビュート、大らかさのエスケープ。同一車台から生まれた2つのキャラを分ければ、こういうことになりそう。

トリビュートはできるだけ乗用車ライクに…ということでロードノイズやロールなどを抑え静粛性も気にしてデリカシーがあるのに対し、一方のエスケープは、これはあくまでもアメリカンなSUVですよというまとめ方。あまりスムーズ&滑らかとは言えない搭載エンジン(フォード製)との絡みも考えると、これはフォード路線のほうが“らしい”。

エスケープは、音のレベルが低いわけでもなく、ユサッというロールも適度にある車だが、トリビュートのようにエンジンの音や振動が気になるといったことがなく、全体として納得できる感じ。何故なら「つまり、SUVならこれでいいじゃん?」という雰囲気を巧みに作る。

またアゴをこすらないといった形状的な意味でのオフ走破能力は非常に高く、それっぽい外観を裏切らない。このマジメさはいい。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード XLT(V6-3000)
駆動方式 4WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4400×1825×1700
ホイールベース(mm) 2620
車両重量(kg) 1520
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 1988
最高出力[ps/rpm] 203ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 27kg-m/3750rpm
10・15モード燃費(km/L) 61
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/61
車両本体価格 247.0万円

家村 浩明の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 4点 加速性能 4点 ブレーキ性能 3点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 4点 パワー感 5点 高速安定性 3点 ステータス 4点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 82/100
(Tester/家村 浩明 Photo/奥隅 圭之)